戦力か否かに「聖域」は不要。

残念だが、石川が盛大に燃えた…。

1回2/3被安打9の7失点、2回保たず。完全に滅多打ちにされての高津さんタオル投入、レフリーストップのTKO。内容的には全く論外。


まず前提として言っておきますが、自分も石川には出来うる限り長く現役を続けて欲しいと思っているし、厳しくも思える200勝を目標に掲げるその志は素晴らしいと思っている。


だが、ここ4,5年かな、悶々とずっと思ってはいたが敢えて声を大にしては言わなかった事。

「年々、石川自身の投球内容の出来不出来が激しく、物足りなくなっていて安定感が全く無くなった」事と、「ベンチの石川の使い方に少し問題はありはせんかね?」という2点について。

石川の投球スタイルは今も昔も変わらず、丁寧に隅を突き多彩な変化球を操り緩急で勝負のスタイル。必然的にボール球も意図して使う事があり、球数は比較的多くならざるを得ない傾向の投手。

だが、実際に現実として石川もその辺りで捕まりがちで交代を否定出来ない事も現実として増えているが、ベンチの起用法を見る限りここ何年か『球数にして80~90球』という中6日の先発投手としては理解不能な甘っちょろい限度設定をして、そこで出来の善し悪しに関わらずスパっと代えてしまう事が多い。これだと平常運転でいくら頑張っても4回~長くて5回で交代の登板が大半にならざるを得ない。年に何度か快投出来た時のみ何とか6回以上投げられるという起用法。

まずプロ野球見てる人なら誰でも知ってる先発投手の勝利投手の権利。「5回をリードした状態で投げ切る事」。点差とは別に5回を投げさせてもらえなければ勝利投手になりようが無い。だから勝ち星が増えないっていう当たり前過ぎる話。

加えて、こういう起用法が常態化してくると、石川が投げる日には2イニングなり3イニングなり投げるロングリリーバーを一人は予め計算しておかねばならないという余計な心配も増える。

こういう感じだと、使い方自体に「相当甘やかされている」感は拭えず、チーム内の競争の観点でもアンフェアさが拭えない(若い投手が問答無用で実力で石川からポジションを奪えない事の情けなさは痛感して欲しい)し、結局はリリーバー達に大きな負担もかけてしまっているので良い事がひとつも無い。


じゃあどうすればいいの?と言うと、現状だと…

①ベンチが代え時と見ている80~90球で5~6回を石川自身が勝負を早くしてその限度内でまとめ上げられる投球・組み立ての再構築をする

②どうしても球数が減らせないなら、100球以上投げても中6日で回れる事、勝敗とは別に体力的には5回は当たり前に投げられる(無論今日の石川みたいなのとか、他でもどんな好投手でも序盤で大炎上っていう事は稀にあるのでそういう時は代えてあげるのは当然ね)事を証明する

最低でも①、②のいずれかを満たした上で中6日でもちゃんと回れる(若手より休息日が若干多いっていう程度は許容範囲ね)事を示して欲しい。

そのくらいでないと、年間フルで回る体力・能力があるローテーションの投手とは呼べないし認める事も出来ない。もしそれが無理なら谷間を埋める以外の先発では使うレベルに無いと斬り捨てるしかない。

①は石川自身の内容の改善という方向性の話、②も石川自身のスタミナ面の話だが、これはベンチの使い方の問題でもあって「戦力として信頼しているなら忍耐してもう少し引っ張りなさいよ」という話。「もう40歳だし80球でいいよ」なんてのはただの馴れ合い。それは本人も望んでいないと思うし、行ける時はもっと行きませんか?っていう話。

これは余談ですが、巨人のコーチになった桑田さんは、中6日の先発投手ならまず第1目標として、1イニング15球でまとめての135球完投を目指せって言ってる。勿論セリーグだと勝負所や負けゲームだと打順で代打が出たりするので枚登板完投しろって話ではないが、「プロの先発で投げるんならそのくらいの投げる体力は持っていて当然」という話をしている。ダルビッシュだって中6日なら別に120~130球くらいなら回復は可能だと言っている。ただ、石川の場合は年齢も年齢で130球投げてのリカバリーは若い投手の様にはいかないのは仕方無いだろう。


勿論、石川が投げるから球場へ足を運ぶという熱烈な石川個人のファンも多く、プロとしての商品価値があるから試合に出すという事は全否定はしない。プロスポーツは興行でもあるから。

冒頭でも述べたが自分だって石川には出来る限り現役を長く続けて欲しいと思っている。だが自分は「石川が投げている姿を見られるだけで満足で、試合は負けてもOK」とは微塵も思えない。やはり「勝つ」事が目的でなければ本末転倒も甚だしいと思っている。


現役最多の通算173勝、今年で42歳の小さな巨人、もうこの高みまで来た人は引き際は自分で決めるしか無い次元の人。そういう意味では現役選手であるか否かについては球団とてアンタッチャブルになるのは仕方無いし、聖域であっていい。石川が満足いくまで、燃え尽きるまでやればいいと思う。だが「戦力か否か?」この一点に於いては年齢も積み上げた実績も関係無くフェアでなければアカン。

今のヤクルト、残念だが客観的に見るとプロのチームとしては最底辺。戦力的な血の入れ替えと底上げは必要事項。戦力的な部分に聖域の席を設ける余裕は無いはず。

まだ開幕まで2週間ちょっとある。石川にはおそらくもう一度はチャンスは与えられるはず。石川にはチームの戦力である事を証明した上で一軍のマウンドに立っていて欲しいと強く願う。


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