何と珍しい結末…

ここに来ての名古屋での連敗は痛いっすね。

本題ですが、今日のラストプレー、実に難解だった。改めてリプレイなどを何度か見た上での総括をしてみようかなと。

状況は0-1で1点を追う9回表、無死1,2塁の送りバントを失敗し、塁上の走者は2走が古賀で1走は西浦の「1死1,2塁、そして打者は代打の切り札川端慎吾」と。


で、燕TLを見てみると古賀の走塁をかなり批難する方もおられたが、過失が全くゼロだったかと言うとそうとも言い切れる自信は無いが、自分の感覚では古賀の判断はやはり責められないなと思っています。


あのプレーを分解すると…

①川端の打球はセカンドへの高いバウンドのゴロ

古賀からすると、事件は自分の完全な背後では無いにしても走る方向の後ろ側で起こったは間違い無い。余裕をかましてチンタラ走って三塁でフォースアウトにされようモノならそれこそ怠慢走塁の大批難ですよ。なので3塁に走って向かっている途中に起こった事を全部正しく確認しなら走るというのも難しい。塁間で目を切る瞬間はあるはず。今年は声援や音が少ないので運良くセーフのコールが聞こえて、かつそれが一塁だった事に気が付けて初めて違う結論になったかなあ…くらいのレアなお話。

②そして古賀は3塁に生きて到達し、振り返ってよく一塁方向の状況確認すると…

「あら!1走の西浦が一二塁間で挟まれてる!」

その状況を一見すると普通というか、大半の走者が「打者走者の川端が一塁アウト。2死になった状況で西浦が一二塁間に挟まれてる?」と勘違いを起こしてしまうはず。背後の状況も全部確認しながら三塁セーフになれる高い走るスピードに加え、走りながらルールもバッチリ分かった状況判断を下せるクレバーな走者なら、ああならなかったはずだが、やはりそれはかなり難しい。

③ここで初めて二塁塁審の『アウトコールを出来なかった事』が事件を大きくした

京田が2塁ベースを踏んでアピールした時に二塁塁審はどういう訳かよそ見をしている不始末。これはね、一塁がセーフで打者走者の川端が生きていて、2塁でまだフォースプレーのアウトが発生するという事を二塁塁審が分かっていなかった確実な、言い逃れ不可避の動かぬ証拠。もし理解していたのなら2塁方向にボールが投げられた時に絶対にそちらを見るはずなのね。京田が現実にしたように、2塁ベースを絶対に踏むはずだから。

でも、京田も2塁塁審がアウトと言ってくれないもんだから「ん?何よ?」となって一二塁間の挟殺を止めるに止められず、挟殺が止まらないもんだからヤクルト側も一塁走者だった西浦はじゃあ挟まれておいたらイイの?ってなってしまうし、それを見た3塁に到達した走者古賀と福地コーチも混乱を起こして「え…?何?何?一体何がどうなってんだい?」という皆がパルプンテに掛かった状態に陥って、混乱が混乱を呼んでしまったとw。

2塁塁審が見ておくべき所を見ず、状況を正しく理解を出来ていなかった事に加え、するべきコールをしなかった事が事態の混乱を最大限まで大きくしてしまったのは間違い無い事実。

勿論、誰一人正しい状況理解を出来なかったヤクルトの方も悪いのは悪いんですよ。もし誰かが分かっていたのなら、ベンチからでもどこからでも良かったので3塁上の古賀に「ベースに止まっとけー!」って声でも飛べばこの結末は防げたかもしれない。

④では、パッと見の②で起こる一塁で川端はアウトで西浦が3アウト目で挟まれているという、起こりがちな間違った状況理解であった場合、何が起こるか?

3走になった古賀は「今挟まれている西浦がアウトになってしまってはその時点でゲームセット」なので、ツイートしたように、古賀はいつかは本塁突入の決断は迫られてしまう。ルール的にはとにかく動かず3塁に留まっていたら良かったんだけども。

なので、とにもかくにも状況を理解しにくかったであろう古賀に対して、ヤクルトの誰かが「とにかくベースに留まっておけ!」って指示を出せたらよかった。

で、ツイートでも言った事。勿論、解説の藤川球児さんが仰っておられたように「あそこでアウトのコールをしないのなら塁審の存在意義が無い」というのは皆を混乱させたので至極正論。あそこで2塁塁審が大きくアウトコールをしてくれたら、古賀は動かなかったか、別の行動を取った可能性は十分にあるから。その別の行動ってのは、打者走者の川端が生きている事を正しく理解は出来ていなかったであろうから、スリーアウトと勘違いしてベースを離れてしまっていたり、ベンチに帰りかけて結局三塁に送球されてタッチアウトにされてしまったとかなんだけども…。


で、結論として思った事

やはり二塁塁審のコール無しは大きな過失で中日の守備にもヤクルトの走塁の指示にも大きな混乱をもたらした。何度かリプレイを見たから言える結果論ではあるのは前置くとしても、自分の結論としては三塁コーチの福地さんの過失責任は結構大きいと自分は思います。

福地コーチは打者走者の川端が一塁でセーフになった事は見えるはずで「ルール的には2塁ベースを踏まれたら、1塁走者の西浦が自動的にアウトになって2死1,3塁が残る」って事は分かっていないといけないし、とにかく古賀を3塁上に静止させおけばよかったのにそれが出来なかった。

リプレイを見ると福地コーチは右手を挙げたり下げたり、3塁走者になった古賀に明確な指示を出せていなかった。見る限りは一緒になって迷っちゃっていたようにしか見えなかった。福地コーチは京田が2塁ベースを踏んだ時点で西浦がアウトになった事が理解出来ていなかったと思われる。

腕を回して走者を本塁に返してファインプレー、無理に回して暴走って言われるだけがベースコーチャーの仕事の領分では無いんだなあと。

改めて1塁・3塁の両ベースコーチャーは走者の命を預かる大事な役目で、稀ではあるが今日のような事は起こりうるので、ベースコーチャーは本当にルールに精通していないといけない職場で止めるべき所をシッカリ止めるのも大切な仕事なんだなあ…と再確認でした。

コーチャーもこういうレアな状況に対する準備や予測みたいなモノって必要なんだなあと。


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