思考停止


 明後日から新年度が始まり、それとともに私の仕事上重要な法律(薬事法など)の一部改正も随時施行される。毎年少しずつルールは変わり続けている。今はそのすりあわせやシステムの変更後の運用がどう変わるかなどを理解するのに頭がフル回転している状態だ。


 仕事に直接関わるルールは山ほどある。それに加え職場特有の細かい規則もある。分厚いマニュアルの他に、ルールに変更があればすぐに文書やメールで告知される。わたしたちは太く繊細な法という枠組みの中で仕事をしている。


 それ以外にも上の組織や人からの命令もある。命じられた通りに行うのは会社組織や社会の一員である限りは、やむを得ない面は確かにある。自分の意見とは違ってもそれに合わせるしかない場面も日常に山ほどある。


 それでも、ただ言われたままそうするのか、それとも自分なりによく考えてそうするのかでは同じ事をして同じ結果になっても中身は全然違うような気がしている。「相手が、法がそうしろと言ってるんだからそうしただけ」と受け身でいることを選択するとき、わたしたちの思考は停止しており、それは同時に自分で責任を取ることを放棄している事なのではないかと、昨日見た映画を頭の中で反芻しながらふと考えた。




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