占星術における月のはなし(3)
前回は占星術から見た月の象意について、生育歴との関連から述べた。今回はもう一つの基本的な象意について取り上げる。それは肉体に関する事柄である。月は人間の気分や体調の変化と関連しており、特に後者については女性の月経のようなCyclical(周期的)なリズムと連動していると捉える。更に新月や満月の月のサイクルと出産や人生の終末のイベントは緩やかに同調するという考えも根強い。
これらについては明らかに裏付けとなる疫学的なデータが十分になく、経験的に言い伝えられてきた部分はあるが、個人的にトランジット月の運行と他天体とのアスペクト、私個人のネイタルチャートの天体との関わりなどを長期間調べていくと、私の体調とトランジット月の間には一定のパターンが存在している事に気がついた。だから気のせいでは片付けることができない何かがあるというのは確かなようである。
一例を挙げると、トランジット月と海王星がスクエア(90度)やオポジション(180度)の角度を取る時期は、集中力が落ちるのかミスや忘れ物が多くなる傾向があるようだ。特にスクエアの時期には仕事上のミスが増えるのでその期間は特に気をつけるように心がけている。またトランジット月と私のネイタル海王星がスクエアなどのハードなアスペクトを取る時は結構な頻度で物を落としたりけがをしたり、霊的な体験が増えたりしている。注意が散漫で現実感が薄くなる時期だからなのだろうと私は考えている。
また月はサイン・ハウスとの組み合わせにおいて、体質的な特性や体調を崩しやすい時期や状況を示すこともあるというのが占星術の考え方である。最近の天体配置で言えば、今年初めの山羊座ステリウム(太陽、水星、木星、土星、冥王星の5天体)の時期にトランジット月が蟹座に入る3日間は気分が非常に落ち込んだり不安定になったり、胃腸の調子が優れなかったという方も多かったかもしれない。月から見れば相当ハードな配置だったので、きついなんてもんじゃなかった、という方もかなりおられたのではないかと察する。
月が絡む体調の変化は自覚しやすく、前もって予測を立てておき十分気をつければ大事に到らずに済む所も確かにあるので、体調管理という点では月の運行を役立てることは可能だと思う。例えば蟹座の支配星である月は胃袋の象意もあるので、もともとあまり胃が丈夫でない方は特に月蟹座の時期は胃に負担をかけないような食生活や、ストレスを解消するための運動や気分転換をするのもお勧めである。また月木星がアスペクトを取る時は、満腹を感じにくくなる傾向があるので食べ過ぎにも注意すると良いと思う。
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