占星術における月のはなし


 これからしばらくは週2〜3くらいのペースで占星術の視点から月に関する事を書いていくと決めた。日々の仕事の合間を見ながらの作業なので、今の段階では少しずつしかまとめることはできないが、いずれ一つのまとまった資料にするためのメモ書きのような感じで綴って行ければと思う。


 天文学的には月は地球を周回する天体である。周期はおよそ28日と太陽系の中では最も短く、自転と公転周期が全く同じである。月を地球型惑星として定義しながらも軌道の特性は惑星とは異なるため、分類上は地球型惑星から除外されるという特殊な立ち位置にある。


 占星術の視点では、月は個人や社会の事象を反映する天体として重要視される傾向は確かにある。月星座はその人の気分や感情、体調など日常生活の基盤となる特徴を示すからである。月の周期は人間のターンオーバー(細胞の入れ替わりのサイクル)や生体リズムとも近く、月齢と体調の変化はある程度連動しているのも確かである。(正確には約1日のズレはある)


 月はまた大衆の関心や意識を表すという見方もある。また短期的な世の中の流行とも連動している面があり、多数の人々に共通したムードや感情の変化を月の動向から予測することも可能である。大衆を見方につける人は月をよく知っている、とも言われるのも一理ある。


 しかし一つだけ忘れてはならないことがある。占星術的には月は地球の衛星として、他の9天体とは多少異なる扱いが必要なのである。月はトリッキーでミステリアスな天体、しかし注意深く読み解いていくとそこには人にとって非常に重要な「進化成長の鍵」が隠されているというのが私の個人的な月に対する見方である。


 占星術を学び始めて10年が経ち、この1年ほどで月に対する私の見方はかなり変化した。この領域の学びには絶対的な答えは存在しておらず、今までも、そしてこれからも月については多くの知見や解釈があっても不思議ではない。何が正しいかを語るのではなく、私自身が鑑定において月という天体を通して何を見ているのかを改めて見直しながら、これからも書き進めていきたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?