声と祓い 2020.03.21


 音の周波数には壊す音、癒やす音などそれぞれに特性があることは前々から言われていた。 YouTubeの動画にも523Hzなど特定の周波数を取り上げたものは非常に多く公開されている。


 人によって感じ方は様々なので、ある人にとっては心地よく感じる音が別の人にはそうではない事はよくあると思う。例えば純正律のような理論上非常に価値ある周波数と言われるものでも、本当にその通りだと感じる時とそれほどでもないと感じる時とがあっても不思議ではない。


 チューナーや楽器で鳴らす音も、それがどのように感じられるかは個人差がある。ある人にとってすごく馴染みやすい音や楽曲も、時と場合によって変わってくる。聞きたい音、必要な音はいつも同じとは限らないのだろう。


 世の中には音楽もデバイスも溢れているが、一つだけ使いたい時にすぐに使えて特定の楽器や音源を必要としない道具を人は持っている。声である。そして個人が発する音域の中に、人を癒やしたり元気づけたりすることのできる周波数とその倍音が確かにあることを、昨年あたりからいろいろ自分で試してみて知ったのである。


 その日の体調や気分に合わせて好きな曲を家事の合間や移動中に口ずさんでみるのはもちろんのこと、ふと頭に浮かんだ短いメロディーを繰り返し歌って仕事のシュラバを乗り切った事も幾たびもあった。(なぜかそのほとんどが童謡か懐メロ)ほんの少しでも歌うとなぜか集中できるのである。また偏頭痛で締め付けられる感覚が強くなり始めたときに何となく心地いいなと感じる音を歌ってみると、痛みは引かないまでも筋肉がするっと緩むのを度々感じられた。声を出せない場合、無声のささやきでもほとんど同じような手応えがあったので、耳に聞こえてこなくても何かしら人の声帯は発しているのだろうと思う。



 いわゆる”お祓い”も、確かにその文言にも浄化の力は宿っているのだろうが、それに加えて声が外に向けて発せられそれが周りに波状のように広がっていく時に、おそらくは何かを寄せ付けないなり打ち消すなりの事が起きているのかもしれないとも考える。もしそうならば個人が何気なく発する鼻歌が、お経ほどではないにせよお祓いのような現象を起こす可能性だってある。


 自分の発する声に自分自身がどう反応しているかを試す方法は簡単で、トイレや風呂場のような狭いスペースで歌ってみると分かりやすいかもしれない。カラオケならエコーなしかマイクなしでとりあえずいろいろ声を出してみて、今のは気持ちよかったかなと感じた音が、そのときの本人の状態に合った必要な音なのである。


 出勤前で時間が限られているので、近いうちにこの話の続きを書きます。





 





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