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プロセスエコノミーを読む

尾原和啓著の「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」を読んだのでその感想を述べていきます。

普段ビジネス書の類はほとんど読まないのですが、僕自身、現在転職活動中ということもあって、何かしらのヒントになればと思い読んでみました。
プロセスエコノミーとはものすごく単純に言えばその単語通り、物事の過程が価値になるということです。本書では具体例も挙げて、的確に言語化してくれているので非常に納得感がありました。

なぜプロセスが価値になるかというと、それは裏を返せば最終的なアウトプットつまりプロダクトでは価値が生み出せなくなっていると言っていて、それは確かにそうだなと思いました。
例えば僕の場合は特に電化製品を買おうとすると一部のハイエンドの商品を除いて、品質においてはどれも大差なく感じるし、それでいて高機能であるから、どれでもいいという思っています。また、数年前から元々物欲があまりないし、品質においても現状で十分満足しているので、生活必需品分野での新商品にほとんど関心がなくなりました。

品質に差異が出せないのであれば、商品価格、マーケティング、流通やブランディングで差異を生み出すことになり、そうするとマンパワーと資本力に勝る大企業が圧倒的に有利ですが、プロセスの差異で価値が生み出せるのであれば、SNSようなツールがある現在ではスモールビジネスそして個人でも勝負できる時代かもしれません。
圧倒的なカリスマ性や才能ではなく、ピュアなこだわりや情熱といったことを物語として紡いでいけば、それ自体が価値になるんだということが書かれていて、勇気をもらえました。

ではプロセスエコノミーが最強なのかと言ったら、もちろんそうではなく、信者ビジネスと揶揄されるようなほとんど詐欺に近い危険性も孕んでいたり、最終的なアウトプットが疎かになる、もしくはアウトプットを出した時点でピークを迎え後に続かないという、悪い点についても言及しているので、そこも良かったです。

全体的にわかりやすい内容にするためか、物事を結構単純化して話を進めているので、腑に落ちないところはありはします。ただ、本筋とはあまり関係ない部分なので許容範囲といったところでしょうか。

帯によると発売前に重版が決定したとのことで、どうやら売れているそうです。おそらくそれだけ多くの人がなんとなく感じていたことを言語化してくれたので、評価につながったのかもしれません。
読むとポジティブな気持ちになれると思うので、少しでも気になった方はオススメです。


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