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ムスメ(9ヶ月)のこだわり vs わたしのこだわり

「あーん」を嫌がるムスメ

8ヶ月を目前にして、ムスメが「あーん」を嫌がるようになり、いわゆるつかみたべ期が始まった。とにかく全部自分でつかみたくて、「あーん」は断固拒否。なんとかバランスの取れたご飯を食べて欲しいという私の思いも虚しく、野菜やタンパク質のまとめ煮、7倍がゆなんかは払い除けられる。体を震わせて怒りを露わにする。

そんな感情も持てるようになったのかと感心する反面、嬉しいよりも困った気持ちのほうが勝ってしまうのが正直なところ。朝は早起きおばけなムスメに叩き起こされ、あくびを噛み殺しながら離乳食の準備、夜は一日中娘の相手をした仕上げの離乳食で、「嫌だ嫌だ」と言われても、こっちのほうが嫌だ。イライラしてしまう自分も嫌だ。

おかずをのせたスプーンを与えてみても遊びになってしまう。もしかしたらそれでいいのかもしれない。遊びたいのも、つかみたいのは、ごはんに興味がある証拠。

ムスメにはムスメのタイミングがあるし、「自分だって食べたくない時もあるでしょ」ってDAIGOも言ってた。でも、わたしは断然北川景子派で、ある程度決まった時間に目安量分しっかり、楽しく、おいしく食べて欲しい。それにわたしは、「一緒にごはん、おいしいね」の呪いにかかっている。

つかみたべ期といってもまだとろみのあるご飯や、汁物などは親が与えるスプーンからとって然るべきな時期である。まさか8ヶ月で、まだ手のひらで握ることしかできないムスメが、うまくスプーンを使いこなせるはずもない。

迷っていたのは、悩んだ、というほどの期間でもなかった。なんせ、ムスメの食事は一日2回必ずやってくるし、ごはんに興味は持っているしお腹が空いているのに、ミルクに戻すのは違うだろう。ムスメの成長に、立ち止まっている暇はない。つかみたべさせるしかない。

みじん切りからサイズアップ

これまでのムスメのご飯は、炊飯器で柔らか〜く炊いた野菜をみじん切りにしたものをベースにしていた。たんぱく質はツナや豆腐、鶏ミンチ、炭水化物は7倍がゆ、みじん切り麺類もたまに。

これは結構初期のご飯だけど大体こんな感じ。
やわらか野菜+たんぱく質
にんじんツナ

こうしてみると全然おいしそうじゃない。ムスメもおいしくないの分かるから、「あーん」を嫌がり出したのかもと、最近は思う。

ムスメにつかませてあげるために、このペースト状の食材をサイズアップする必要がある。

つかみたべ、SNSでは納豆やらご飯やら、顔いっぱい机いっぱいにつけてご飯を食べている乳児をたまに見かける。が、そうなって欲しくないというのが、世のお母さんの共通見解ではないか。

急にサイズを大きくしたら丸呑みして喉に詰まってしまうのでは?

つかみたべって相当汚れるよね?

いろんなリスク飲み込んでつかみたべに挑んだ。日本の離乳食では、赤ちゃんの成長とともに、ヨーグルトのようなペースト状から、食材のサイズを大きくしていくのが主流だ。ただし海外では、離乳食初期から掴みやすくカットした食材をそのまま与える方法が取られることがある。赤ちゃんの噛む力も、消化する力も、大人が思っているよりしっかり備わっているのだという。BLWと呼ばれる方法だ。

まずは汚れなさそうな食材、野菜を昆布だしでくたくたに茹でたもの。ほんとうに喉に詰まらせないのか、半信半疑でヒヤヒヤしながら見守った。

興味深そうに、指でひとしきり野菜をいじったあと、食べてよいとわかったのか、パクッと半月切りの大根を口へ運ぶ。手のひらで押し込まれるようにして、大根があっという間に口の中へ消えていった。

え!ちゃんと噛んだ?!
喉に詰めてない?!

はらはらしながら様子に変わりがないか見守り続けて、どうやら歯茎でちゃんと噛めているらしいとわかった。

自分で食べられるのが嬉しいのだろうか、終始笑顔で野菜をパクパク食べてくれた。わたしもじんわり嬉しい。

ご飯はつかめる?

野菜はOK
たんぱく質もOK

じゃあ炭水化物はなにでとろうか。パンなら汚れずにつかみたべできる。が、日本人として、お米は絶対食べてほしい、とまたわたしの中の無駄なこだわりがメラメラ燃えている。

つかみたべを始めて、最初のほうは野菜をつかんいる隙を見つけては、誤魔化しながらスプーンで粥を突っ込んでいた。野菜を咀嚼している最中にご飯を無理やり入れてしまうのがかわいそうで、かと言って野菜とタンパク質だけでは到底足りない。やはり米か…。

まずはおやきを試してみた。さすがにご飯をそのまま掴ませる勇気はない。

具とご飯に小麦粉を少し混ぜて、フライパンで平く焼く。そうするとつかんでもぱらぱらとこぼれないおやきができる。

味はイマイチ

どうしても米がかたくなるしパサつく。
悲しい気持ちになりながら見守っていると、ムスメもおやきを観察して、それからもぐもぐ食べてくれた。特別気に入ったということもなさそうだが。

次に思いついたのが、のりでサンド
ムスメはトマトが大好きなのでたっぷりトマト
そして棒おにぎり
大きさが違うのは観察のため
凄く上手にもった!!
食べるのも上手

ただし、一口目だけ…。いったんお皿に戻すとすぐ握りつぶしてバラバラ事件に。

戦いは続く

やはり、おやきがいちばん被害状況がマシなのだが、おいしさは一番損なわれている気がする。毎食毎食、散らかりすぎたご飯粒やトマト汁やなんやを拭いたり拾ったりするのも一苦労どころか四苦労ぐらいある。

まずは食べ終わったムスメの手と足を洗って、体のご飯粒をとって、食べ物がいっぱいついた手で髪を触ってた時なんかもっと最悪。机と座面の食べこぼしをはらって、床の食べこぼしを拾って最後に水拭き。歴2ヶ月、かなり食べこぼし掃除プロになった気がする。

いつになったら、おにぎりをつぶさず握れるんだろう。
いつになったら、お皿を叩かなくなるんだろう。
いつになったら、スプーンを上手に使えるようになるんだろう。
いつになったら、外食でご飯を食べさせられるんだろう。
いつになったら、
いつになったら、
いつになったら、

そんなに大変なら、米じゃなくてパンにしたらいいし、お皿もおかなくてもいいし、テーブルで一緒に食べさせなくていいやん。

そうなんだけど、そう簡単にこだわりを捨てられたら苦労ないよな。この9ヶ月で感じてきたけれど、こうしてほしい、こうなってほしい、というムスメに対する期待は持たなければ持たないほどストレスがないし、きっとムスメもそんなものやめてくれと思っているはずだ。たとえば、そろそろ昼寝してほしいなあ、とか日常的な期待も積み重なれば大きなストレスになる。いつも寝てくれない、いつも寝ぐずりする、いつもいつもいつも、とかね。

いつもうまくいくとは限らない。うまくいかないことの方がおおい。でも成長を感じると嬉しいし、やっぱりかわいい。それがすべて。

BLWという選択肢

今回はムスメがたまたま「あーん」拒否になったから、このやり方に辿り着いたけれど、離乳食に選択肢があるなんて知らなかった。

BLW = Baby Led Weaning
赤ちゃん主導の離乳食

初期からつかみ食べで、食べる量や順番、ペースも完全に赤ちゃん任せ。食べなくてもかまわないし、食べ物で遊ぶのも大歓迎。ピューレ状にもしない。

当たり前だけれど、どんな方法を選ぼうと育児に正解はない。今回はやり方を変えて、ムスメはよく食べるようになったし、どんどん指先の使い方が上達しているように思う。とても嬉しいかぎり。

目の前の我が子をよくみて、向き合っていきたい。

「一緒にごはん、おいしいね」

「一緒にごはん、おいしいね」の呪い。

それを強く感じるようになったのは夫と娘の3人暮らしをはじめてからのことだ。長くなってきたので、それはまた今度書くとする。

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