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音楽の発注ってどうやればいいんだろ?


こんにちは、スキャット後藤です。音楽と効果音を作る仕事をしてます。テレビドラマ、バラエティー番組、スマホゲーム、プラネタリウム、テレビCMだったり。ちょっとした特殊な環境のコンテンツの仕事も今までたくさん担当してきました。たとえば、こういうものとか。音が必要な領域はだいたい何かしら今まで制作経験あります。とか言いつつ、まだまだ「はじめまして」な領域の仕事もあります。たとえば、演劇とか。

さて、今回は音楽を発注する側の人たちに向けて書いてみます。

いままでフリー音源などを使っていたスマホアプリ制作の現場でも「ゲームの世界観にオリジナルなものにしたい」ということで、楽曲制作依頼をはじめる会社も増えてきました。フリー音源だと競合するゲームと楽曲がかぶってしまうこともあるんだそうです。そんな時、「誰に音楽お願いすればいいんだろ...」と悩むことになるわけです。大きな会社であっても、音楽制作会社とのツテがなくていつも同じ人に頼んでいて、もっといろんな人と知り合いたい...という話を聞くことがあります。今回はそういう方々にむけて記事を書いてみました。

発注する側からよく聞く話が、

・誰に音楽をお願いしていいかわからない。
・音楽に詳しくないので、どういう風に発注していいかわからない。
・音楽制作費ってどのくらいかかるのか想像つかない。

まぁ、こんな感じです。順番にいきましょう。


1)  誰に音楽制作をお願いしていいかわからない。

僕の場合、どういう人から発注がくるかといいますと...

・よく仕事している人   (年に数回とか、一年に一回とか)
・前から知り合いだけども、仕事したことなかった人 (普通に飲み友達とか)
・知り合い経由の「スキャットさんって人がいますよ」って流れの紹介。
・一度現場で一緒になって知り合い。(出会いの現場は別の人からの依頼)
・まわりに作曲家の知り合いがスキャットさんくらいしかいなくて...とか
・ネットで作品を聞いて気になってました....とか。(これはあまりない)

発注したいけども誰に頼んでいいかわからない、という場合は、まわりに音楽の仕事をしてる人がいないってパターンがほとんどだと思うのですが。

世の中に作曲家はたくさんいるので、いろんな人のサイトを見るのがいいと思います。例えば、どうやって見つけるかといいますと、僕のTwitterの音楽用(通称:裏垢)のフォロワーにはたくさんの作曲家がいます。(本垢は@scatgoto)  こういうところを覘くのもひとつの手でしょう。普段からどういう発言してるのかで、その人の人となりもわかって良いと思います。テレビドラマなどで流れる音楽のクレジットを見て、検索して事務所に相談してみるのもありだと思います。

仕事で作った曲は基本的にネットで公開できないので、webの問い合わせフォームなどから「作品集を聞いてみたいのですが...」というメッセージを送ってみればいいと思います。作品集を集めた中から気になる人に仕事をお願いしてみればいいのです。曲が良くても、仕事として良いのかどうかはなかなかわからないものです。そういう場合はこれまでの実績を見るのも参考になると思います。たくさん仕事をしてる人ほど、いろんなことに対応できるはずです。得意なものの傾向もそういうのでわかりますね。

もちろん、最初から「◯◯さんにお願いしたいです」と依頼が来る方が気持ちよくて好きです。笑

例えば、スキャット後藤の場合、
ココから制作依頼や作品集などの問い合わせができます。
https://www.cutecool.jp/contact

他にも、僕のまわりの作曲家も紹介してみます。
たとえばこの二人はブロガーでもあり、Twitterのフォロワー数も多いのでいろんな宣伝を効果的にやってくれるかもしれませんね。

● 音楽制作等のお問い合わせについて – こおろぎさんち
制作物一例とご依頼について | heartleafkk.com

二人には僕からお仕事をお願いしたこともあります。こおろぎさんには、ドラマ「となりの関くん」劇伴ほか、PS Vita『To LOVEる-とらぶる- ダークネス トゥループリンセス』の作曲をお願いしたことがあります。heartleafの影山さんには、AKB48グループのプロレス興行(2018.2/3の名古屋)で入場曲をお願いしました。


2) 音楽に詳しくないので、どういう風に発注していいかわからない。

音楽の発注方法がわからなければ、そこから作曲家に投げればいいと思います。発注時に音楽制作リストをもらう時もありますし、こちらで作る場合もあります。

発注内容についてですが、「このコンテンツはこういう世界観にしたい」みたいな話をしてもらったり、キービジュアルを見せてもらうと、こちらから「こういう音楽はどうですか?」という提案もできます。発注する時に音楽の専門用語などは特に必要ないです。職業作曲家としてプロでやっているので、言語化出来ない部分をこちらからいろいろと質問したりして、何を作ればいいかを考え形にしていきます。仕事ができるプロの作曲家はみんなそういうことに長けているのでわからないところはドーンと任せればいいと思います。きっとやり方も教えてくれると思います。それが仕事なので。

一番いいのは、自分がお願いしたい感じの曲を作ってる人に発注することですね。お願いする人を間違えてしまうと、とんでもないものがあがってくる可能性も高いですから。人には向き不向きがあるので。一戸建てばかり作る建築家に「マンション作ってください!」って言っても、ほとんどの場合無理です。リアクション芸人さんに「この場を仕切ってください!」って言っても、ほとんどの場合無理です。人選で半分以上仕上がりが決まってしまうと言っても過言でないと思います。 

僕は24年間、いろんな音楽の仕事をしてきたので、いろんな仕事の進め方をご提案できます。ゲームの音楽・効果音(MA含む)、ドラマや映画、テレビCM、VRやARみたいな新しい技術を使った体験型のコンテンツなど、あらゆる領域のサウンドの仕事をしてる人は珍しいと思ってます。そこが人よりアドバンテージがあるところだと思ってます。

100個プロジェクトがあると100のやり方があるので、その案件の進行にあった方法をご提案できます。実際、作る内容やスケジュールなど丸投げされる案件も多いのです。制作費が少ないけども、その中でどういいものを作るかというノウハウもたくさんあります。またゲームや劇伴などでいろんな曲調が必要な時、僕自身が苦手な楽曲のみ他の作曲家に依頼するなどして、全体のクオリティーをあげることを意識しています。僕一人っで作るのではなく、プロジェクト毎に必要なスタッフを集めての案件もあります。ボーカリストや作詞家を提案したりもします。僕がやるには苦手すぎるし、やるべき案件じゃないなと思った時は作曲家を紹介することもあります。この場合、僕がディレクションで間に入る場合もあれば、「直接仕事してください」と言って僕は抜ける場合もあります。一人間に入るとそれだけ制作費あがってしまいますから...

スキャット後藤の今までの制作実績

3) 音楽制作費ってどのくらいかかるのか想像つかない。

これは僕にも想像つきません。人によって単価が全然違うからです。音楽制作会社によってもたぶん全然違うと思います。たとえば1曲10万円と言った時に「高い」と思う人もいれば「安い」と思う人もいるのです。

僕の場合、全国ネットの番組の音楽もやりますけども、小規模のプロジェクトも請け負ってます。なんとなくの作曲料の設定はしていますが、制作規模によって一曲単価はバラバラです。そもそも一曲の制作方法によっても必要な時間が全く違うので単価が決めにくいのです。もちろん。人によってはギャラを一律で決めてる方もいます。

なので、お願いしてみたい人がいれば連絡を取ってみて、どれくらいの予算感で受けてもらえるかを聞いてみればいいと思います。僕の場合、100万円で見積もり出したところ「半分くらいになりませんか...」というお願いされて「では、半分で」という流れになることも少なくないです。その予算内でできることを提案することになります。もしくは最初に予算を伝えて受けてもらえるかどうかを聞いてみるのも良いと思います。僕の場合は、先に予算が伝えられることが多いです。普段はギャラが高い人でも、スケジュールが空いてたり、すごく興味のある内容だったら金額関係なく引き受けるという話もよく聞きます。もちろん、しっかり作ろうと思うなら制作費が確保されてる方がいいとは思います。

最後に、、、
僕がいま特に興味ある仕事の分野を書いておきます。

VR、AR、MR、遊園地、ゲーム(効果音仕事含む)こども番組、こども向けアニメ、教育もののエンターテイメントなコンテンツ、バラエティー番組の音楽制作、ドラマ劇伴、アイドルもの、芸人さんもの、、、です。
比較的ポップなものが得意です。

ということで、最後まで読んでいただきありがとうございました。

スキャット後藤

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scatgoto@gmail.com



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