プロの音楽、そして劣等感。
いろいろとうまくいかなくて、でも考えてても仕方なくて。そんな時は初心戻りたくて憧れの小室哲哉氏の曲を聴く。1989年のリリースした小室さんソロアルバム1st、超名盤。誤解を恐れず言うと、デモの勢いのままリリースしたような内容。TM Network「humansystem」と並んで、僕の人生を変えたアルバム。ちなみに10曲目は「RUNNING TO HORIZON」、シティーハンターのOP曲。この頃、ぼくは高校生、音楽をはじめる前に聞いてた曲たちです。「あかん、大学に入ったら絶対に機材買って作曲する!」って悶々としてた頃です。
昔の曲を懐かしむのをやめてた時期があって。というのも、その時代に引っ張られるんですよね。自分の表現が古い方にひっぱられるというか。
ある時から、昔好きだった曲を解禁したんですけど、それはそこに左右されずに自分の音楽が見つかり出したから。ひっぱられずに自分の曲が作れるようになったから。
大学に入ってすぐにシンセを買って、演奏もできないのに、譜面もわからないのに作曲し始めました。それまでの音楽の聴き方がマニアックだったので、意外にもすんなり曲になりました。「Self Control」のBメロコードのトップノートの動きむっちゃいいわーとか思いながら聞いてましたから。で、最初は小室さんみたいな曲ばっか作ってたのですが、2年目のある日気づくんです。「憧れの人を追いかけてどうすんの?自分の音楽作らなきゃ。」
アマチュアなのに生意気です。むっちゃ生意気です。友達に曲聞かせて「曲つくれるのすごいね」って言われても「世に出すのならランキングに入ってる曲と比べないと意味がない」とか、ひそかに思ってました。褒められてもあんま喜んでなかったです。
そういえば、一度だけ大学の女性先輩たちにバカにされたことがあって「ヒット曲つくりたいなー」って言ったら鼻でフンっと笑われて。なぜかそのことだけすごく覚えてます。いまだにヒット曲がないのでアレですが...。
未だにプロの音楽に並べてない気がして、劣等感バリバリです。できないことだらけで落ち込みます。まわりの人がすごすぎて。僕が生き残る方法は、自分にできることをどんどん掘り下げて、自分だけの世界観で需要を作ることだなって思ってます。それしか方法がない。
誰かの心に刺さらなきゃ、生き残れないですね。数字は残酷。
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フリーランス作曲家のための講座、2019年3/1より受講生募集します。
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スキャット後藤 (作曲家)
最近の仕事
・グータンヌーボ2
・青春高校3年C組
・Discover myself (出演 : 佐野ひなこ)
・きらきらアフロ 2018年 新オープニング曲
・映画『耳を腐らせるほどの愛』(脚本 : NON STYLE 石田明)
・私立恵比寿中学主演ドラマ『君は放課後、宙を飛ぶ』
など
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