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新リミットレギュレーションとそれに伴う環境の変化について

二度目のリミットレギュレーションを迎えた遊戯王マスターデュエルだが、今回の内容は前回と打って変わって厳しめに思える。
この変更により現在のカードプールで環境トップのデッキ群はどのような影響を受け、またそれによって環境の勢力図はどう変化していくのか軽く考察していく。

環境デッキへの規制

電脳堺

やっぱりダメだった

妨害の軸である《真竜皇V.F.D.》の禁止という今回最も手痛いダメージを受けたデッキ。
これに関してはOCGでは《永遠の淑女 ベアトリーチェ》と【勇者】ギミックに展開の軸を移し、《アーティファクト-デスサイズ》《妖精伝姫-シラユキ》を用いることでリペアしようとする動きもあったが結局のところメタの一角に食い込むことはなく、新規テーマの台頭によりそのまま環境から消えていった。
マスターデュエルにおいても【電脳堺】の強みである《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》への耐性を《永遠の淑女 ベアトリーチェ》を展開の軸とすることで失い、それに伴って事故率だけが残った【電脳堺】は環境に居座ることは難しいように思える。

エルドリッチ

まだまだ行けるかな

【エルドリッチ】を相手にする際に障壁となるのは【エルドリッチ】自体のギミックではなくこちらの展開を大きく制限する強力な罠にある。
《虚無空間》《王宮の勅命》《スキルドレイン》を1枚ずつ失ったことによりイージーウィンこそしづらくなったものの、まだまだ《サモンリミッター》《センサー万別》等の強力な永続罠や神罠等のカウンター罠が残っているためそれらを用いて環境に食らいついてくることは容易に想像できる。
しかし《金満で謙虚な壺》が制限になり、他のドローソースも《強欲で金満な壺》《強欲で謙虚な壺》に限られるため、以前にも増して引きムラに悩まされるデッキとなることは間違いないだろう。

幻影勇者

MDだとあんまりで意外だった

OCGでは環境トップだったが主に【勇者】ギミックや《フュージョン・デステニー》等の準制限に伴う出力の低下や【天威勇者】の台頭によってTier2程度に納まった。
今回の改定によるダメージとしては《D-HERO ディバインガイ》の禁止、《フュージョン・デステニー》、《抹殺の指名者》の制限が上げられるが特に《D-HERO ディバインガイ》が禁止に指定されたことは大きな痛手で《幻影騎士団サイレントブーツ》等の下級を1枚初動として《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》から妨害を用意し遅延しつつ《D-HERO ディバインガイ》のドローでギミックを引きに行く誤魔化しが効かなくなった。
出力の低下や安定性への難、指名者の減少等課題が山積みであり、またOCGとは大分事情が違っていることもあり今後の立ち位置がイマイチ不明瞭なデッキだが今回のリミットレギュレーションを受けてこの先生きのこれるのだろうか。

天威勇者

《抹殺の指名者》の制限のみ。


制作・著作
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これだけで済ませることは簡単だが少しだけ掘り下げると【天威勇者】というデッキは誘発1枚程度であればギミックで受けられるが2枚目以降はどうしても安定して受けきることは難しく指名者等のギミック外のカードに頼ってしまう傾向にあるため、今回は《抹殺の指名者》を制限にし誘発の通りをよくすることによって調整を図ろうとしたのかもしれない。
因みにOCGで【天威勇者】が本格的に台頭したのは【勇者】ギミックが準制限で《抹殺の指名者》が制限の2022/1環境であり、《No-P.U.N.K.ディア・ノート》等の追加によってさらなる凶悪なデッキへと変貌を遂げることはここに記しておく。

勇者プランキッズ

結構空気寄りだった気がする

主なダメージとしては《プランキッズ・ミュー》の制限。
フリースペースを広く取れるデッキとしては珍しく先攻の出力も高いためデッキとしての評価も高いものの、その評価に反して使用者はあまり多くなかったため意外な1枚。来期を見据えての判断だろうか。
2ターン目以降《雷龍融合》の墓地効果から展開しづらくなったことや《灰流うらら》等で《プランキッズ・ミュー》を消費した上で展開を止められると次ターン以降の展開の要求値が上がること等使い勝手は悪くなったものの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》が生き残ったため《灰流うらら》以外への誘発の受けは健在であり、また【勇者】ギミックもノータッチなため来期も選択肢の1つとして残り続けるだろう。
環境での立ち位置?元からマスターデュエルじゃそんな見ない。

十二勇者

そろそろOCGでも帰ってきていいと思うよ

主なダメージとしてはギミックに触れられる《炎舞-「天璣」》と優秀なサブギミックである《フュージョン・デステニー》、そして《D-HERO ディバインガイ》。
《十二獣モルモラット》が制限のOCGであれば《炎舞-「天璣」》の準制限のダメージは大きかったが、マスターデュエルにおいてはやはり《D-HERO ディバインガイ》の禁止に伴う【D-HERO】ギミックの採用の是非が大きな争点となるだろう。
環境全体との相対評価としては《抹殺の指名者》の制限による誘発の通りの良さや環境上位で唯一大きな規制を逃れ来期も猛威を振るうであろう【天威勇者】に強く出られるということもありやや追い風傾向か。

追記:質問が多く寄せられたが【天威勇者】に【十二勇者】が強く出られる点として圧倒的なフリースペースの広さを活かした誘発枚数と返しに確実に召喚される大量素材の《天霆號アーゼウス》が挙げられる。
リソースを吐いたところを誘発で止めて返しの《天霆號アーゼウス》で盤面を処理すると、それだけで盤面を超えることができずに詰むことが多い。
無論、展開を止められなかった場合は《天霆號アーゼウス》を通すことはできないが【天威勇者】の展開を通して返せるデッキは少なく、また返せるとしても要求値は高い。

ふわんだりぃず

旅支度が来てからが本番

ギミックへの規制はなく主なダメージとしては安定性を補う《金満で謙虚な壺》と誘発を捌ける《抹殺の指名者》。
現カードプールでは事故やギミックでの誘発の受けの悪さ、後手捲り等欠陥が目立ち然程脅威ではなかったがとばっちりをもらう形となった。
来期に関しても特に語ることはなく、新規の追加まで目立った活躍はないと思われる。


以上7テーマ以外は環境上位というほどでもなく、また緩和組も環境に大きな変化を及ぼすこともないと思われるため割愛する。
今回のリミットレギュレーションへの個人的な感想としては永続罠3種や《抹殺の指名者》のような先攻で引くだけで勝ちに直結するカードを厳しく規制したことへの評価は高く、また《D-HERO ディバインガイ》、《金満で謙虚な壺》への規制からは環境への非常に高い理解を感じられ驚くものがある。
実装時期からしょうがなくはあるものの【勇者】ギミックが準制限に留まったことや、特に【天威勇者】への規制を《抹殺の指名者》の制限のみで済ませたことには些か疑問を覚えたが全体的に高水準な内容であり今後にも期待できる内容に感じた。
ついでにOCGの調整もやって欲しい

来期の環境

環境初期は【天威勇者】が以前にも増して猛威を振るうことは容易に予想できるがそれ以降、どうメタが流れるかを正確に予測することは難しい。
ランクマッチはメタの流れが非常に遅い、または停滞しているイメージを持っているため私個人としては【天威勇者】の一強からは動かないよう思えるがもしかすると誘発を多く積んだ中低速デッキ、例えば【十二勇者】であったり、また【相剣】が環境に返り咲くことさえあるかもしれない。
そうすればその中低速デッキに有利を取れるエルドリッチ等の罠テーマが増え…と環境に流れが生まれメタが回る可能性もあるだろう。
しかしながら展開デッキとしては【電脳堺】や【幻影勇者】*あたりはもう厳しいように思える。前述の通りデッキの強みを失われたり、あらゆる面に課題を抱えてしまったためである。

*【幻影勇者】はあくまでサブギミックのみの規制であり、また展開デッキよりもミッドレンジデッキとしての側面が強いため、来期以降もトップと言わずとも環境で見かける機会は十分あると思われる。

いよいよOCGとは色々乖離し始めたマスターデュエルだがそう遠くない内にストラクチャーデッキ-ALBA STRIKE-の追加によって【デスピア】が環境に現れることを考えると意外にもOCGと同じデスピア/天威環境に帰結するのかもしれない。
それまでにマスターデュエルはどのような環境へと変化するのか、また【デスピア】がマスターデュエルの環境に適応できるのか、先のことに興味は惹かれるものの残された一週間、現環境を楽しんでみようと思う。

最後に

最近ずっとゴーストリックを考えてたから金謙制限で泣いてます…

早くBACHの新規を追加して…


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