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【これからの日本漫画⇔海外コミック】書店やりたい私の市場研究

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「好きな漫画は読んで終わりではなく人にもススメたい、というかリアル店舗で売って仕事にしたい!」と夢見る中年サラリーマンの、日々の市場リサーチの結果をアップしていきます。 特に外…
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#海外展開

【海外マンガ事情】西欧各国での日本マンガ・ご当地コミックの売れ筋ランキング分析を開始!

先日より別の記事で、amazon.jpの売れ筋ランキングページから「歴史×ビジネス」カテゴリーをランキングデータを分析する、という試みをやっておりますが、 その「海外マンガ市場」版も、今週より開始したいと思います! 対象テーマは、「英語、スペイン語、イタリア語、フランス語」の四カ国のamazonサイトを見て、 まずは「日本からの輸入マンガの売れ筋ランキング」を定点抽出し、 ついでに比較用として、各国の「コミックカテゴリー全体」(日本産だけでなくアメコミやご当地のコミッ

【スペインから究極の書籍が届きました!】スペイン漫画100年の歴史を総括する大著!私の他にこれを持っている人間は日本に何人いる!?

以前の記事で紹介した通り、スペインの非営利団体TEBEOSFERAが編纂した、1880-2012までにスペインで出版されたマンガ作品の一大カタログ、「Gran catálogo de la historieta」をスペイン本国に発注していたのですが、 ついに、届きました! これは希少本です。日本で私以外にこんな本を持っている人が果たしているのでしょうか?いたとしても数名のハズ! 届いた梱包がこちら。うおおお、デカい!比較のために日本の文庫本を置いてみましたが、この迫力。

【海外マンガ事情】世界で2000万部を売った韓国発の「科学漫画サバイバル」にマンガの未来の希望を見る!

私のノートで語ってきたように、日本のマンガは産業としては困難な時代です。 巷の「日本のマンガは海外で人気」云々のニュースに、あまり楽観してはいけない、という話を何度かしてきました。 ところが、韓国で以下のマンガシリーズが2000万部の大ヒットと聞いて、ちょっと考え込んでしまいました。 「ハッ!そうか!まだその市場があったか!」という嬉しいオドロキと言いましょうか。 統計数値上は韓国のマンガ市場こそ危機的なはずだというのに!韓国の状況については、ちょっと古い資料ですが、

『聖闘士星矢』海外版で今度はスペイン語の基本会話も勉強しよう!

先日の記事に載せた通り、イタリア語版に続いて、今度はバルセロナから『聖闘士星矢スペイン語版』が届けられました! 日本マンガの海外展開をめぐるnoteを書いている私にとってよい資料であるのみならず、外国語マニアを自認する私としては、生きたスペイン語を読めるのが嬉しい限り! そこで以前にこちらの記事で「聖闘士星矢で学ぶ基本イタリア語」をやったように、今度は「聖闘士星矢で学ぶ基本スペイン語」をやってみましょう! まずは基本!「な、なにぃ?!」と叫ぶときは、como!聖闘士星矢

「聖闘士星矢」のスペイン語版も届きました!第一印象:「やけにデカい」「出版社はまたしてもバルセロナ」

以前に別の記事で、イタリア語版の聖闘士星矢のことを紹介しましたが、今度はスペインから翻訳版が到着しました!さっそく早起きして読み耽っております! 第一印象その1:やけにデカい 梱包を解いて、取り出してみて、まず思ったのは、「あれ?やけに大きい!」ということでした。B5版のハードカバーくらいの寸際で作られています。 上の例でいえば、右から「日本の文庫版」、真ん中が「日本の単行本」、左がスペインの聖闘士星矢です(うちにたまたまあった、「うしおととら」と「蟲師」を比較対象に使

「自分もがんばろう!」という気持ちがグンと高まる、バルセロナで政府公認ガイド資格を取った日本人の方の奮闘記をご紹介!

今回は、このnoteのメインテーマ「日本マンガの海外展開」や「外国語学習」からの派生テーマとして、「外国で働きたい」という夢を持っている人にはとても参考になる本を見つけたことの、紹介記事となります。バルセロナという異国の地で働くことの感覚がわかるだけでなく、「僕も、私も、何かやってやろう!」という気持ちが高まる本となります! 著者は、山田修平さんという、日立製作所からの出向でバルセロナで働いていた方。前半が「いかにしてバルセロナ現地の仕事を得たか」、後半が「バルセロナの観光

【漫画の海外展開の話のつづき】スペインのマンガ事情を調べるにはこのサイトが最適!超便利な【TEBEOSFERA】の使い方をご紹介!

これまでEU圏における日本漫画の展開を、 各国の市場比較、ポーランドの事例、フランスの事例、 などと見てきましたが、続いてスペインの市場状況を調べようとしていた際、 決定版ともいえるような情報量のサイトを見つけてしまいました。 それが、こちらのTEBEOSFERAというサイト。 https://www.tebeosfera.com/ 「Asociación de Críticos y Divulgadores de Cómic de España(スペイン・マンガ批評

『聖闘士星矢』で外国籍どうしのキャラクターが戦っているとき「実はギリシャ語で会話している」らしい!そのいくつかの証拠!

以前の記事でイタリア語翻訳された『聖闘士星矢』を読みながら、 「でも、聖闘士(セイント)たちはギリシャで修業をしている格闘家たちという設定だから、共通語としてギリシャ語が喋れたり、他にラテン語やイタリア語が喋れても違和感ない」 という私見を述べさせていただきましたが、なんてことでしょう! そのあと、オリジナルの日本語版の『聖闘士星矢』の漫画を読み返していたら、ちゃんと「聖闘士たちはギリシャ語が達者であるらしき描写」が盛り込まれていることにいまさら気づきました! 外国籍

『聖闘士星矢』海外版で現代イタリア語の基本会話を勉強しよう!

先日の記事に上げた通り、イタリア語版の聖闘士星矢が届きました! いろいろと面白かったのですが、特に最近の『ネクストディメンション』シリーズはオールカラーで出版されているので、ますますアメコミと一緒に並べられても違和感ないですね。 今回は、そんなイタリア語版の『聖闘士星矢ネクストディメンション』から、イタリア語会話の基本を勉強しよう、という試みとなります。 ハイ、海外マンガ展開の話で堅苦しい話題が続いたので、今回は、息抜きです! 「な、なにぃ?!」と叫ぶときは、cosa

『聖闘士星矢』のイタリア版がついに届きました!・・・しかしイタリア語とキャラとの違和感のなさは一体!?

以前の記事に載せた通り、「聖闘士星矢はラテン圏で強い」のリサーチにかこつけて、イタリア版の『聖闘士星矢』を発注しておりましたが、やっと、届きました! I cavalieri dello zodiaco. Saint Seiya. Perfect edition: 8/Star Comics(Italy) 何をおいても、生きたイタリア語を読めるのは、外国語学習マニアとして嬉しいかぎり! がまんできず、深夜から読みふけっております。 しかし・・・この違和感のなさはいったい

【漫画の海外展開の話のつづき】フランスの専門家が賛美するマンガ家「平田弘史→大友克洋」の矢印から見えるもの

前回取り上げた、フランスの日本マンガ普及者、ドミニク・ヴェレさんの記事。 そのヴェレさんが賛美する日本の漫画家が、平田弘史先生でした。 (※平田弘史『人斬り』/レジェンドコミックシリーズより引用) 意外な名前!?、と最初は思ったのですが、よくよく考えると、フランス側から見たときの日本漫画の良さとはこういうところに期待されているのか、と納得するところもあり!今回はそのお話をまとめてみます。 平田弘史先生とは?有名なところでは「アキラ」の題字を描いた人!私と同世代には、こ

【漫画の海外展開の話のつづき】アスキーの記事「フランスで日本のマンガはなぜ受け入れられているのか」から見えてきた『今やるべきこと』

前回まで経産省レポートやら市場データやらから、「EU圏での日本マンガ」について扱ってきましたが、今回は定性的な話となります。 週刊アスキーが出していた、今回の参考記事はこちらです。 角川アスキーの研究員が、フランスにおける日本マンガ輸入の泰斗、ドミニク・ヴェレ氏に取材をしたものですが、これがとても面白い! 以下、私が拾った概要を掲載しますね。 意外な人物の名前が!ヴェレ氏が敬愛する日本の漫画家は平田弘史先生!さりげなく言及されているのですが、このドミニク・ヴェレ氏が平

【漫画の海外展開の話のつづき】ギリシャの漫画事情:聖闘士星矢をリアルタイムで読んでいた少年時代にギリシャに滞在できた幸運の話

ちょっと珍しい本を古本屋で見つけました。90年代に出された、こんな本です。いや、この空気、まさに90年代、懐かしいですね。 この本、内容的には「聖闘士星矢の魅力をいろんな角度から考察」というところですが、 半分は「モトネタとなった神話を探る」といった考察ネタ、半分はエロ描写をまじえた同人読者対象のネタでした。特に後者のシモネタぶりはひどい。 いや僕も同世代ですから、この感じはよく覚えています、90年代のオタク&腐女子と呼ばれていた人たちの世界ですね。そういうクラスメート

【漫画の海外展開の話のつづき】ポーランドでは日本人経営者が入った出版2社(JPF、WANEKO)が大奮闘!力づけられます!

前回に続き、EU圏における日本漫画の状況のリサーチ報告です。 ポーランドで、日本人が経営陣に加わっているマンガ専門出版社が健闘しているらしい、という話題を前回の中に盛り込みましたが、その後のリサーチで、だいぶ詳細がわかってきました。 以下の記事は、ネットに公開されていたジェトロの2008年のレポート記事を参考にしています。10年前のレポートをモトネタにしている為に現状とは違いが出ている可能性が多々ある旨はご了承ください。 ポーランドで日本漫画の普及に努めているのはこの2