「J1でも点が取れるイメージがある」 町田也真人 / 大分トリニータ<後編>
SCAMPUS(エスキャンパス)は、株式会社PAYFORWARDが運営する、サッカーに特化したオンラインセミナーサービスです。新型コロナウイルス拡大による自粛期間中は、様々なサッカー選手に彼らのプロフェッショナルなマインドや哲学、舞台裏のエピソードをインタビュー形式で深掘っていきます。
SCAMPUS記念すべき第一段は大分トリニータ所属の町田也真人選手です。
新型コロナウイルスの影響でトレーニングができていない大変な状況にも関わらず、Webインタビューに快く協力していただきました。
インタビュアーは幼少期から町田選手と付き合いがあるので、普段のインタビューとは違った、より町田選手の人間性を引き出せた内容になっています。
(インタビュー・構成=三宅亮輔)
J1への挑戦
ー その1シーズンを戦った後、J1松本山雅FCへ移籍されましたが、オフ期間の気持ちの揺れは?
町田:今後の人生を決める決断になるなと思って迎えたオフでした。自分自身としてはもし今年もいさせてくれるならずっと千葉でプレーさせてもらえたらと心に決めていた。ただJ1でやりたいという気持ちも心のどこかにあった。怪我で思い描いていた結果が出ていなかったにもかかわらず松本山雅がオファーをくれた。年齢的にも今回を逃したらJ1からのオファーはそうそうないのではと本気で悩んだ。千葉の10番を背負った選手として、上のカテゴリーに挑戦するべきなんじゃないかとも思うようになった。思い切ってチャレンジしようと、愛するジェフから飛び出す決断をした。
ー 松本に移籍して初めてのJ1ですがJ2との違いは?
町田:プレー面で1番感じたのは技術が高いのはもちろんのこと、フィジカルが桁違いだった。馬力というか、力強さみたいなものは全然違った。
三宅:ファーストコンタクトでそういうのを感じたのは?
町田:やっぱりみんなJ2とは違うなと感じましたが、僕としてはファンウィジョですかね。めちゃくちゃ当たりが強かったです。それでそのまま失点しちゃって。
ー プレースタイルを変えようと意識した?
町田:基本的には変わってない。自分のプレーの精度をひと段階上げることに苦労しただけ。ジェフの時に天皇杯でJ1のクラブとやった時も全然やれるっていう自信は持ってた。だからこそJ1で早くやらないと、と思ってたんですけどね。ただ、実際J1でやってみると、毎試合毎試合J1の力を見せつけられるというか、その力強さに慣れるのには時間がかかりましたね。
ー J1でも点が取れるイメージはある?
町田:それはありますね。まだ取れてないけど、一発取れれば自分の中でも変わっていくだろうなってのもあります。
ー 松本の3-4-2-1はどうでした?守備が特に全然違いますよね。
町田:めちゃくちゃ大変でしたね。厳しいぞって思いました。あんなにみんなが守備を頑張れるのは反町さんの魅力なんだなと。システム、ポジションが変わって自分の得意とするポジションが生まれて、也真人できるんじゃない?と周りに印象付けることができたから試合に出ることが出来たんだと思う。でも少し時間かかりましたね。
埼玉スタジアム2020での大舞台
ー とても印象的な試合がアウェーで地元の浦和戦での逆転勝利。浦和レッズ相手にアウェイの埼スタで、どんな心境だったんですか?
町田:正直試合に出そうな気配がなかったんですよね。メンバーには入ってたけど出ないかもなーと。でも、もちろんいつ来てもいいように準備はしてましたが。自分の出身少年団が前座試合をしてたんで使ってくれないかなと心の中では思ってました(笑)そしたら監督がハーフタイムに20分我慢しろと。徐々に時間が経ち、ベンチがざわざわして来て、誰かいくんだろうなと思っていたら、そのとき名前が呼ばれて、おれ?と。全然そんなそぶりなかったじゃんって。でもチャンスだと。
前半はすごく冷静だったんですよ、試合見ながら。なんでかっていうと、柏木選手が大学の時から凄い好きで。大学の時にユニフォームを買ったくらい(笑)自然と柏木選手ばっかり見てて。
三宅:面識は?
町田:全然ないです。試合を見ながらめっちゃ走ってるなーって。やっぱこうだよなー忘れてたよ俺って思って。そうゆうのもありながら、試合に入った時には凄く落ち着いていた。シンプルにやること、味方を助けることなど、頭の中が整理されてました。自分でも勝てたのはすごいストーリーだったなと。
ー 自分の地元の観客、友達がたくさん喜んでくれたんじゃないですか?
町田:一番LINEが賑わってたかもしれないですね(笑)100件以上は来てましたね。でも少年団の子達が喜んでくれてたのが一番嬉しかったですね。松本のサポーターも金曜にも関わらず沢山来てくれて。
*試合映像を見ながら
町田:先制されたときは、あーまたか。って思ったけど。でもずっと攻められてたけど、意外とスペース空いてるなーと。
三宅:この試合すごい運んでたよね。阪野選手はレッズユースだよね。
町田:阪野選手はめちゃくちゃ嬉しかったんじゃないかなー。逆転した時は超嬉しかったし帰りのバスとか楽しかったもん。埼スタでのレッズとの試合は一人のサッカー選手としてやってみたい場所でもあったので。
ー 松本で1年やって大分に移籍したけど、どういった経緯、気持ちで移籍に至ったんですか?
町田:契約が残っている中でシーズンの成果を見てもオファーは無いだろうなと思ってた。1年だったけど、松本山雅がその地域、スタジアム、バックアップしてくれている人、全てが本当に好きになっていた。J2に落とした責任は取らなくていいのかっていうことも考えた。
ただ、ジェフを出た時はどういう気持ちなんだっけ、チャレンジするために出て行ったんだろって思い出して、またそのチャレンジの気持ちで大分に移籍させてもらった。
移籍したばかりって、ホームシックになるんですよ(笑)千葉から松本に移籍した時も、千葉が恋しくてyoutubeで千葉の時の自分の応援歌聞いたりとか(笑)
これからの展望について
ー サポーターに向けてなにかありますか?
町田:どのサポーターも本当にありがたい言葉をたくさんいただいて、自分がなりたかったプロサッカー選手像に近づけているなと実感させてもらった。所属チームは自分のずっと気になる存在で、応援されるばかりでなく、僕もいちサポーターになってるということを、彼らにも忘れないでほしいなと思っています。
ー 最後にスクールのことも教えてください。どんなことを大事にしてるんですか?
町田:もちろんサッカー選手を輩出する事をゴールとしてあるんだけど、それ以前に自分が人生で経験してきた大事だと思ったことをちゃんと伝えていきたいなと。挨拶とか人間性の部分。そこを教えるのってとても難しいと思うんだけど、基本の部分を当たり前にできる人間になってほしいなと思ってます。
三宅:より意識してやってることは?
町田:自分が大学進学したときも、全く知らない関係者が大学にきていて、いつも通り挨拶したらお偉いさんだったみたいで、プレーにも目を付けてくれてたんだけど挨拶したことでより気にかけてくれて。
だから子供たちには挨拶をしっかりすること、目を見て話しをするということをしっかり教えている。そういう基礎的なところをちゃんと続けていきたい。
プロサッカー選手だけを育成したいわけじゃないので。人間的にしっかりとした人にプロサッカー選手になってほしいという気持ちもある。
僕自身、技術とその人間形成的な部分がプロになれた要因だと思ってるので、スクールとしてはその2つをより意識してやっています。
三宅:場所は地元の浦和で?
町田:そうです、地元でやりたかったので。今年は水曜日と金曜日にやってますが月曜日も追加したいなと思ってます。月曜日は通常のスクール日と違って4-6年生の技術の高い子供達限定のメニューも考えています。
三宅:コロナの影響もあるとは思うんですけど、発信してることとかありますか?
町田:Instagramの方に注力してて、個人のこともスクールのことも発信しているので、ぜひチェックしてほしいなと思います。
-おわり-
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