マガジンのカバー画像

Scalesのものがたり料理教室

料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょっと特別な料理、またお酒のこと、テーブル…
Scalesの語り口で、素材の意外な組み合わせの発見、読んで美味しい、作って美味しい。 ワクワクす…
¥666 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

#料理

パクチーの実を使って、これからの季節にぴったりなひと皿 【其の一】パクチーの実のパスタ🌿もちろんパクチーの葉でも代用可能

パクチーの実 パクチーをベランダや家庭菜園で育てている場合、市販のパクチーにはない楽しみがもれなく付いてきます。そうパクチーの実はうれしい副産物。カレーに欠かせない ”コリアンダーシード” として、もっと成長し乾燥したものもスパイスコーナーに売ってますが、生のそれとはちょっと違う。最近ではファーマーズマーケットなどでもフレッシュなパクチーの実は売っていたりします。これが爆弾のようで口の中で弾けるたびにあの風味が広がっておいしいと、パクチー好きにはたまらなく。料理にも色々使

薑糖蕃茄 (台湾の甘いトマトデザート)

そう簡単に海外に行けなくなって三年目に突入した。 「そうだ、旅に出よう」なんてふと思い立った気持ちも瞬時に消える、を何度も繰り返し燻り続けているこのパンデミックな二年である。飛行機の乗り方さえ忘れそうだ。 幸い日本(東京)には、イタリア料理やフランス料理からレバノン料理やマルタ料理まで、異国のお店さんがたくさんあって、簡単に海外の料理がいただける。だけども現地の食材、水、人が作ってくれ、その場で食べるものは、土地、風土そのものをいただくことに等しい。 空港に降り立った時か

ホタルイカと揚げ塩豆腐のセビーチェ(旬のホタルイカを、お豆腐とおいしくいただきましょう)

ただいまホタルイカが豊漁らしい。たしかにいつもは見かけない大量のパックで売っている。わたしはホタルイカが大好きで、これを「ぷりん」とした状態に上手にボイルして売っている魚屋は良い店だと思っている。 ホタルイカは食べる前にちょっとした「手間」を加えるだけで、もっとずっと美味しくいただける。それは「目と軟骨」を取り除くこと。目玉はわかりやすく簡単に取れるけれど、小さなホタルイカにもちゃんと軟骨がついている、これが地味に口の中に残る。場所は胴のエンペラのついている側にうっすら縦筋が

沙茶醬と油蔥酥のラグーパスタ(台湾スパイスがふわっと香るトマトラグー🍅)

沙茶醬と油蔥酥、どちらも台湾料理に欠かせない調味料でもちろん日本でも売ってるけれど、わたしは好きなブランドのものがあるので、これらも台湾に行ったら必ず買ってくるもののひとつ。 とくに沙茶醬はすぐになくなるので、2個は買ってくる。小松菜なんかをこれで炒めるだけでも美味しいし、日本のうどんを炒めて焼きうどんもおすすめ。今度レシピ上げますね。

金柑のあまい粕漬け(金柑を余すことなく味わいたいレシピ2)もうすぐやってくる金柑ロスに備えて🍊

先ほども語ったように金柑が大好きで、金柑ロスを意識するこの時期になるとしばしの別れを惜しむように金柑ばかり食べるようになる。でも、金柑はビタミンやミネラルなど栄養価も高いので食べておいて良いのだ。 先ほどのオランジェットとともに、金柑おすすめレシピに粕漬けがある、これもうとっておき。漬けることによって金柑の果皮がまるで果実かと弾けるように瑞々しくなる不思議。お茶請けにもぴったりで、白茶などの中国茶にも合いますし、緑茶もいい。お酒なら白ワインに、もちろん日本酒にも。まぁ、白っ

金柑のオランジェット、カルダモンの香り(金柑を余すことなく味わいたいレシピ)

果肉はほぼ無しで、果皮がほとんどな不思議な果実。そしてオレンジにも、みかんにもない独特のシトラス風味。今だけの季節の金柑がとても好きだ。柚子の次に世界中でブレイクする日も近いと思っている、そんな金柑を旬のうちに余すところなく味わっておきたい。 カルダモン風味の金柑のオランジェットはチョコレートの代わりにカカオニブを使って大人な味わいに、サクサクした歯ごたえも良い。オレンジで作るオランジェットよりこちらの金柑ほうがかなり好みである。なんというかそれ独特の爽やかな苦味のおかげでさ

春菊のニョッキ、いくらを添えて(日本食の急速なひろがり譚とともに)

2018年頃からか、さらに速度を増して日本食が世界に浸透しつつある感じがする。日本人は奥ゆかしくて謙虚な気質だから自国の文化を主張するのが下手だったのだと思うし、わざわざ世界に主張もしてこなかった。長らくそんな時代を経て、SNSの登場で一気に日本食が何なのか知れ渡っていく速度をここのところ強く感じている。そうよ、やっぱり日本食はすごいよ、健康食でも世界一。 20年前、おにぎりの海苔を「黒くて髪の毛みたい、臭い」、お好み焼きを「甘いのかしょっぱいのかどちらかにしてくれ」。「上で

金柑とレバーの春巻きシナモン風味(金柑独特のシトラス風味はレバーにぴったり!) 【おまけレシピ】金柑のグラッセ

意外と思われるかもしれないが、子供の頃かなりの偏食で野菜も肉も魚も圧倒的に食べられるもののほうが少なかった。とくにホルモンやお肉の脂身が子供ながらに恐怖。そんな私も高校生くらいになると自然と日常の食生活では好き嫌いはほとんどなくなっていった。(いまだに一部のジビエは苦手だけど)だからそれぞれ”克服した日”などよく覚えていない。けどわたし的ラスボスだった”レバー”を食べられるようになった日だけはよく覚えている。二十歳くらいのとき、貧血に悩んでいて「レバーがいいよ」って聞いて最初

鶏手羽と里芋のココナッツミルク煮(じつは里芋とココナッツミルクは好相性🥰)タオルについてのひとりごとと共に。

私はタオルにはちょっとうるさい。でも今治とかのブランドにこだわるのではなく、どちらかと言うとタオルの使い方のほう。タオル自体はそこそこ厚手で、ふんわりしていて、洗っても毛羽立ちしなければもう合格、さらに値段もさほど気にせず買い替えられるくらい。(ちなみにここのところずっと使っているタオルのAmazonリンク下に貼っておきます。毛羽立ちなくなかなか良いです、他にも色々使ってみたいけれど、畳んだ時の色と厚みを統一したいので、今はこれに落ち着いてしまう。) なによりタオルは消耗品で

幸せの姫りんごのバターコンポート・シナモン風味🍎 (小さな姫りんごは、風味豊かなバターコンポートに、もちろん普通のりんごもOK。)

この時期になると見かける姫りんご。ちいさくてころんとして、もう存在そのものが見ているだけでかわいくて、こんなちいさなりんご、どう料理しようか考えるのも楽しい、今日はまるごとコクのあるバターでコンポートに、もちろん普通のサイズのりんごでもOKです。 オーソドックスなコンポートよりも、バターの風味が口の中に広がり味わいと食べ応えがいっそう豊かになる感じ。代表格のアップルパイなどりんごとバター、それにシナモンの相性はとても良いから、是非りんごのコンポートを作る際には挑戦してみてくだ

ズッキーニのグリル、オレンジヨーグルトのソースで(食べ応えあるズッキーニのグリルを爽やかに)

最近のショック(?)な話、コロナ禍でお酒を飲む機会が少なくなり、なんとなくそのまま家で飲む機会もちょっとずつ減っていっていって、食事に行ってもなんとなくノンアルで、という「なんとなく」がずっと続き、先日たまたま食事の前に一杯のビールを飲んだら、たった一杯のビールで酔いが回ってしまった、、わ、わたしお酒弱くなってる、、!、ちょっとショック。 でも実は体の調子が良かったりするのも事実。肝臓や腎臓はもとより胃腸も元気に働いてくれているのがありありとわかるように体力が向上している気

生落花生を使って、白味噌と山椒のじーまみどうふ(なめらかでクリーミー、まるで和菓子のようなひと皿)

以前京都へ行った際、村上開新堂でクッキーの詰め合わせを予約した。こちらのお菓子は小麦粉の風味がしっかりと味わい深くて大好きだけれど、クッキーの詰め合わせは食べたことがない(東京の同名店では何度かあり)。ただ、納品されるのは一年も先だからずっと予約するのを避けていて、ある日ふとそうやって数年も経つことに気がつく。わたしはせっかちなのか、これまで納品時期が遠すぎて諦めてきたものが結構多かった。そんな背景あって思い切って先日予約したわけだが、数ヶ月ごとにそういえばと思い出し「あと何

トリッパのコーングリッツ揚げ(ビールにこの上なくぴったりなもの!)

寒くなってくると、臓物、ホルモン系が食べたくなる。というよりも、今年の夏はとくに暑かったから、なんとなくそれらから足が遠のいていた。これからの季節、夏の分を取り返す(?)べくいろんな臓物が食べたい。ギアラを少しだけ加えた辛い鍋なんて最高。一気に旨みとコクが出るんですよね。 さて、最近はスーパーでもホルモンの扱いが増えてきてはいるけれど、もし家の近くにあれば、骨付き肉やいろんな部位を扱っている店もひとつは押さえておきたい。苦手でなければ、臓物料理はとても楽しい。 私が東京で

冬瓜と茗荷のサラダ、鰹のタタキに添えて(旬の冬瓜は煮物以外にもおいしいサラダに)

まだまだ昼間は夏のようですが、わたし毎朝5時半頃ゴミ出しに一瞬、外に外に出るのですが、1日、1日と空気が変わっている気がします。今日と昨日はほんの少しだけ、少しだけ気温と湿度と風が違う。早朝はそれが顕著なんです。この僅かな季節の移り変わりを感じるのが好きで、この早朝のゴミ出しタイム(雨でなければ)かなり好きな時間。そう、安心ください。ほんの少しずつでも秋になっています。といいますかこれから暑さが引いたとき、気温差で体調注意ですよね。 さて、今もおいしい冬瓜、どう料理していま