社長のひとりごと(36)
『最大の気づき』
私たちの仕事において「気づき」はとても大切な要素になります。
物事が「大変」な状況になる前に、どれだけ「小変」に気づけるかで防げるリスクは山ほどあります。
例えば、現在のコロナ禍の状況においては、お客様の変化はもとより、ご自身の近しい人たちの小変に気づくことで、その報告を事前事前にまめにしていければ、他の人たちへの感染リスクを軽減することにもつなげられます。
以前、「気づきとは比較によって得られるもの」という話をしました。
正しい状態を知っておくことで、正しくない状態が分かるようになるというものです。
そして、その比較は、キレイな場所と汚い場所といった環境のような外部要因のみに当てはまるものではなく、自身の内面の在り方にも当てはまります。
日本では、多くの人は小学生の時に道徳教育を学んでいます。つまり、人としての正しい在り方のことですね。
「善悪の判断、自律、自由と責任」「正直、誠実」「節度、節制」「個性の伸長」「希望と勇気、努力と強い意志」「真理の探究」「親切、思いやり」「感謝」「礼儀」「友情、信頼」「相互理解、寛容」「規則の尊重」「公正、公平、社会正義」「勤労、公共の精神」「家族愛、家庭生活の充実」「よりよい学校生活、集団生活の充実」「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」「国際理解、国際親善」「生命の尊さ」「自然愛護」「感動、畏敬の念」「よりよく生きる喜び」少し調べてみますと、今はこれらの項目が6年生までのカリキュラムに含まれているようです。凄い量ですよね。
昔よりも充実しているように感じます。
ところが、学んできた我々は、実際に上記項目に基づいて清く正しく生きているかというと、そうでもありませんよね。
ただし、何が正しいかという知識は知り得ていますから、実際に自分の行動がその正しさから反していると、たまにチクリと痛む心があるはずです。それが「良心」というものです。
その痛みは、知識を知っているからだけではなく、「その正しい教えを信じたい」「その教えのとおりで在りたい」という本音が心のどこかにあるからだと思います。
最高の比較というのは、「本来であればこう在りたい」と思っている自分に対して、今現状の自分の在り方はどうか、ということです。
ここで気づきが生じれば、あとはギャップを埋めるために、具体的にどのような行動をとるかで人は変わることができます。
最高の比較から得られる最高の気づきとは、自己否定による「自らの革新」のことです。