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【goodな仲間 #13】恵比寿ママ食堂さん

今回のgoodな仲間は、恵比寿ママ食堂さんです!
渋谷区で『「ママスタッフ」による「子育てパパママ+みんな」が笑顔になれる活動』をコンセプトに活動されている恵比寿ママ食堂さんについてご紹介します!
団体の活動や、渋谷に対するご意見を、同団体設立者の石本景子さんに伺いました!

恵比寿ママ食堂について

活動内容

石本さん:活動は、月に一回、ママスタッフで手作り料理の調理と配布をしています。調理は、火を使うので大人のみです。
ママ同士の子育て情報共有の場としても活用して欲しいので、いつでも誰でもボランティア参加可としています。ボランティアに時間を割いたせいで家事がおろそかになるとしんどいので、必ずママスタッフも調理したものを持ち帰ります。
子供達にもボランティアとして社会の役に立つ楽しさを知ってほしいので、配布する時は、親子参加可です。



今日の活動

参加者の方にお弁当を配布する様子

――今日は餃子の王将さんからいただたものを配布しているのですか?

石本さん:今月だけちょっと特別で。スタッフが基本みんな子供がいるママなので、いつもは子どもたちが学校や幼稚園、保育園に行っている間に配布する料理を調理しています。
今は春休みで子どもたちがいるから調理できないねって話していたところ、ちょうどこの王将のお弁当を寄付して頂ける話がありました。じゃあ今月は調理はなしで、子どもと一緒に配布だけしようとなりました。


――これは餃子の王将さんからお話が来たんですか?

石本さん:これは、直接ではなくむすびえという団体からお話が来ました。例えば、企業さんが寄付したいなと思ったら、むすびえにお話が行きます。そしたら、渋谷区以外にもこども食堂を支援している色んなところにむすびえからお話がいく形です。
私たちは渋谷区社会福祉協議会というところから一斉メールで情報を受け取って、直接餃子の王将に連絡して申し込みました。
あとは、個人のつながりでいただいてるものもあります。例えば、今日配布しているプリンとかは個人的にお友達からいただきました。友達、お店に協力してほしいとお願いしています。

むすびえとは

――むすびえとはどういった団体ですか?

石本さん:企業さんのお手伝いしたい気持ちと、こども食堂の探している、困っているをつないでくれています。
各地域の団体をまとめている社会福祉協議会などを通じて私たちは情報をもらっています。

――渋谷区の元で運営されているのですか?

石本さん:そうですね。渋谷区の元で運営しています。社会福祉協議会からの助成金が年間10万あります。あと細かく寄付とか助成金をもらうってなったらいろんなところがあります。積極的に申請している団体さんもありますが、うちはこれ以上広げると大掛かりになってしまうのであんまり広げていません。

景丘の家について

――すごい綺麗な施設ですよね!

石本さん:いわゆる公民館とかの昔のイメージと全然違いますよね。
ママたちが集まっても、ちょっとお茶するリフレッシュな感じで気持ちよく活動ができるのがすごい良いと思います。


――子ども向けのいろんな遊び場があるので、お母さんも安心してここに来られますね。

石本さん:ママ食堂は配布形式なので、予約した人は親だけが自転車でバーッて来て、駐輪場を止めて、受け取ったらすぐ家に戻るのもありです。親子で広場に来たついでにここで一回もらって、広場で遊びに行って帰るとかっていう人もよく見ました。


――なるほどいいですね!なんでこの場所になったんですか?

石本さん:キッチンがあって区の施設という条件で探してて、社会福祉協議会からすすめられました。
最初自宅で始めようかと思ったのですが、コロナだったので人を家に呼ぶのはお互いあんまり良くないなと。子供もいるので、施設の様子もなんとなくは知っていたので、ここにしました。

2階のキッチン


恵比寿ママ食堂のgood history


助成金を申請するタイミングでコロナ禍

石本さん:会食のイメージからスタートしましたが、コロナ禍で断念しました。コロナ禍中に、飲食店がテイクアウトを始めたことにヒントを得て、調理したものを配布するスタイルに変更しました。現在は、調理したお好み焼きやハヤシライスを真空冷凍して配布しています。真空冷凍したことで、 家庭でのタイミング(保護者が熱を出してご飯が作れないとか)で食べられるため、参加の方からも好評を頂き、ママスタッフもありがさを実感しています。他団体と違ったサポートの仕方にもなり良かったと感じています。

オタフクソースとの関係

石本さん:私は広島出身で元アナウンサーでした。オタフクソースさんとお仕事を一緒にしていた関係で寄付をいただいています。オタフクソースさんが食材を提供してくれて、配布するお好み焼きを施設で焼かせてもらったこともあります。
子どもが熱を出したりしてご飯が作れないみたいな時がよくあるので、完全に真空して、冷凍して、おうちのタイミングで食べてくださいの方が困らないなとひらめきました。
今日は、王将さんのお弁当を配布しているので、いつもと違うのですが、真空して冷凍したものを配る形式に変わりました。


――その方が汎用性が高いですね!

石本さん:そうなんです。それにハッと気がつきました。


ママスタッフの中で幹部を結成

石本さん:軌道に乗るまで、こまごましたことは自分だけでやろうと思っていました。しかし、時間もかかり、しんどかったところ、想いを共にしてくれたママ友が幹部として手伝ってくれるようになりました。作業を明確にして分散化できるようになったり、意見交換しながら活動できるようになったりして良い選択ができるようになりました。私自身としては、ママ友を頼る大切さ、想いを共にできる喜びを知る機会になりました。
また、うちの特徴としては、ボランティアをしている時間も居場所づくりになっているところです。
ママは、家では子どもとずっと相手をしてて孤立してしまいます。子どもを預けている合間に、ママたちだけで今日の晩ご飯作ろうよみたいな感じで集まっています。お友達がいなかったりすると、そこで幼稚園や病院などの地域の情報を交換しています。なので、ボランティア側も出入りが自由で、誰かボランティアしたいママがいたらいつでも募集しています。


――コミュニティの形成に役立っているのですね!

石本さん:ボランティアでお金をもらえるわけではないので、「今日必ず来てね。責任を持ってきてね」とは言えません。子供が病欠での欠席もありにしています。

石本さんの個人的なターニングポイント

石本さん:東京に来てからもオタフクソースさんのシンポジウムに司会として呼んでいただいていました。
ある時のテーマが『子ども食堂をみんなでやりませんか』でした。そこで、広島の歴史についてお話されていました。
「原爆で焼け野原になった後でも、お母さんはお子さんに何かを食べさせないといけないから、お好み焼き屋を家の一角で始めたっていうのがすごい多かった。旦那さんが帰って来ても、一面焼け野原なので全く家が分からない。だから、例えばけいちゃんっていう名前をつけて、ここがけいちゃんのお店と分かるようにして、家でお好み焼きをやっていた。子供が帰ってきた時に迎えられるし、食べられない子どもがいたら一緒にお好み焼きを食べさせていたっていう歴史がある。」と。


――心温まりますね。

石本さん:今はもうそういう時代ではないですが、こども食堂が時代的に増えてきています。振り返ってみれば、広島ではこども食堂という名前ではなかったですが、お好み焼き屋さんがそういうことをしていました。子どもたちが大きくなったときに、お好み焼きが思い出の味になって身近に感じるようになった歴史があります。オタフクソースさんとしては、そういった時代背景も受けて「粉やソースなどの食材を提供するからこども食堂をやってみませんか?」ということでした。
私はこども食堂に興味が元々あったんですけど、その話を聞いたら、すごい泣けてしまって。そんなシンポジウムをわたしが司会することになって、オタフクソースさんが支援してくださる環境があるのに、ここでやらなかったら、二度とやることないだろうなと思って始めました。

恵比寿ママ食堂設立者の石本さん


恵比寿ママ食堂が今後目指すこと

今後の目標

――今後の目標は長く続けることですか?

石本さん:そうですね。恵比寿を拠点に始めたのですが、会食形式ではないし困っている人いるのかなって。こども食堂だから困っている人たちを助けるイメージがあるのもあって、これって役に立っているんだろうかって最初ジレンマがありました。
社会福祉協議会の人に相談したら、渋谷区は人のつながりが少なくて、病院探しもネットの口コミしか見られなくて、自分も含めてすごい孤独感を感じていることが多いんです。そういう人と人とのつながりの少なさを解消する居場所作りとして渋谷区のこども食堂が大事なんですって説明受けて。こども食堂のイメージに影響されなくても、ママ同士でそういうコミュニティ作れるってことですごい有意義な活動になるなと思ったんです。
そしてしばらく活動をしていたら取材や手続きなどを自分でやんなきゃいけなくて忙しくなってしまって。こんなに忙しいなら辞めたいなぁとか思ったときに団体同士の横のつながりが必要だということをものすごく感じました。心配事や忙しさを言い合える仲間が欲しいなと思って社会福祉協議会に伝えて、代表同士の横のつながりができコミュニケーションを取れるようになりました。
時々辞めて行かれる方もいてすごく寂しくなっちゃって。月一で予約をしている常連さんもいるので、辞めてしまうと困るかもしれません。月一回の活動を週一にしていくことも大事かもしれないですが、週一にして一年で辞めてしまうなら4回分を月一にして4年続けた方がそのときそのときで必要な人に対して継続的にサポートをしていけるのかなと思い、長く続けることを目標にしています。

――なるほど!確かにママさんは忙しいところの合間を縫って参加されていると思います。

石本さん:本当にそうなんですよ。だから調理とかは子ども達は危ないから大人だけでやっているんですけど。ハヤシライスを作るにしても「今日一時までに終わるかな」みたいな感じです。「心をこめて作ってます」なのですが、現実はタイムアタックでやっています。

恵比寿ママ食堂が考える“goodなshibuya”

渋谷のgoodなところは?

石本さん:恵比寿のイメージはすごい飲食店が多くて飲みにくる人や会社員の人が多いイメージでしたが、意外に子育てをしてる世帯があります。なかでも工務店さんや飲食店さんなど自営業されている人がすごく多くて、そういう人たちが商店街として子ども向けに色々やってくれてるんです。縁日やハロウィン、餅つきなど子ども向けにいろんなイベントをやってくれるので、あやかってて子どもたちとお祭りとかに行きまくってます。恵比寿はそういう温かみのある街です。ママ食堂もなにか縁日とかイベントっぽいことができたら楽しいだろうなと思うので、子どもがもうちょっと大きくなったらしてみたいです。

渋谷がもっとgoodになるために…

石本さん:地元の人たちもすごい色んな力になってくれるので、基本いい街じゃんって恵比寿のことを思っています。「なにかよくする、いい街にする」って何があるかなって考えたときに、今の繋がりがあるその地元の商店街の人たちがやってくれている文化はもしかしたら少しずつ消えていくかもしれないですよね。
いい街だと思えるのは商店街の人たちが取り組んでくれてたりするおかげなので、この伝統的な文化をつないでいけると良いなと思います。子どもがお手伝いできるようになったら、商店街の人たちがやってくれてたことのちっちゃいバージョンでもいつかできたらいいなと思います。
私は広島への地元愛が強いのですが、子どもたちは恵比寿が地元になりますよね。自分が広島に郷土愛を持っているように、恵比寿が子どもたちの思い出の場所になって、他のところに行っても「恵比寿がよかったな」って思うようになることが幸せなのではないかと思います。私も子どもたちを配布のときには必ず呼んで、地域のイベントにも積極的に参加させてもらって、地域活動に巻き込もうとしています。楽しかったなという思い出をたくさん作って、子どもたちにも地域活動をしようと思ってもらえるような街だったらいいなと思います。

――いいですね、どんどん文化や思い出を繋いで行けたら良いですよね。

石本さん:しんどいなと思ったときに引き継げる世代がいて、引き継いだとしてもしんどくなる時期がくるだろうから。「じゃあ楽しかったから引き継ごうか?」と思ってもらえるような、順ぐり順ぐりでいけたら良いなと思います。

イベントのお知らせ

野菜たっぷり!お好み焼き(冷凍)の配布
日程:5/11(土)
申込開始:5/4(土) 10:00〜
参加費:300円
配布時間:10:30〜11:00

国産牛肉も野菜もたっぷり!ハヤシライス(冷凍)の配布
日程:6/15(土)
申込開始:6/8(土) 10:00〜
参加費:300円
配布時間:10:30〜11:00

※保冷バッグ・エコバッグをご持参ください
※ご家族様には広島県特産品・プリン・お菓子等がつきます。
※お土産はご寄付をいただいているため、当日のお楽しみになります。

※お申し込み方法:各QRコードのリンク先より、予約チケットをお申し込みの上、引き渡し場所へお越しください。
※お渡し場所:景丘の家
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目5-15 1F


保護者さん向けらっきょう教室イベント

日程:6/11(火) 時間未定
場所:リフレッシュ氷川
旬のらっきょうとオタフクソースさんのお酢の製品を用いたイベント!
ゆっくりお茶を飲みながらママさん同士のコミュニケーションの場におすすめ!!

ゴミ拾いイベント
日時 計画中

さいごに

子ども食堂は、子供を助けるため、孤食を解消するための場だと考えられていることが多いと思われます。
しかし、恵比寿ママ食堂さんの取材を通して、人と人との交流ができる地域に開かれたコミュニティの場所でもあることを知ることができました。

恵比寿ママ食堂さんは、『「ママスタッフ」による「子育てパパママ+みんな」が笑顔になれる活動』をコンセプトに、ママ・パパ同士の交流にも目を向けています。

恵比寿ママ食堂さんが提供する居場所が末長く続いていくためにも、地域のコミュニティについて考えていきませんか。

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