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【goodな仲間 #11】SHIBUYA CITY FC


【goodな仲間 #11

今回のgoodな仲間は、 SHIBUYA CITY FCさんです。
「渋谷から、世界で最もワクワクするフットボールクラブをつくる」をモットーに、渋谷区内で開催するホームゲームをはじめ、サッカーフェスの開催や行政との連携など、さまざまな活動を通して渋谷に貢献しているSHIBUYA CITY FCさんについて紹介します!

クラブの活動や、渋谷に対する想いを、同クラブで取締役を務める畑間直英さんに伺いました!

SHIBUYA CITY FCについて

畑間さん:私たちSHIBUYA CITY FCは渋谷を拠点に活動するフットボールクラブであり、「渋谷から、世界で最もワクワクするフットボールクラブをつくる」を掲げ、活動しています。バーや居酒屋のテレビで流れるSHIBUYA CITY FCのプレーに、一喜一憂したり、試合のことについて語ったりすることが日常化することを想像しながら日々運営しています。クラブを創設してから今年で10年目であり、長谷部渋谷区長や渋谷センター商店街振興組合の理事を務める鈴木大輔さん等からの応援をいただきながら経営を続けています。

2014年、私が大学4年生の時に、11人でサッカーができる場所が欲しいと考えて出来上がったサッカーチームがSHIBUYA CITY FCの前身です。初めはいわゆる草サッカーチームでしたが、試合や練習を重ねるにつれて、真剣勝負の場が欲しいと考えるようになり、Jリーグへつながる東京都4部リーグへの参入を果たしました。

日本のサッカーリーグの構造はすごく面白くて、東京都4部に入り、競技面・事業面を拡大していけば、Jリーグをどのクラブも目指すことができます。現在は、東京都の1番上のリーグである東京都1部リーグまで昇格し、今年は関東リーグへの昇格を目指して戦っています。

はじめは、お遊び感覚でやっていたサッカークラブでしたが、だんだんとJリーグを目指したほうが良いのではないかという意識が芽生えていきました。2019年のタイミングで法人化をし、会社としてしっかりと経営をしていこうと決めました。ありがたいことに、売上も徐々に伸びてきています。2023年は1.2〜1.3億円程の売上であり、僕たちはこれからさらに売上を伸ばして、会社として利益を上げられる会社にしていきたいと考えています。

また、「渋谷らしいチーム」を目指して、若くてかっこいいチームを作っていきたいと考えており、クラブの目指す方向に合った選手を獲得するように心掛けています。2年連続で青山学院大学サッカー部出身の選手もチームに入ってくれています。2022シーズンはサッカー元日本代表で指導者やサッカー解説者として活動していた戸田和幸さんが、SHIBUYA CITY FCのコーチ兼テクニカルダイレクターに就任しました。2023シーズンからはJリーグでも活躍した増嶋竜也が監督を務めています。サッカー選手を引退後、初めての監督キャリアとして我々SHIBUYA CITY FCを選んでくださいました。

現在、約240社に協賛をいただいており、クラブを応援する目的で合計で1億円程の協賛金をいただいています。今は試合での入場料収入や放映権での収入がないため、クラブの売上のほとんどが協賛金となっています。

学生スタッフ:以前、渋谷駅でSHIBUYA CITY FCの大きな広告を拝見しました。

畑間さん:渋谷のまちづくりを推進する東急さんとパートナー契約を結び、年に一回期間限定の広告を掲載しています。渋谷にSHIBUYA CITY FCというサッカーリーグがあることを渋谷に遊びに来る人や住んでいる人に認知してもらい、応援してみたい、試合を見に行ってみようと思ってもらう機会になることを目的としています。

特に広告やデザインについて、「渋谷のサッカーチームはかっこいいな」と思ってもらうためのブランディングにはクラブの創設当初から力を入れています。

学生スタッフ:素敵ですね。東京23区にサッカーチームを誕生させるためにもっと盛り上げたいなと思いました。

畑間さん:例えばロンドンに行くと、街中にJ1、J2レベルの トップリーグのクラブが10個ほどあって、週末はみんなそこに応援に行く文化が定着しています。ファン・サポーターの応援の力は選手にも大きな影響を与えます。SHIBUYA CITY FCもまず試合に行って応援したくなるチームを目指しています。

渋谷での活動について
畑間さん:私たちは渋谷で開催するホームゲームに力を込めて取り組んでおります。渋谷区幡ヶ谷にあるスポーツセンターで、練習や試合の開催を行なっています。2023シーズンは2試合、ホームゲームを実施しました。そこで、各試合500人ほどの集客を行うことに成功しました。東京都1部でありながら、これほどの方々にご来場いただけたことはとてもありがたく嬉しいことでした。

また、jリーグとの違いとして観客席がないことが挙げられます。観客席がないからこそ、至近距離で選手のプレーを見ることができます。ボールを蹴る音や、選手と選手の体がぶつかり合う迫力を間近で感じることができ、臨場感あふれる場所となっています。


2022年の12月には世界的にも有名なヘッドウェア&アパレルのグローバルブランドNEW ERAと組んでSHIBUYA CITY FCのユニフォームを作ることにしました。NEW ERAがサッカークラブのユニフォームを手がけるのは世界で初めての取り組みで、世界的にも注目を集めました。常に最先端で、斬新なアイデアを持ち続けることを意識しているからこそ、このようなプロジェクトにも取り掛かることができたのではないかと感じています。

先進的な取り組みについて

畑間さん:SHIBUYA CITY FCではトークンという私たちのクラブチーム限定の株に近いものを発行しています。実際の株のように、市場でトークンを買いたい人が多くなれば価値が上がり、売りたい人が多くなれば価値は下がります。トークンの売買が行われると、その売り上げの一部がクラブに入る仕組みになっています。SHIBUYA CITY FCの導入後、他のサッカークラブやスポーツチームへも波及していきました。トークンはFiNANCiEというサービスを利用していて、FiNANCiEさんにも多くのメリットがある取り組みとなりました。ForbesやNewsPicksといったサッカー業界以外のメディア媒体にも取り上げていただきました。

私たちはまだそこまで大きな組織でないからこそ、計画から実行への期間が短いことが強みです。実際、トークンの導入についても、お話をいただいてから1ヶ月程で実行することができました。このようなスピード感もクラブを経営する上で、重要視しています。

サッカーフェスティバルについて

畑間さん:東急さんとの取り組みとして、サッカーフェスティバル「FOOTBALL JAM」を開催しています。ボールを蹴ることに対して苦手意識を持つ方々にもサッカーの魅力を感じてもらえるようにするのが目的です。渋谷駅に遊びに来た人が気軽にサッカーをしたり、選手の凄いプレーを見たりして、楽しんでもらいたいと考えています。3年連続で開催しており、外国人観光客からカップルまであらゆる人に楽しんでもらっています。

そこには、私たちのモットーである「世界で最もワクワクするフットボールクラブをつくる」を実現させるために、もっとスタジアム外に出てサッカーコンテンツを実施していくという狙いがあります。例えば、居酒屋でサッカーの試合が流れていたり、食堂では、SHIBUYA CITY FCの選手が食べているものと同じ定食が出てきたりなど。SHIBUYA CITY  FCを渋谷のありとあらゆる場所で365日感じていただきたいと考えています。その点においても、「FOOTBALL JAM」は大きな役割を果たすのではないかと考えています。


「FOOTBALL JAM」は、主催はSHIBUYA CITY FCですが、協力してくださる多くの団体さんから協力を得ながら開催しています。その点も渋谷の良いところだなと感じています。

サッカーフェスFOOTBALL JAM 2023


選手と地域密着
また、グリーンバードというゴミ拾いのボランティア活動に選手が参加することで、街の人たちとの交流を図っています。他には代々木公園でのサッカー教室、道玄坂での盆踊りの出演など地域活動に積極的に参加し、地域の方々とコミュニケーションを取ることを大事にしています。

渋谷盆踊りイベント


施設管理 
今年の4月からは、リニューアルした千駄ヶ谷コミュニティセンターの指定管理事業を予定しています。今後スタジアムが必要になっていく上で、施設管理の経験はクラブにとっても大いに役に立つのではないかと感じています。また、千駄ヶ谷エリアのまちづくりにも関わっていける点にも魅力を感じています。

SHIBUYA CITY FCのgood history

ターニングポイントの1つ目は、2019年の法人化のタイミングです。このタイミングで、初めて「Jリーグを目指す」と公に掲げるようになり、クラブの注目度がぐんと上がりました。それまではサッカー仲間によるあくまで草サッカークラブの延長線上の活動でした。そのため、選手の多くはサッカー以外に本業があり、夜練習をして週末試合をして月曜から金曜は違う会社で働いている生活でした。しかし、2019年にクラブとして初めてプロ契約選手として阿部翔平選手を獲得しました。法人化はJリーグを目指すと決めた大きなターニングポイントです。


2つ目は、名称を変更したことです。クラブを立ち上げた2014年から2020年までTOKYO CITY F.C.という名前で戦っていました。なぜ東京という名前をつけていたかというと、当時2014年にはニューヨーク、パリ、東京が一大観光地・大都市として言われていました。パリにはパリサンジェルマン、ニューヨークにはニューヨークシティFCというチームが出来て盛り上がっていたタイミングだったので、「第3のCITY」という意味合いでTOKYO CITY F.C.と名付けました。ただ、東京というと、かなり広いエリアになって地域密着からは離れてしまう点が懸念点でした。

クラブの創設当初から私たちの活動の拠点はずっと渋谷でした。法人化したタイミングでピッチ外の地域活動にもさらに力を入れていくことになり、サッカー選手を地域のイベントに出演させていただいたり、商店街にポスターを貼らせていただいたりと、一見、地道ですがとても大事な活動を積み重ねていきました。その中で、だんだんと「なんでTOKYO CITY F.C.なの?SHIBUYAじゃないの?」と地域の方々からお声をいただくことが多くなったタイミングで、名前を変更しました。地元の方や応援してくれている方に「待ってたよ」と言っていただいたのはとても嬉しかったです。

SHIBUYA CITY FC ロゴ


3つ目は、Jリーグで活躍していた選手が引退後にクラブスタッフとしてSHIBUYA CITY FCに関わるようになったことです。実際、SHIBUYA CITY FCの監督である増嶋竜也、執行役員を務める田中裕介はJリーグでの優勝経験もあります。彼らがクラブの重要なポジションにいることで、サッカー業界における知名度がとても高くなったと感じています。そのことが、選手を獲得しやすくなったり、東京都1部であるにもかかわらずJリーグクラブと練習試合ができたりとクラブに良い影響を与えることに繋がりました。


コミュニティ拡大は、クラブ創設時から意識していましたが、名称変更のタイミングでサポーターをさらに増やす必要があると感じました。そこで、SHIBUYA CITY FCに変更したときに、ホームページを一新し、ブランドのイメージを再構築していこうと考えました。スポンサーの方も法人化してから増加しています。

学生スタッフ:スポンサーさんには直接お話に行ってお願いしているのですか。

畑間さん:もちろんです。企業の方にアポを取って、メニューを説明しています。少額の数万円から100万円を超えてくるようなプランまであります。最終的に、お互いに納得する形で協賛金をもらっています。寄付ではないので、何かしらクラブでお返しすることが必要になってきます。

SHIBUYA CITY FCが今後目指すこと

環境面では、自前のグラウンドで練習することです。今はスポーツセンターや代々木公園で練習しているのですが、いずれは自分たちのグラウンドを確保する形で練習したいと考えています。
競技面では、関東リーグに昇格することです。東京都から関東と、関東からJFLに昇格するタイミングがとても難しいと捉えています。2023シーズンは、東京都1部で優勝したのですが、関東リーグに上がることはできませんでした。東京都で一位になっても、他の関東の都県リーグの上位チームとのトーナメントの準決勝で負けてしまったからです。約75チーム中2チームしか上がれないため、昇格するのが難しいです。
事業面では、コミュニティの拡大を引き続き図っていこうと思っています。1人でも多くの方にSHIBUYA CITY FCの試合を見ていただき、クラブと共に昇格への道を歩んでいただきたいと考えています。私たちの背景を知ってサッカーを見るのと、知らないままで見るのでは、応援の熱量が違うと思います。SHIBUYA CITY FCがどういう立ち位置で、どういうことを目指していて、どれだけ面白いことを成し遂げようとしているサッカークラブなのかということを伝えていきたいです。このことが今後目指していく姿として大事だと思っています。
将来的に、東京都23区にJリーグクラブを誕生させ、毎週末に渋谷でユニフォームを着た人を見かけたり、SHIBUYA CITY FCのことを話題にしている人を見かけたりすることを最終目標としています。
その事例として、サッカーが楽しめる場所を渋谷の至る場所に作ることが挙げられます。365日渋谷のどこかしらでサッカーに関わることのできるコンテンツがあり、渋谷に関わっているみなさんに楽しんでもらっている状態が究極の理想像です。もちろん外国人の方や他県の方々にも知っていただくことも重要になるでしょう。ただ、やりたいことを叶えるには渋谷の方からの理解を得ないといけません。あくまで個人的な考えですが、僕はディズニーのようなサッカークラブになりたいとイメージしています。夜のショーをサッカーの試合、アトラクションをサッカーのコンテンツだと思っていただいて。そういう世界を渋谷の街全体で作りたいです。渋谷には外国人の方が多く観光に来られているので、知っていただくためにも英語の発信にも今後力を入れていきたいです。


SHIBUYA CITY FCが考える“goodなshibuya”

渋谷のgoodなところは?


街の注目度が高いところです。世界的にも知らない人はいない「渋谷」という街にあるサッカークラブは絶対に面白く、かっこよくなくてはいけないなと。
僕は、SHIBUYA CITY FCで活動を始めて渋谷のいろんなところに顔を出すようになってから、エリアによってイメージが異なることに初めて気づきました。いろんな色があり、色んな人がいます。働く人だけでなく、観光客や学生もいます。普段絶対に交わることのない人たちが、一つのサッカークラブを応援することで交わったときに、すごいパワーが生まれるのではないかと思っています。そこは、日本だと渋谷にしかない魅力だと思います。もちろん、地方クラブの良さもありますが、渋谷だからこその良さを生かして大きなパワーを生み出したいと思います。
あとは、言わずもがな企業が沢山あることです。スポンサー営業は永遠にできるだろうなと思います。企業と企業のマッチングもさせてもらっているので、ビジネス面の強みも渋谷にはあると思います。

もっとgoodになるために…

やっぱりスタジアムを作るのが一番だと思います。スタジアムを拠点にしてサッカークラブを応援することによっていろんな人が交わる場所を創りたいと思います。そうすることで、渋谷の街の面白さに繋がって、試合の日に渋谷に行く人が出てくると思います。サッカーに限らず、スポーツをもっともっと盛り上げていきたいです。渋谷のスポーツ同士の連携をしていくことで、渋谷の価値がもっと上がるのではないでしょうか。

【お知らせ】

東京都社会人チャンピオンシップ2次戦準々決勝
対戦相手:東京23FC(関東1部)
日時  :3月10日(日) 17:30キックオフ
会場  :駒沢補助競技場


FOOTBALL JAM2024 秋開催予定!
→過去の様子はこちら

【さいごに】

  東京都23区初のプロサッカーチームに向けて、渋谷を中心にさまざまな活動を行うSHIBUYA CITY FCさんの活動は、渋谷の方から理解を得るだけでなく一緒に歩んでいくような気持ちにさせてくれます。常に最新でかっこいい姿であり続けるSHIBUYA CITY FCさんの今後の活躍に注目したいと思います。






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