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21年目もだれかのおいかぜになるために

今月、いよいよ株式会社おいかぜの第21期がはじまりました。

20周年です。まずは20年間も会社を続けてこられたことを感謝します。クライアントのみなさん、パートナーのみなさん、スタッフのみなさん、そして家族・友人、ほんとうにありがとうございます。みなさんの支えがあっての20年。これからもどうぞよろしくお願い致します。

26歳の若者は46歳のおじさんになり、2人だったメンバーは45人になり、売上は数十倍になり、取り巻く状況や会社としての見られ方もずいぶん変わりました。京都で”おいかぜ”という名前を少しは知っていただけるようになったんじゃないかと思っています。まだまだ頑張らないとダメだけど。

先日、20年前に”有限会社おいかぜ”を立ち上げたときの定款を見ることがありました。夢いっぱい。ボクたちができることはもちろんですが、当時これからやりたいと思っていたことがたくさん書かれていました。26歳の柴田くんはこんなことを考えていたんだなぁと微笑ましく思ったわけですが。

20年を振り返ってみたとき、やるべきこと・やりたいことをやってきたました。それらとは別の軸でボクが一貫してやってきたことは”おいかぜ”という社名の解釈と、”おいかぜ”という会社の機能の実装です。つまり”おいかぜ”とは何者で、”おいかぜ”の商品とは何なのか?ということの言語化です。

前期第20期の初日に書いたnoteを読み返しながらこの文章を書いています。

思いつくまま散文的に書いた文章、散った言葉たちが時間が経って集まって、何か新しい塊をつくっていっているなぁという感覚、いろんなことが繋がっています。

もっと早くにこの文章をまとめたかったんですが、少し時間がかかりました。20周年だから意気込んだというわけではなく、繋がりそうなポイントとポイントを丁寧に確認しながら書いていた感じです。ボクの頭の中でようやくまとまりつつあることなので少しわかりにくかもしれませんが、おいかぜの次の10年を決めるくらいの強度はあると思っているので、ぜひご一読ください。

ボクの、株式会社おいかぜの、第21期の最初の宣言です。


1、”おいかぜ”という商品・サービスをつくれるんじゃないかという仮説。

ボクたち"おいかぜ"はこの20年間、”技術とデザインで課題を解決する”という御旗のもとに、何かを作り出すこと、作り出した何かを続けていくこと、この2つを繰り返してきました。例えばあるWebサイトを作ったとしたら、そのWebサイトの運用をする。例えばあるオフィス環境のITインフラを構築したとしたら、そのインフラを運用・管理する。例えば何かの製品のブランディングをしたとしたら、そのブランドが継続するための運用と伴走をする。こんなことを20年間やってきたんですね。

作っては続け、続けては作り、ということを繰り返す中で、この2つの両立がとても難しいことを知りました。その理由として”つくるとつづける”の職能が違うということが挙げられます。”つくるとつづける”では、単純なスキルということはもちろんですが、リソースの割き方や、コミュニケーションの方法も変わってきます。"つくる"ときには良い業者だったけれど、”つづける”ときに対応が良く無いですねってなることってほんとに多くて、ボクたちもお客さんからお声がかかるとき「いま運用をお願いしている業者さんの対応があまり良くなくて…」と聞いたりします。そのあとに続く言葉は「最初つくってもらってたときはすごく良かったんですけどね。」というわけです。

残念ながら、ボクたちだって当然同じようなことがあります。作ったけれど運用のお仕事を続けられないケースはあります。

”つくるとつづける”の間で生じるギャップは恐らく構造の問題なんだと思います。本来は”つくるとつづける”を分けなきゃならない。でもそれらを構造の問題だからといって諦めることはしたくない、だから”おいかぜ”は”つくるとつづける”のバランスを取り続けているんですね。

そしてもう一つ理由があるとすれば、ボクたちが事業としている領域にデザインのアプローチができて”つづける”が上手なプレイヤーが少ないということもあるんじゃないかと思っています。たぶんニーズはめちゃくちゃあるはずなんですが。

”つづける”が上手くいっている成功事例として、少数精鋭のデザイン事務所や制作会社が伴走する、お客さんに広報的な担当や部署があって作ると続けるのバランスを取っている…といったように世の中にはたくさんありますが、ボクが知る限りではニーズはもっとある、”つづける”がうまくいっていないところの方が多いと思っています。

じゃあボクたち”おいかぜ”がそういうプレイヤーになればいんじゃないか?というのがボクの第21期の最初の宣言です。

ある意味ボクたちは既にデザインのアプローチができて”つづける”ことが上手なプレイヤーという自負はあります。でも今まで”自分たちの作ったモノ”を中心に”つづける”お手伝いをしてきました。

そこに”つづける”から始まるお手伝いを加えることこそが”おいかぜ”っぽいんじゃないか?”作る”と”つづける”を循環させることこそが”おいかぜ”を体現するサービスなんじゃないのか?という仮説です。

ITインフラの運用管理を出自とし、10周年以降にプロダクション事業部を育ててきたこと、4年前に”はたらくデザイン事業部”を立ち上げたこと、1年前に運用・保守に特化したサポートチームをつくったこと、そして20周年でウエダ本社さんとGOOD PLACE SOLUTIONをはじめたこと、すべてはこの”おいかぜ”という社名であり態度でありながら、サービスや商品そのものになり得る仮説に辿り着くプロセスだった気がしています。

こういう帰結(まだプロセスではあるんだけれど…)になることを想像して社名をつけたわけではありませんがボクたちが”おいかぜ”であることの必然性を感じずにはいられません。

2、はたらくデザイン事業部が”つくるとつづける”を”そだてる”存在

”つくるとつづける”のバランスをとることはとても難しい。そして”つくる”ことも”つづける”ことも、ボクたちの力だけでなく、お客さんの協力が必要です。お客さんの社内のプレイヤーの存在が不可欠になります。しかしボクたちがお手伝いする多くの中小企業で、自社でプレイヤーを育てていくことはハードルが高い。手前の採用から始めなければならないことだってあります。プレイヤー不在は”つくる”ことも”つづける”ことも乗り越えられない。そう思っています。

そのプレイヤーを育てましょうという態度が”はたらくデザイン”にあります。

おいかぜの”はたらくデザイン”とはいったいどういう考えなのか、簡単に言うと以下の通りです。

「はたらくデザイン」とは、働き方をより良くするための仕組みづくりや、新たなチャレンジができる環境づくりを通して、新たな「はたらく」をつくること。この考え方は、おいかぜの理念「だれかのおいかぜになる」とも通じ、全事業部の根底に流れるものでもある。

はたらくデザインって?

もともとはボクたち”おいかぜ”の新規事業立ち上げ時の気付きから生まれたこのボクの思考。この思考をお客さんの”つくるとつづける”を”そだてる”ことに繋げる、外部からのサポートの限界を超えることのできるとても有効な手段だと考えています。”はたらく”ことのコンサルティング的に見えますが、より近くで一緒に”はたらくをデザインする”存在でありたいと思っています。

ボクたちのような外の人間だけで”つくる・つづける”は成立しない。”はたらくデザイン”のアプローチで、良い会社づくり・良い人材の採用・良い人材を育てることを実現する、とても”おいかぜ”的な”技術とデザインで課題を解決する”強度を上げる方法だと思っています。

”はたらくデザイン事業部”はまだ具体的な業務というより、思想や思考に近いところにいるので、少しずつ事業化を前に進めていきます。

3、全ては”おいかぜ”という言葉に帰結する

ボクは特にこの5年くらい”おいかぜ”や”だれかのおいかぜになる”という言葉をたくさん使ってきました。そして”おいかぜ”とは何か?”だれかのおいかぜになる”とは何か?ということの言語化にかなりの時間を費やしてきました。

・タグライン:だれかのおいかぜになる
・ミッション:はたらくをデザインする
・バリュー:技術とデザインで課題を解決する
・クレド:”風”そして”おいかぜ”らしくあるために

20周年にあたって明確にした上位概念

突き詰めていくと、おいかぜとは"人"、おいかぜで働いてくれているスタッフであり、”株式会社おいかぜ”という法人格であり、ボク自身でもあります。その”おいかぜ”という人格がどういう思想で・どういう態度で・どういう行動を取るかということを言語化し続けています。

この2年ほどの言語化で一番大きな気付きは”おいかぜのクレドはスタッフにとっての行動指針であり、対外的には広報的な指針である”ということ。ボクたちが”おいかぜ”らしくあることに内も外もない、そして”おいかぜ”や”だれかのおいかぜになる”を起点としたボクたちの上位概念に内も外もないという確信でした。

今日このnoteでさらに”おいかぜ”の言語化がもう一歩前に進みました。

株式会社おいかぜは”つくる・つづける”を”そだてる”存在である

次のバリュー?

この言葉がボクたちの上位概念のどこに収まるかはまだわからないけれど、たぶん次のおいかぜの10年、20年のキーワードになる。その予感はあります。

プロダクション事業部とプラットフォームソリューション事業部で”つくる・つづける”、はたらくデザイン事業部が”そだてる”。”つくる・つづける・そだてる”はループしていきます。そして起点はどこでも良い。ボクたちじゃない誰かがつくったものを”つづける”こともあれば、誰かが続けてきたものをボクたちが”つくりなおす”こともあるし、”そだてる”だってどんなタイミングでお手伝いをすることになるかわからない、という宣言です。

ボクが自分で商売を始めたころ、サラリーマンをしながらの副業でした。「自宅ネットワークの調子が悪いから見にきてほしい」とか「今度イベントやるからフライヤーつくってよ」とか「商売始めるからホームページほしいんだよね」とか「こんなこと始めようと思ってるんだけど何か良いアイデアない?」とかほんとうにいろんな相談がきて、それら全てを受けていました。全ての仕事が楽しくて仕方がなかった。誰かの役に立って喜んでもらえてお金がいただけることってなんて素敵なことなんだと。”だれかのおいかぜになる”の原体験です。

当時のボクの原体験をそのまま会社の事業として落とし込んでいるわけではないけれど、会社として可能な限りの”だれかのおいかぜになる”を体現していくことは使命だと思っています。

さいごに

最初は今回のこのnoteの記事では20周年の1年間で取り組むことを書くつもりでした。この1年間こんなことをやっていくぞ!という宣言も兼ねた散文です。その文章を書いているうちに頭の中で何かが繋がっていって、全て書き直しました。消してしまった散文の中で、お伝えしたい内容を最後に1つだけ紹介します。

いまオフィシャルサイトのリニューアルを進めています。リリース目前です。サイトリニューアルを敢えて20周年の5つのプロジェクトに入れませんでした。

理由としては、20周年は”だれかのおいかぜになる”取り組みにしたかったから。オフィシャルサイトはおいかぜそのもの。だから20周年ではなく普遍的な取り組みとして扱いました。

20周年のプロジェクトやサイトリニューアルといった対外的なことはもちろんですが、社内報の発刊(既に第1号は発刊済)や人事評価制度の刷新など社内的な取り組みも始まっています。リニューアルするオフィシャルサイトやSNSやボクのこのnoteでお伝えできたらと思っています。

今期も“だれかのおいかぜになる“ために、ビジネスだけでなくあらゆることで風らしくフレキシブルに愉快なおいかぜに。

第21期も株式会社おいかぜを何卒よろしくお願い致します。

Photo : Yukina Yokoi




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