見出し画像

プライマル・ヘルス 未来への窓

SBSK自然分娩推進協会では、ご希望の方にメルマガを配信しています。
今回は、メルマガ22号(2021.8.31)の配信内容です。

プライマル・ヘルス 第11章 未来への窓

(11章は最終章です)

核家族や産科学に対する批判を述べたが、そこからプライマル・ヘルスのユートピア(理想郷)を達成するには闘いが必要。

しかし家族構成を変換するなどはとても時間がかかるだろうし、本物の助産師たちのネットワークも一夜にして作り上げることはできない。

病院では無意味に苦しむ治療が行われるから、病院医療の危険性の理解が進めばお産の哲学も変わるだろう。自宅で死ぬことを推奨しながら、自宅で生むことを危険視するのはどういうことだろう。

サル山では子猿が母親にしがみついて母児の接触がある。人間もかつてはおんぶひも、抱っこひもを通して母児の接触とコミュニケーションがあった。現代のように乳母車に乗せてばかりだと、触れ合いによるコミュニケーションは無くなる。

添い寝

赤ん坊は、昼間より夜間に、明るいところより暗い所で母親を必要とする。暗いところでは赤ん坊は視覚の代わりに触覚と嗅覚を養う。暗がりに放置されるとその能力は養われない。

過去300年の間に道徳の名の下に、そして科学の名の下に、添い寝は悪習慣とされた。しかしこの”悪習慣”は赤ん坊の基本的要求を満たす自然な方法である。添い寝と窒息死は無関係であり、母親は眠っている間も赤ん坊を気遣っている。母乳中の母親は、最も深い眠りを経験しないの特殊な睡眠形態を取る。

赤ん坊は嗅覚で乳首を見つけるので母親は完全に目をさますことなく夜間授乳できるのだ。

SIDS(乳幼児突然死症候群)はベビーベッドでの死として知られる。赤ん坊の孤独、絶望、不眠の繰り返し、という夜間の基本的要求を妨害した結果起こるのではないか(オダン)。出産準備クラスや母乳カウンセラーの役割が重要な理由である。

プライマル・ヘルス・センターの提唱

子供を持つ予定の女性や夫婦、妊婦、若い母親、赤ん坊や祖母などが集まる場所を作るよう提唱する。センターでは赤ん坊をみたり抱いたりする経験を与える事ができる。学校の教育とプライマル・ヘルス・センターが協力すればできる。

本物の助産婦とは、内診を繰り返さなくても産婦の声や姿勢や顔の表情からお産の進み具合がわかるような、経験豊かな分娩介助者のことだ

歌や踊りのグループ、台所での調理、パン作り、出産準備クラスの指導者、助産婦や母乳哺育カウンセラーが連携して母児、お母さん、家族を支える事ができる。助産所活動の湾口にならないだろうか?

プライマル・ヘルス・センターは病院の近くに作るべきだ。

しかしこのセンターは医療施設とは独立していることが重要である。医療は人々の健康にとって補助的な役割しか果たさないのだからプライマル・ヘルスを重視することが条件。

プライマル・ヘルスへのリスペクトがなければ、産科医療は害を及ぼす可能性がある。

科学技術は未来を見通す力のない人が使えば、人類の生き残りに脅威を与えるものです。

次回は本書の最後に載せてあるニュースレターを紹介します。
古い情報ですが、プライマル・ヘルスを考える上で深く考えせられる内容です。助産婦も助産師も産科医も読んでおいで損はない内容です。

こちらもどうぞ。
SBSK自然分娩推進協会webサイト
メルマガ登録(メールアドレスだけで登録できます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?