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忘れ去られた場所

朝から移動続きな1日。バスで移動し待ち時間にお仕事して打ち合わせしながら連絡を入れ続け今木屋町のタナカコーヒーで書類をまとめている。

この時代珍しく全席喫煙のこの店は愛煙家にとって大切な店である。テキーラ消費量世界一を誇る京都の木屋町において遅い時間にも空いている大切な場所でもある。

嫌煙家は人生で一度も足を運ばない場所だろう。飲みすぎた1日の終わりにして理性を呼び起こす場であり、喧騒がやんで深く煙を吸い込んで吐き出す。喋り尽くした夜にコーヒーを飲んで処理しきらないアルコールを静かに燃やす。

フワフワした頭でここだけ世界から忘れられたんじゃないかと考えたことがある。こんな時間に老人がいると深夜に驚いたり古めかしいジャズが垂れ流しで誰とも目が合わない。それぞれの世界に閉じこもってるみたい。

人々は寝静まり、外ではドンチャン騒ぎ。
ここだけがいつ来ても同じ時間の流れ方をして、タバコの煙がくるくるくぐもっている。

知らない人は知らないし、
知っている人は愛してる。
特別うまいわけでもまずいわけでもない。
ただここにあっただけの場所なのに愛おしい喫茶店である。

そろそろPCを閉じて夜の帳に木屋町へ繰り出そう。
明日の俺、全部任せた。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。