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何のために働くのか

私は、社会人になるまで、進路や就職先について、あまり深く考えたことがなかった。というか、振り返ってみて、なんでこの道に進んだんだろうという問いに、大きな理由がないことに気付いた。全部、その時の感覚で、「なんとなく」だったのだ。

だからこそ、働いてから、苦しいと感じることが多かったように感じる。特に最初の1.2年は、やりたいことも見つからず、仕事に楽しさも見出せず、私のやりたいことはこの道じゃないとも考えたことがあった。だからまた、なんとなくやめようかななんて思ってた。

ただ、私は他にやりたいことがなかったし、患者さんとの関わりは嫌いではなかった。そして、何より職場の人間関係が良くて、居心地が良いという理由でその場に留まっていたという方が適切かもしれない。

苦しいと感じる時には、何故だろうと、考える。自分なりの答えを出そうと、思う。答えを探そうと、本を読んだり、人と話したりする。

その時読んだ本の中で、『ミッション-元スターバックスCEOが教える働く理由』という本がある。タイトルの通り、スタバの元CEOが書いた本で、まだ今ほどスタバというブランドが立ち上がっていない時に、見事にブランド力を立ち上げた1人。

この本の中で、「火花散る一瞬」という言葉がキーワードになる。

私も、読みながら考えた。理学療法士にとって、火花散る一瞬は何だろう、と。

苦しいと感じている時は、他職種との関わりが上手くいかないだとか、間接業務が大変だとか、自分の技術が同僚と比べてどうだとか、そんな事ばかりにフォーカスが当たっていた。

でも、違う。私はそんな瞬間のために仕事をしているわけではない。火花散る一瞬は、そんな業務であったり、自分の技術が十分に使えた時ではない。患者さんが退院する時でもない。患者さんが、退院して、社会に戻った時。もっと言えば、社会に戻って、その人らしく生きていられる時。その瞬間だ、と、思った。

そう思ったら、今までフォーカスが当たっていたところに、それほど当たらなくなった。いい意味で、適当になった。(もちろん、病院ではそのために他職種との連携や間接業務は必要であり、怠っているわけではない。)

もっと飛躍して言ってみると、理学療法士は、社会に生きる全ての人に、身体を通してその人らしく生きることを提案できる、素晴らしい仕事なのではと。そう考えると、理学療法士の役割は社会にゴロゴロと転がっている。どの年齢層においても、やれることはある。まだまだやるべきことがたくさんある。

学生時代の、「なんとなく」という感覚も愛おしい。最終的にはその判断がとても重要になると思う。ただ、その「なんとなく」の感覚を磨くためにも、日々自分と対峙して、知識を増やしていく。

そんなこんなで私は4年目になり、やりたいことや楽しいことが見えて来ました。今は病院というフィールドで働いていますが、少しずつ広げていけたら、と思っている今日この頃です。

最後まで見て頂き、ありがとうございます^^

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