不可視

    こんにちは。
 The BirthdayのB面集第二作目が発売されました。
 

 
 フジイケンジさんが加入してからのB面集ですね。シングルのカップリングには何気に良曲が多いというのはどのバンドでも共通のあるあるだと思うのですが、こうしてB面集を出してもらえるのはありがたいことです。
 自分でプレイリスト作ることもできるんですけど、バンド側が提示してくれた曲順(今回はおそらく時系列順ですけど……)を味わうのも醍醐味かと。「ダンス・ナンバー」から「Waltz」の流れ最高。
 どの曲ももちろん好きなんですけど、とりわけ好きな曲が2つあって、先ほどあげた「ダンス・ナンバー」と、「誰かが」。特に「誰かが」なんて、イントロがイヤホンから流れてきた瞬間、天を仰いで唇を噛み締めました(うっかり恍惚の声を上げないように)。
「誰かが」、多分好きじゃない人いないと思うんですけど。映画の主題歌にもなるくらい良曲で、ライブでもアンコール常連。私は、この曲にちょっとした思い入れがあります。
 
 The Birthdayを好きになったのは、高校2年の時でした。服部鶴見緑地であった、「たとえばボクが踊ったら、」というフェスで見たのが最初です。知る人ぞ知る伝説のフェスですね。大雨の中だったので、帰りは全身ずぶ濡れだつたんですけど、アドレナリンがめちゃくちゃ出てたのか全く風邪ひきませんでした。普段クーラーに直当たりになるだけで体調悪くなるのに。
 その流れで、高3の冬になってもバースデイを聞いていて。受験の時期ですから、メンタルが多少不安定でした。(今も不安定ですけど)
 別に何か特別イヤなことがあるわけじゃないのに、学校に行きたくなくて、涙が出てきてしまう。それでも当時の私はマジメだったので、沈む体をむりやり叩き起こして、顔の下半分をマフラーで隠して、勢いのままチャリを走らせていました。
 自転車に乗ったままイヤホンをつけるのは、みなさんご存知の通り、あまりよくない行為です。特に密閉型だと、周りの音が聞こえなくて危ないですしね。そうでなくても自転車で事故りやすい(カゴが変形するくらいこけていた)私だったので、極力イヤホンをつけての登校はしないように努めていました。
 でも、ぐらついたメンタルを支えてくれるのは、やっぱり音楽です。片方だけ使うならいいんじゃないかと(よくない)、悪あがきのようにイヤホンを右耳にねじ込んで、再生ボタンを押しました。その時聴いたのが、「誰かが」でした。
 普通に家で初めて聞いた時は、「いい曲だな〜」くらいにしか思っていませんでした。けれど、あの力強いサウンド、少し気の抜けているようで、確かに背中を押してくれる歌詞、その全てに心を打たれました。チャリを漕ぎながら私は泣いていました。
 

 誰かが泣いてたら 抱きしめよう それだけでいい
 誰かが笑ってたら 肩を組もう それだけでいい

「それだけでいい」。それだけでいいんですよね。人に愛情をかけることが、すごく等身大で。今聞いても、とても沁みる曲です。大好き。
 
 だ〜い好きな曲2曲目は「ダンス・ナンバー」ですけど、これは思い入れとか関係なく単純に曲がめちゃくちゃ好き。ROSSOの「シャロン」に育てられた人間なので、ああいうエモ系の曲に弱いんです。
 

 踊ってる時だけが唯一 息をしてるって感じるから
 その後呼吸すら忘れる

 
 歌詞はここが最高。
 
 あとはやっぱり「ペーパームーン」ですね。ただB面を再録するだけじゃなく、こうやって新曲を収録してくれるあたり、こだわりを感じて大変にありがたいです。好き。
 実は私、このMVの撮影場所だった、味園ユニバースのライブに参加しています。だから、もしかしたらMVに映ってるかも……と思ったんですが、最前にはいなかったので全然映っていませんでした。
 歌詞がめちゃくちゃメルヘンと言うか、絵本みたいですよね。

 暗がりに潜む ミルクティーの匂い
 惹き付けられる 仔猫達がいて

 
 うーんかわいい。三日月に腰掛けて、夢が降って、猫を拾う。チバユウスケさんはロックンロールジーザスですけど、こういう可愛い歌詞も書けるのはわりと昔から変わってない気がします。感性のアンテナが強い人です。
 
 先ほども述べましたが、このB面集の曲順はおそらく時系列順なので、メロディやチバさんの声の変化を楽しめるのも醍醐味の一つだと思います。後半になるにつれて、だんだんとメロディの一体感が増していっている気がしますし、チバさんの声はどんどん渋くなって味が出てくる。もちろん渋くなる前のチバさんの声も爆発力があって大好きなんですけど、それとはまた違う魅力が出てるんです。(早口)
 
 私はApple Musicに加入しているので、いちいち現物を買う必要はないんですけど、まあ、買いますよね。オタクは推しに金を出す習性を持つ生き物なので……。
 まだ手にすることはできてないんですけど、手元に届くまでしばらく、特典のステッカーを楽しみにして生きていきます。以上、終わりです。

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