ドル・コスト平均法はどんな場合も得をしますか?
結論からお答えすると NO です。
ドルコスト平均法を使っていけば必ずしも得をするわけではありません。
以下の3パターンにおいてデメリットが生じる場合があります。
①時間が短い、長すぎる場合
②最終的に下落する相場の場合
③定額を投資できていない場合
①時間が足りない場合
定期的な長期投資が前提となるドルコスト平均法では、資金投入(購入)の回数が少ない場合に関してはほとんど効果を発揮しません。
短期での資産形成には向かないので、すぐに儲けたい人向けの投資法ではないと言えます。
逆に、ドルコスト平均法は延々に続けて効果が続くものではありません。
毎月の積立だと、15年~20年が適しています。
それ以上長く続けると、分散効果が薄れほとんど一括投資とボラティリティが変わらないため、リスクが高くなります。
リスクをコントロールするための手法ですから、超長期は不向きというわけです。
②最終的に下落する相場の場合
長期投資が前提だからと言って、20年ほどの長期に渡り積立をしていく中で、最後に下落トレンドに入ってしまってはお金が大きく殖えることはありません。
殖えないばかりか、減ることもあります。
下図のように、10年間積立をし続け、最終的に1年目の価格より高い価格で終わりを迎えたとしても、マイナスとなります。
この場合の終了時の資産額は、93,635円で投資元本を6365円下回り、利回りは-6.4%です。
この場合は10年ですが、20年積立の場合は20年後のトレンドを考えなくても良いものに積立をしていくと、この問題を解消することができます。
一方で、ドルコスト平均法は途中での下落からの上昇にかけては安値で量をたくさんを買えるため、一時的に半値になっても儲かるケースが多くなります。
ポイントは、ドルコスト平均法を過信しすぎると、せっかくの頑張りが水の泡になる可能性があるということを認識することです。
ドルコスト平均法は、ある程度期限が決まっていますので最後がほぼ全てといえます。
③定額を投資できていない場合
ドル・コスト平均法=定額投資法=積立
ですから、なにを心配しているのか疑問に思われるかもしれませんが、実際に定額を投資し続けられないケースが散見されます。
いわゆる、「心理に左右される部分」です。
例えば、
「引越しを控えているためしばらく積立を停止しよう。」
というケースです。
止めるのが簡単な場合が多いだけに、ちょっとした判断ミスが起きてしまいます。
ダイエットしているけれども、今日だけは良いことにしようと考え、ケーキを食べてしまうのと一緒です。
次の再開がかなり難しくなるばかりではなく、定額投資法のルールを破っているわけなので、法則通り進まなくなります。
つまり、メリットを自ら放棄しているということです。
他にも、
「米国株は右肩上がりだと思ったのに、5年間下がり続けている」
という場合はどうでしょう?
積立をすると決めた頃の自分の考えを信じてそのまま買い続けられるでしょうか?
誰かに相談して、
「米国株より中国株だよ」「先進国に分散しててももう時代遅れ、新興国だよ」
と言われた場合はどういう判断をするでしょうか?
中には銘柄をスイッチングする方もいらっしゃるでしょう。
もちろんその場合は、ドル・コスト平均法のルール外になり、リスクヘッジ効果はなくなります。
こういった望まれないケースのことも考えて、あらかじめ長期の戦略を考えることで対策を立てる必要があります。
もう一点、デメリットではありませんが、ドルコスト平均法ではバランスをとる必要があります。
「ボラティリティ(変動幅)が大きい場合ほど、お金が増える」
という特性です。
理論的に言えば間違いないのですが、大幅な価格下落により資産が大幅に目減りする終盤では、つい自分の意志で売却してしまいかねません。
理論上の正解だけではなく、リスクマネジメントも考えつつボラティリティについては考える必要があります。
少しお話しが難しくなってしまったかもしれませんが、
ドル・コスト平均法(積立)は初心者でもすぐに使える武器になりますので、以上の注意点を踏まえて積極的に取り入れていくと、日本も金融後進国と呼ばれなくて済むようになると思います。
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