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句会を「見せる」という試み

コロナに負けず練習や活動を続けている公民館グループや市民活動団体が無観客で成果発表や活動中継をインターネット(YouTube)でライブ配信!
市内の複数の会場から、遠く離れた皆さまへ熱いエールをお届けします。

こんな触れ込みで、広島市内の公民館が企画した「リモート公民館ひろしまLIVE2021」

おそらくですが、主催者側が想定していたのは、音楽演奏サークルや、演劇、ダンス等、「画面映え」する活動だったのではないかと思います。

そんななか、私の所属する俳句の会は、文芸系として果敢にもエントリー。

句会に興味を持つ人が増えて、メンバー増につながれば、との思いで参加したのですが、それ以外にも様々な学びが得られました。


(1)見せ方

普段は、事前に集めた句一覧を紙に印刷して、机の上に配って、句会を行っていますが、ライブ配信では、そうはいきません。

何もかもビデオカメラに映るようにしなければならないので、いつもとは違う準備が必要でした。

句一覧は、大きな紙に印刷して(ただし、定型外の紙に印字できるプリンタを所有していないため、切り貼りして繋げて)、縦1メートルぐらいに伸ばして掲示しました。

自分の句を、大きな文字で見ることは滅多にありませんので、これはこれで新鮮な経験でした。

選者の名前も、名乗りだけでは判然としませんので、名札を置きました。


(2)進行

句会の進め方にも、少し工夫が必要でした。

選は、読み上げていくだけでは、視聴者の皆さんに視覚的に伝わりません。

そこで、各自で選んだ句に印を貼ってもらうこととしました。

参考にしたのは、以前、NHK俳句の第4週で初心者向けに放送されていた番組で行われていたミニ句会の形式です。

これで点数もはっきりわかりますし、選者が立ち上がって句の前に集まることになるので、画面に動きが出てきます。


(3)気配り

常に、カメラの向こうに見てくれている人がいる、という意識のもとで行いましたので、自然と「はっきりした声で」「にこやかに」「端的に」喋ることにつながったと思います。

このことは、普段の句会の場でも、心がけるべきことですので、改めて勉強になりました。

句会は議論の場なので、時に気色ばんでしまうことも無くはないのですが、勝ち負けのディベートの場ではありませんので、一定の抑制も必要です。


慣れないことをして大変な面もありましたが、俳句を楽しむうえで忘れがちになっていた大切なことを、今一度、思い起こすことにもつながったと感じています。

ぜひ、俳句の裾野が今以上に広がって、句会に参加してくださる方が一人でも増えればと願っています。


今回のイベントの様子は、アーカイブとして公開されていますので、ぜひご覧ください。


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