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自分の音楽人生に強烈なインパクトを与えた名盤 Vol.2 STEVE VAI「PASSION AND WARFARE」

今から25年以上も前になる中学生の頃、近所のレンタルCD屋で極彩色に彩られたこのアルバムのジャケットに反応してしまい、STEVE VAIって誰という状態で思わずジャケ借り。

その頃はブラーオアシスなどUKロックにどっぷりハマっていた時期だったのですが、

このアルバムを聴いて体に電流が走ったかのような快感・・・

自分がギターインストフリークになったきっかけを作ったのがこのアルバムです。

このアルバムを一言で表現するのであれば

天才ギタリストの叡智が込められた大傑作

ヴァイといえば超人ともいえるギターテクニックと類まれなる感性から生まれるトリッキーなアイデアなど進化したギタリストのイメージがあります。

そして、細部まで作り込まれた楽曲の完成度の高さは名門バークレー音楽院在学中にフランクザッパ門下生としてギタリストの感性をザッパ帝王に研ぎ澄まされたことによる影響が大きいともいえます。

この名盤が生まれるまでのヴァイの経歴。

20歳でフランク・ザッパのバンド・ギタリストとして加入。

24歳でザッパ臭漂うデビュー作「FLEXABLE」を発表

イングヴェイの後任ギタリストとして加入したALCATRAZZ。

VAN HALENを脱退してソロバンドを立ち上げたDAVID LEE ROTHへの加入。

怪我で負傷したエイドリアン・ヴァンデンバーグの代わりにWHITESNAKEに加入。

これらの輝かしいキャリアを経て制作されたのがこの「PASSION AND WARFARE」。

様々なバンドを経たからこそここまでの多様性を表現できたのではないでしょうか。

では、なぜUKロック一筋の10代だった自分を虜にすることができたのか

その理由は・・・

1  ロック、メタル、だけでなくファンク、ジャズ、ブルースなど様々なジャンルが入り 乱れている。

2  「THE AUDIENCE IS LISTENING」がカッコ良すぎた。

3  このアルバムを聴いてギターを始めた

以上の理由で脱UKロックを果たし、ケミカルブラザーズの「Dig Your Own Hole」に出会うまでギターインストアルバム一筋となりました。

PASSION AND WARFARE

サイケデリックなジャケットのイメージを覆す荘厳なメロディー「LIBERTY」で幕開け。

壮大なオーケストラのような曲は馴染みがなかったので新鮮な印象でした。

続く「EROTIC NIGHTMARE」はギターでできる表現はすべてここにあるのではないかというくらいヴァイらしさが凝縮した名曲です。

特にギターのイントロがカッコイイ。

ライブ映像ではベースがビリーシーン、サポートギター兼キーボードがトニーマカパインという強力な布陣です。

中盤ではトニーマカパインとのギターソロの応酬合戦を魅せてくれます。



軽快なカッティングギターが心地よい「ANSWERS」
この曲はライブ映えするのかイントロだけで盛り上がります。


ヴァイといえばギターバラードの指定席が7曲目というのがお約束ですが、数あるセブンスソングの中でも最高傑作と名高いのがこの「FOR THE LOVE OF GOD」。

その名の通り神秘的なメロディー、ギターでよくこんな音が出せるものかと今でも謎です。


そしてヴァイの曲の中でも特に衝撃を受けたのが「THE AUDIENCE IS LISTENING」。

ヴァイならではのユーモアが存分に発揮された名曲

2005年のG3来日公演で1曲目がこの曲で気絶しそうになった記憶が蘇ります。

ちなみ饒舌な女性の声はヴァイの幼少期の頃の学校の先生というちょっとした遊び心が込められています。

お次はヴァイ作品の中で最もポップかつキャッチーな「I WOULD LOVE TO」。
めちゃくちゃ爽快感抜群です。

この THE MTV的なミュージック・クリップも最高です。


ここまでロックあり、メタルあり、バラードあり、ファンクありとジャンルをクロスオーバーして全く飽きのこない構成ですが、個人的にヴァイのバラードで1、2を争うくらい好きな曲がこの「SISTERS」。

とても綺麗なクリーントーンで寂しげでいて美しいメロディー。

このタイトルにはどのような思いが込められているのか気になるくらい美しい曲です。



そして、唯一難解な曲がラストの「LOVE SECRETS」。

プログレッシブを超えた世界観、25年経った今聴いてもよく理解できません(笑)


全14曲、このアルバムのすごいところが収録している曲に似たような曲がないところです。

ギターインストアルバムだと大抵ハードな曲とミドルテンポな曲とバラードで構成されますが、このアルバムはそれぞれの曲が個性的すぎてまさにアートです。

久しぶりにアルバム全体通して聴きましたがこの世界観には圧倒されます。

まだこのアルバムが未体験という方は今からでも遅くはありません。

自分と同じようにギターインストフリークになるかもしれませんのでご注意を🙂

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