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自分の音楽人生に強烈なインパクトを与えたこの作品 Vol.1 ケミカル・ブラザーズ「ディグ・ユア・オウン・ホール」

自分の音楽人生で物凄く影響力を与えた作品がいくつかある中で、UKロックフリークでピチピチのTシャツを着こなしていた10代後半にデジタルロックという衝撃を与えたのがこのケミカル・ブラザーズの2ndアルバム「ディグ・ユア・オウン・ホール」。

このアルバムがリリースされたのは1997年。

当時、深夜3時ぐらいに放送されていたBEAT UKという海外の音楽番組を毎週欠かさずチェックしていて、かなり長いこと1位を獲得していたこの曲で自分の音楽人生ががらりと変わりました。

ロックとテクノの程よいブレンド、ブラークーラ・シェイカーを聴いていたその頃の自分には心地よい刺激。
今聴いてもかっこいいとしか言いようがないベースラインと乱れ打つブレイクビーツ、この曲を越えるインパクトはなかなかありません。

アルバムと同タイトル「Dig Your Own Hole」もデジロックという呼び名にふさわしいロッキンなビートにテクノの要素を加えたアッパーなトラック。
この曲を生バンドでやったらめちゃくちゃカッコいいだろうなといつも夢想していました。

ケミカルブラザーズのアルバムはノンストップ仕様にアレンジされておりますがこの2曲目から3曲目の「Elektrobank」の繋ぎが神アレンジです。
この曲も1曲目から積み上げてきたテンションを昇華するようなアッパーなトラック。
ベースラインだけで完成してしまっているような印象ですが、ボイスサンプルのループ使いがロック、メタルしか聴いてこなかった自分には衝撃的でした。
ちなみにこの曲のミュージッククリップはあのスパイクジョーンズが手掛けていて、新体操のイメージとはかけ離れたこの曲をうまくマッチさせたことで当時すごく話題になりました。

このアルバムのハイライトとも言えるのがやはりこの曲でしょうか。
ケミカルブラザーズの歌ものゲストが突出してすごい説の初代ゲストがオアシスのノエル・ギャラガーが参加した「Setting Sun」。
アルバム最初の歌ものがこれ、太いビートにサイケデリックなシンセサイザーを執拗にループさせ気怠い兄貴のヴォーカル・・・どハマりしています。

ケミカル・ブラザーズの曲で一番の曲はと聞かれたら次の曲「It Doesn’t Matter」と答えています。
大きなのっぽの古時計のようなチクタクチクタクとしたリズムをまるで遮るような耳障りに響くハイハットのドンチードンチーの音。
この駆け引きが1分30秒が続き、どんな展開が待っているのかと思いきやドーンドーンと地鳴りを起こすようなキックの音と1小節ごとにループされるボイスサンプル。
この瞬間こそがこの曲のハイライトであり、上がりの瞬間です。
あとは余韻だけで十分、1分30秒にキックの音が入る瞬間が全てであり、私のマイベストです。

デジロックというよりかはテクノ、そしてアシッドハウスの要素も取り入れ、マンチェスターって感じな「Don’t Stop the Rock」とファンキーなブレイクビーツ、スクラッチも入ったりしてヒップホップファンが聴いたらオッと反応すること間違いなし「Get Up On Like This」

ビートのテンポは遅くともグルーヴィーなベースラインが癖になる「Lost In the K-Hole」
アルバムを1曲目から通して聴くとこのゆる〜いビートが際立ってます。
この曲でほどよくクールダウンさせたらお次は「天使の声を持つ唄姫」ベス・オートンによるフォーキーな「Where Do I Begin」が登場。
ベスのドリーミーな歌声に包まれていたら後半は壊れたリズムボックスのような不穏なビートが2分程度続き、そろそろ不安になってきた頃であのエキゾチックなシタールような音がリフレインする「The Private Psychedelic Reel」が始まり、ホッとします。
この曲は野外フェス映えするというか広大な敷地で星空の下で聴きたいと思える曲です。
マーキュリー・レヴが全面的に参加していることもあってデジロック・テクノの枠をはるかに超えた緻密な構成と壮大な世界観が感じとれる9分弱の超大曲。

いろいろご紹介してきましたが、気になる中身はこちらです。

このアルバムとの出会いが後々のテクノへの開花となり、自分の音楽人生の転換期を支えた一枚です。
もし、このアルバムとの出会いがなければDJを始めることはなかったと思います。
ただ、ギタリストになっていた可能性はあったかもしれませんが・・・
このあと、デジタルロック一辺倒になるかと思いきや、友人の家でケン・イシイのジェリートーンズを聴いて本格的にテクノを開花させることとなりました。
でもR&S時代のブンブンサテライツはよく聴いていました。
あの伝説的な野外フェス「メタモルフォーゼ」で初めてライブで観た「Dive For You」の感動は今でも色褪せていません。


少し話が逸れてしまいましたが自分の音楽人生に強烈なインパクトを与えたケミカル・ブラザーズ「ディグ・ユア・オウン・ホール」、ぜひこの機会にいかがでしょうか🙂

ケミカル・ブラザーズには隠れた名REMIXがたくさんあります↓

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