今日は早くお風呂に入れた。どんぐらい早く入れたかというと、四時間近く早い。
おそらく、寝る時間も五時間近く早くなると思う。やっとこの街に順応したのだろう。
この田舎町では、人の気配が消えるのがとても早い。
人狼ゲームだったら、八時頃には誰か死んでるであろう。そんぐらい、人気が無くなるのが早い。だから、私もそんな街に順応したのだろうと思う。
本当にそうなのか。違うと思う。
ではなんでだろう。今日食欲なくてご飯食ってないから?違う。最近睡眠時間六時間で、疲れが溜まってるから?違う。
全部違う。はっきり言おう。
私はその原因について、はっきりと理解していた。寝落ち通話がないからだ。寝落ち通話、一見すると馬鹿げてる理由だろう。でも、それは確かであることは私はしっかり理解している。寝落ち通話で私は世界を一周していた。
今日は寝落ち通話がない。そわそわする。なんて日だ。小峠になりそう。
好きな人が好きと言っていた君。そんな君に不機嫌になってた僕。塾の人を好きと言っていた君。そんな君に不機嫌になっていた僕。僕の友達を好きと言っていた君。そんな君に不機嫌な僕。そんな僕を横目に、嬉しがってた君。
何気ない時間をお互い消費し合っていた。
そうだ、時間がたくさんある。
あの子のために動画を二倍速にしてたけど、今一倍速に戻した。
あの子のために残してた自撮りも全部消した。
こうやって、あの子が私の生活から気配を消していく。
あの子は何をしているのだろう。大丈夫かな。そんな思いはいつまでも変わらない。あの子へに意識はある。しかし、それも仕事が始まったら終わるのだろう。悲しかった。本当に悲しかった。18にもなる男がなんて弱音を吐いてるのだろう。
絶対忘れない。
でも、仕事いつ決まるのだろう、いつの模試受けようかな、ご飯どうしよう。
そうやって、あの子への思いを募らせつつ、未来への憂慮をしていた私は、気づいたら寝落ちしていた。

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