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アクセサリー店

前住んでいた家の裏に、小さなアクセサリー店がありました。入口は、モンマルトルにあるゴッホのアパートの青い扉、を思わせます。鮮やかな青で塗られた、少しくたびれたかんじの木の扉が半開きになっていて、中で、吊るしランプが点々とオレンジの光を瞬かせています。

中に入れば、いつもスッとしているYさんという女性が、今日もやっぱりスッとしていて、あ、前来てから少し経ったし、顔、覚えてもらってないかな…と、「こんにちは。(私の名)です。裏の——。」とあいさつすると、「あー!」と、一気に表情を和らげて、パタパタパタと世間話を広げてくれます。外見と、おしゃべりにギャップのある素敵な人。

少し古びたインテリアが効いていて、そこは童話の世界。それはそれは世界各国から集められた、アンティークのネックレス、リング、イヤリング、ブレスレット、ランプや、布雑貨が、並べられていて、どれもこれも抱きしめたくなる魅力を放っています。ひとつひとつに辿ってきたストーリーがあって、Yさんが語れば、アクセサリーを扉に、さぁ小さな世界旅行のはじまりはじまり――。

少しずつここで私が買い集めたものは、赤い手袋(オランダから)、縦に連なるイヤリング(サンフランシスコから)、淡いグリーンのイヤリング(ローマから)。デザインが個性的で愛おしく、それでいて装いにしっかり馴染んでくれて、気に入っているものたちです。

今日もこの淡いグリーンのイヤリングをつければ、そこはイタリアローマの街。夜は友人に会いに行くのでめかして出かけましょう。

今日はここまで。sazaでした。

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