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9月4日(2016年) 覚醒! トシが3点に絡み神戸を返り討ち

 ホーム&アウェイ方式の第1戦がアウェイで、2-1。それなら第2戦ホームでの勝ち上がりは、ほぼもらったも同然。そういう気持ちになってしまうのが一番危険。油断は禁物だ。
 このときもそう考えていた。

 2016年9月4日(日)、浦和レッズは埼玉スタジアムにヴィッセル神戸を迎えて、YBCルヴァンカップ準々決勝第2戦を行い、4-0で勝利した。第1戦に続いて2勝。僕の懸念など吹き飛ばし、文句なしの準決勝進出を決めた。第1戦で先制点を挙げた高木俊幸が3点に絡む活躍をした。

 Jリーグカップの特徴というか、宿命でもあるのだが、日本代表の活動時期に試合が当たることが多く、代表に招集された選手=チームの主力が出場できない。このときも、9月1日、6日に開催されるワールドカップロシア大会アジア最終予選に、西川周作、興梠慎三、槙野智章が招集され、準々決勝2試合に出場できないことがわかった。その後、槙野はケガのため代表を離脱したが、それでもルヴァンカップに出られないことは同じだった。
 すると日本サッカー協会は、槙野が抜けた分として遠藤航を追加招集したのだ。大事なワールドカップ予選だし、実力から言えば遠藤は選ばれて何の不思議もない。しかし同じチームから実質的に4人を抜くってありなのか?「浦和枠」かよ!と思ったものだった。

 それでも準々決勝第1戦は勝った。意地の勝利だった。ところがその試合で梅崎司が左膝前十字じん帯損傷を負った。代表はケガ人が出たら、クラブ事情など斟酌せずに代わりの選手を引っこ抜くけど、クラブが「ケガ人が出たから興梠を返してくれ」とは言えない。
 そんなブーたれな気持ちになったが、我慢してこの日(9月4日)のMDPには「代表不在の公式戦を前にしたとき、ポジティブな側面として語られるのが『別の選手が出場機会を得る』ということだ」と書いた。代表抜きのメンバーでルヴァンカップ2試合を勝ち抜けば、選手層を充実させてリーグ戦に戻っていける。

 その象徴のような選手がトシこと高木俊幸だった。
 39分、カウンターから高木がゴール。相手GKと1対1になり落ち着いて決めた。第1戦に続く先制点だ。さらに前半終盤、高木がエリア内で倒されPKを獲得。阿部勇樹がしっかり決めてリードを広げた。
 2-0で折り返した後半は、3点が必要になった神戸の攻勢をしのぎ60分に高木がこの日2点目。勝負を決めるゴールだった。終盤には関根貴大が情け無用のダメ押し点を挙げ、第2戦は4-0の大勝。高木はこの試合で3点に絡み、第1戦の先制点と合わせて準決勝進出の立役者となった。

 高木はこの年、ここまでリーグ戦での出場機会は多くなかった。それが、このルヴァンカップ準々決勝2試合を機にリーグ戦の先発メンバーに名を連ね、2ゴールを挙げている。「代表抜き」のルヴァンカップが、チームの底上げに役立った絶好の例になった。

MDPから

 さて、みなさんは2016年9月4日、何をして何を感じていましたか?

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