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さいしんコラム#1178~一法師央佳の現役引退にあたって/ありがとう

 レッズレディースユースの最後の試合は、年明け、1月初旬に行われる全日本U-18女子サッカー選手権だ。
 以前は、高校の女子サッカー部も参加する大会で、常盤木学園や神村学園、藤枝順心高などが出場していたが、現在は同時期に高校女子サッカー選手権があるので、実際は「クラブユース選手権」となっている。
 
 関東予選で敗退したことはあるが、レッズレディースユースはほぼ毎年この全国大会に出場し、僕もほとんど取材に行っている。
 年は明けているが、いわゆる年度内であり、レッズファミリーが出場するそのシーズン最後の大会になる。初日はたいてい1月3日で、正月三が日のうちに始まるのだから参加する選手もスタッフも大会役員、係員も大変だが、そこから始めないと学校の冬休み中に終わらないのだろう。僕は、他にレッズの活動がほとんどないので、かつては行くのが義務だと受け止めて3日から取材していた。今は義務ではなく、責務、役目ぐらいになっているが、いろいろやりくりして行くようにしている。

 今月末での引退を発表した一法師央佳がレディースユース時代、最後の大会として臨んだのは、2019年度つまり2020年の年明けに行われた第23回大会で、レディースユースは準決勝でジェフ千葉レディースU-18に敗れ、3位決定戦でSolfioreFCを下して3位になった。
 だが、このときの試合の記録に当時のエース、一法師央佳の名前はない。
 大会には帯同していたのだが、ケガのためプレーできる状態ではなく、それでもチームに気持ちでパワーを送る姿を、少し痛々しく、少し感動して見ていた。

 まったく個人的な気持ちでは、もし一法師が出場できていれば、大会の結果は違っていたのではないかと思っている。見当違いの想像かもしれないし、だから何だということではないが、こうやってなでしこリーグやWEリーグの公式戦に出場せず、現役を終えてしまうということに直面して、あのとき一法師がユース最後の大会でプレーする姿を見たかったな、という思いに駆られている。

 もっとも、一番そうしたかったのは本人だろうし、トップチームで出場できなかったのも、本人が悪かったわけではない。
 2019年の末からだから、足かけ5年という長さになる。ずっとケガと向き合い、闘い、出場を目指してきたこと。たまに会ったときに話しかけると笑顔で答えてくれたこと(おそらく今年の「第2回キッズフェスタ」=トップ写真 で会ったのが、現役時代の彼女に会った最後になるだろう)。そして、苦しい中でも「さいしんコラム」で紹介したように、フォア・ザ・チームのスタンスを持ち続けたこと。

 ありがとう。お疲れ様。


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