壊されてもなあ

NHK受信料の選択制というか、見る人だけが受信料を支払い、払わない人のテレビにはスクランブルがかかって見られない、というのは一理あるような気がする。たしかに「受信可能な設備があるだけで受信料支払の義務が生じる」というのは、ちょっと行きすぎかな、と思ったこともある。

だから「NHKから国民を守る党」の言うこともわからないではないのだけど、あの党首はテレビに出るたんびに「NHKをぶっ壊す」と言っている。「NHKから国民を守る」のと「NHKをぶっ壊す」のとでは、ずいぶん開きがあるように思うのだけれど、「NHKをぶっ壊す党」では響きが過激すぎて投票行動につながらないと思ったのだろうか。

僕はNHKだけでなく、どのメディアも全面的に支持するわけではないが、逆にどのメディアの存在も否定しない。当然、NHKも見るし受信料も払っている。NHKでなければ制作できないだろうな、という番組は少なくない。それにしても全面的に肯定することはなく、一部「ん?」と思うところがあっても問題提起として受け止め、番組自体を否定はしない。逆に「よく放送した!」と拍手を送りたくなる部分だってある。また、揺れを感じるととりあえずNHKをつけて地震情報を見る。民放キー局とどれだけ差があるのかわからないけれど、最もネットワークが隅々まで行っているという気がするからだ。これに関しては間違っているかもしれない。何にしても僕はNHKから守ってもらわなくてもいい。

勝手に「守る」と言うなら止めはしないが、NHKをぶっ壊されるのは困る。NHKを見ている者の権利まで奪わないでくれ、と言いたい。

政党を否定するのは民主主義に反するかもしれないけど、「~をぶっ壊す」と主張するものは、その反作用として自分がぶっ壊されても文句は言えない、という暗黙のルールがあると思うのだ。人に殴りかかるときには、殴り返されるだけの覚悟があるはずだから。

というわけで、誰か「『N国党』から国民を守る会」でも作ってくれんかな。忙しいので活動に参加できるかどうかはわからないが、カンパくらいならすると思う。

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