9月3日(1997年) 天候の回復を心底祈った40分間のハーフタイム
「1997年」「駒場」「雷雨」と3つのキーワードを挙げたら、ほとんどの人は「?」だろう。少しの人が「ああ、雷雨で中止になった5月の横浜フリューゲルス戦でしょ」と答えるはずだ。なにしろ1997年の話だから、経験している人はもはや少数派だ。
そして同じ97年の話だが「うーん、9月の名古屋グランパスエイト戦かな」と言う人は超レアな存在だろう。今日はそういう話だ。
1997年9月3日(水)、浦和レッズは駒場スタジアムに名古屋グランパスエイトを迎えJリーグ2ndステージ第9節を行い、3-0で勝利した。前半を1-0で折り返し、後半開始の直前、駒場の照明が消えた。前半から強い雨が降っていたが、それが雷雨になり、どこかに落雷したものと思われた。
現在のレギュレーションでは、試合が雷雨などで中止になった場合、再試合は元の試合が中心になった時点のスコアで行われる。得点者や警告などはもちろん、メンバーに至るまでやむを得ない場合を除き、元の試合と同じでなくてはならない。
しかし1997年当時は、中止になった試合は「なかったもの」として扱われ、たとえ誰かがハットトリックをしようが、誰かが退場になろうが(その反則の程度により違いはあるが)、それは記録に残らず、ゼロから再試合が行われた。
冒頭に挙げた5月7日の横浜F戦がそうで、横浜Fに先制された前半、雷雨のため中断。そのまま中止となり、7月2日に再試合となった。負けている試合だったので、まあいいや、というか得したような気分にもなったが、その再試合でも1-3で負けたのだから、情けない。
約4か月前の経験で、再試合はすべてがチャラになると知っていた。
この9月3日の試合は、40分にチキことベギリスタインが先制。リードした試合だったから、中止になるのはごめんだった。ハーフタイムは結局40分ほどにもなり、後半が始まると決まったときにはホッとした。あんなに雷が静まることを祈ったのは初めてだったかもしれない。
66分にチキが2点目を入れたときのポーズは、どこか神々しく見えたものだ。そして79分に福田正博がダメ押し点を挙げ、終わってみれば3-0の快勝となった。
この後もレッズは、雷雨で試合が中断されることがあったが、いずれも中止にはならず再開され、しかも中断後に点を取って勝っているという記憶がある(たぶん2度)。
さて、みなさんは1997年9月3日、何をして何を感じていましたか?
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