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2月7日(2016年) 2シーズン半で3つの「タイトル」をもたらして行った男

 2016年2月7日(日)、浦和レッズは湘南ベルマーレから移籍した遠藤航の新加入記者会見を行った。

 湘南ベルマーレのキャプテンで、センターバック、リベロ、ボランチなど守備の要所をこなし、しかもまだ22歳という若い選手。当初は遠藤航に関する「事実」しか情報を持っていなかった。
 あと前年のJリーグ開幕戦で湘南と対戦したとき、レッズに対して先制点となるPKを決めた男、という印象も強かった。

 しかしレッズでのプレーを見るに連れ、その「事実」がどんどん肉付けされていった。各ポジションをこなすだけではなく、うまくこなす。対人が粘っこく、かつ強い。波がなく、いつも高いレベルを保っている。
 またたく間にワタルはレッズになくてはならない存在になった。

 加入した2016年は、YBCルヴァンカップ決勝で優勝を決める最後のPKを成功させた。リーグ戦ではチャンピオンシップで敗れ年間王者こそ鹿島に持って行かれたが、年間勝ち点1位という記録を遺した。
 そして2017年のACLでは持ち味の強さで相手の攻撃を抑えただけでなくアウェイ上海戦でゴールを決め、グループステージ1位突破に貢献。その後の優勝まで突っ走った。

 レッズでの在籍は2シーズン半。その間に、ルヴァン杯、ACLのタイトルを。そしてタイトルと同等のリーグ戦年間勝ち点1位という栄誉をチームにもたらした。
 いつか海外に飛び立つことは覚悟していた。2018年7月、アウェイのセレッソ大阪戦を最後に、埼スタで別れの挨拶をする間もなく行ってしまったが、僕はワタルに感謝の気持ちしかなかった。彼が在籍していたときの成績もそうだが、練習中の明るい雰囲気もまた、ワタルのキャラクターが醸し出してくれていたと思う。

 今では正直、青いユニフォームのワタルが最初のイメージとして出てくる。ワールドカップカタール大会での活躍も予想、というより確信していたとおりだった。頭を打ったときは本当に心配だったが。

 もう一度、この目でプレーを見たい。ヨーロッパで二段階、三段階磨きがかかった対人の強さを見たい。できれば埼スタで、そして願わくば赤いユニフォームで見たい、というのはぜいたくだろうか。 

【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。

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