10連休の真実

まったく盛っていない、100パーセント本当の話。

一昨日の4月26日、ある会社に取材に行ったときの帰り際。カレンダーに赤い印があるのに気づいた。5月1日と2日に赤い印を付けてある。その会社が経営するレストランが取材会場で、そのレストランは連休中でも休みはあまりない、と聞いていたので「これは何ですか?」と尋ねると「国民の祝日です」と言う。

え、1日が? そう言えば30日がもともと赤く印刷されている。「この日は?」「国民の祝日です」「は?」

詳しく聞くと30日が「天皇退位の日」、1日が「即位の日」だという。いや、それくらいは僕だって知っている。だから30日までが平成で、1日からが令和だ。だが、その日が祝日で休みになったという話は、そのときまで知らなかったのだ。だから「祝日と祝日に挟まれた日は休日とする」という法律により5月2日も休み(これは知っていた)。

今年のいつからか言われていた「ゴールデンウイークは10連休」というのは本当だったのか――。

夏休みなどは、会社全体が1週間ぐらい定まった休みになるところもあれば、4日前後の休みを自分の都合で取得するところもある。それと同様に、4月27日からの「3連休」と5月3日から6日までの「4連休」に挟まれた3日間の「平日」を会社が「全休」とするところや、その3日間を有給休暇などで休む個人が「10連休」になるのだろうと思っていたのだ。本当に国が10連休を定めていたとは知らなかった。いや、ホント。

というのも、ここ30年くらいゴールデンウイークと自分の休みがまったく関係なかったからだ。1985年(まだ昭和だ!)までは営業だったから休みはいわゆる「カレンダーどおり」であり、まだ新人かそれに毛が生えた程度のサラリーマンは毎年新しいカレンダーを見て祝日と日曜の並びがどうなるかをワクワクしながら確かめていたものだった。なにしろ「ハッピーマンデー法」はまだ制定されていなかったから、連休は貴重な機会だったのだ。

しかし86年に仕事で少年スポーツ団体と関わりを持つようになってから、日曜、祝日が仕事になった。そのうち学校が土曜休日となり(当初は月2回土曜休み)、わが埼玉新聞社も遅ればせながら週休2日制になっていったが、僕に関しては、土曜日に少年スポーツの試合日が開催されることで「休日出勤」が増え、しかも所属は依然として営業職場だったから平日に休むということがしづらく、代休がたまる一方だった。ゴールデンウイークは「大型連休」ではなく「代休大幅発生週間」だったのだ。そのうちMDPの編集が仕事になってからはシーズン中に休めるはずもなく、2002年ワールドカップのとき、埼スタでボランティアをやって、たしか50日くらいは消化したと思うが、その後はまたたまり始め、05年の2月に会社を辞めたときには有休がまるまる40日、代休も100日くらいあったと思う。今なら仕事の仕方が下手な奴という烙印を押されてしまうだろう。

ということで32年間、ゴールデンウイークと関係ない生活を送ってきた者としては、今回の「10連休」も自分には縁のないものとして考えていた僕が「10連休の真実」に気づいたのが26日の金曜で、夕方になってから「え、それじゃ銀行も10日間休みなのか!」と気がつき、キャッシュディスペンサーに急ごうとしたが、絶対に長蛇の列になっているに違いなく、NHKさいたまのスタジオ入りが近付いていたので、断念した。5日にはタイに行くというのに大丈夫なのだろうか。


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