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2月13日(2011年) 期待したサッカーとは違う。しかもJ2の鳥栖に負け

 2011年2月13日(日)、浦和レッズはベストアメニティスタジアム(現・駅前不動産スタジアム)で、J2のサガン鳥栖とプレシーズンマッチを行い、1-2で敗れた。
 この年、就任したゼリコ・ペトロヴィッチ監督率いる新生レッズを初めて見る機会とあって、プレシーズンながら多くのレッズサポーターが駆け付けた。

 7分という早い時間に失点。CKから豊田陽平にヘディングシュートを決められたが、17分、田中達也がPKを獲得しエジミウソンが決めて同点。しかし67分に決勝点を奪われた。
 敗れはしたが、内容的にはチャンスも作っており、惜しい場面もあった。

この年、キャプテンを務めた啓太。後に大変な苦労する

 ただサポーターの中には、内容の良い悪いの前に混乱した人もいたようだ。
 クラブは2009年から「レッズスタイルの構築」を掲げていたが、それがどういうものかは明文化されていなかった。前年の末に、示された文章では、2シーズン続けたフォルカー・フィンケ監督によるパスサッカーは定着したが、得点が少なかったので、次の段階に入るために、2011年は新体制(ゼリコ監督)で臨む、という説明だったので、パスサッカーを継続しながら得点力を上げるのだと理解していた。
 僕もそうだった。フィンケ時代、ボールの保持率は高くなったが、相手を押し込んでからゴール前でもパスを回すことが多く「シュート打て!」「誰が決めるんだ!」という声が飛ぶこともあった。あのサッカーに得点力が加われば、と期待した。

 ゼリコがチームに植え付けようとしたのは、サイドチェンジによって相手と1対1の場面を作り、そこからクロスを上げてチャンスを生み出す攻撃だった。その形は何度か見られたが、2シーズンで見慣れた、コンビネーションによってチャンスを作るサッカーはあまり展開されなかった。

「パスサッカーを継続するんじゃなかったのか」
 そう感じたサポーターは少なくなかっただろう。

 クラブは「フィンケ監督のサッカーを継続する」とはひと言も言っていなかった。後でそのことを質問すると「カウンターサッカーではなく、主導権を握って戦うということは継続している」という答えが返ってきた。
 なるほど。だがサポーターのほとんどが、2009年に初めて展開されたパスサッカーで主導権を握るサッカーは魅力的に感じていた。不満だったのは、シュートの意識が強く見られないこと。そしてフィンケ監督の唯我独尊的な物言いだった。

1対1に強い原口にはゼリコのサッカーがハマったと言える

 期待したサッカーとは違う内容だったが、勝てればそれでも良かったかもしれない。だがJ2の鳥栖に負けたことで、不安を感じた人は少なくなかっただろう。

【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。

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