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清尾淳のレッズ話#283 レッズランドは何をもたらした /20年目の理念追求

 ヨーロッパに多いらしい(本当に見たことがないので伝聞形)地域総合型スポーツクラブの成り立ちを想像するに、場所や施設があって会員が生まれていったわけではなく、スポーツを楽しむ人たちがいてスポーツクラブになり、総合的な施設ができていったのではないだろうか。つまり需要が高まって形ができたわけで、それを形から始めて需要を喚起していくというのは、簡単ではないのかもしれない。しかし、浦和レッズが最初にそれを目指した形を作ったというのは誇れることだと思う。

 2005年7月17日(日)に行われたレッズランドのオープニングイベントの名前は「The Opening」。
 ゴルフの全英オープンの名称が「THE OPEN」だったり、イングランドサッカー協会が「FA=FOOTBALL ASSOCIATION」なのは、歴史や伝統を強調するイギリス人のプライドを感じるが、このレッズランドのオープニングイベントの名称を「The Opening」とシンプルにしたのも、日本で初めてのことをレッズがスタートさせるんだという、当時の担当者のプライドの表れかもしれない。
 ちなみに、MDPという名称も「浦和レッズ・オフィシャル・マッチデー・プログラム」だけの略称であって、他のクラブのものは「MDP」とは言わない。
 そう思っているのは僕だけだが。

 オープニングイベントに招かれた元アスリートは、サッカーの福田正博さんのほか、元西武ライオンズの投手・松沼博久さん、元ヤクルトスワローズの池山隆寛さん、元競輪選手で世界選手権で10連覇も達成したの中野浩一さん、テニスの溝口美貴さん、元神戸製鋼ラグビー部の藪木宏之さん、ウォーキングインストラクターの奥野清歩さんら、そうそうたる顔ぶれだった。

 オープンから20年。
 そう言えば、あの「THE OPENING」は「プレオープン」であって、出来ることからやっていき、小さく生んで大きく育てるんだ、という話だった。その後「グランドオープン」があったという話は聞かないので、まだレッズランドは完成形ではないということか。
 施設としてのレッズランドは充実してい。次は理念としてのレッズランドを広めていこうとしている今のスタッフたちにエールを送り、できる協力をしていきたいと思っている。


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