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2月21日(2020年) 波に乗れたはずの4年ぶりJ開幕戦勝利

 2020年2月21日(金)、浦和レッズはShonanBMWスタジアム平塚で湘南ベルマーレとJリーグ開幕戦を戦い、3-2で勝利した。

 すでに5日前、ホームの埼玉スタジアムでベガルタ仙台にYBCルヴァンカップの初戦を5-2で勝利してシーズンの幕を開けていた。
 この湘南戦はJリーグの開幕というだけではない、勝ちたい背景があった。
 前年、金曜日に行われた試合、いわゆる「金J」でレッズは7戦7敗。すべて負けていたのだ。週末の前とは言え、平日に仕事を終えて駆け付けてくれたサポーターに悔しい思いしか味わわせていない。今シーズン初戦でこれを払拭しなければならなかった。
 もう一つ。2018年にJ1復帰を果たした湘南とはこの2年間で1分け3敗。直近4回のリーグ戦で1勝もできていない相手は湘南だけだった。この屈辱的な記録にも終止符を打ちたかった。

 湘南は、立ち上がりからいつもどおりの勢いがあった。レッズも負けてはいなかったが、先制したのは湘南。レッズにも所属していた石原直樹にヘディングシュートを決められた。
 しかしレッズの2トップが本領を発揮する。39分に興梠慎三がゴール。汰木康也からの左クロスをシュートし、いったんはDFに阻まれたがすかさず押し込んで同点とした。さらに42分、山中の左クロスに新加入のレオナルドが無理な体勢でヘディングシュート。逆転に成功した。

 2-1でレッズが優勢に進んでいた後半だったが、途中からまた湘南の風が吹き荒れる。65分に前半とほぼ同じ形で失点。遠めから上げられたクロスを頭で決められた。決めたのは元レッズの山田直輝。石原ほど身長が高くない選手に、ヘディングで競り負けたのが情けなかった。

 さらに70分。センターバックに入った鈴木大輔が湘南の攻撃をうまくゴールラインに追い込み、ゴールキックにしたと思えたが、ボールがラインを割る寸前に鈴木の手が触れていたというVAR(ビデオアシスタントレフェリー)からの指摘があり、検証のため数分間中断。オンフィールドレビューで鈴木のプレーは大型ビジョンでスタジアムにいる全員の目にさらされた。VARはこのシーズンからJリーグでも導入されたが(のちに延期)、これがJリーグでの適用第1号となった。「もう、いい。わかったから」と言いたくなるほど何度もリプレーを見せられた後、あらためてPKの判定。この時間に勝ち越されるのはきつい…。

何分やってましたかね、これ

 しかし湘南のタリクがシュートを外し、レッズは命拾いした。そして85分、途中出場のマルティノスのパスを受けた関根がエリア内に進入して左足を振り抜いた。ボールは何人もの間を抜け、ネットへ。3-2とレッズが勝ち越し、そのまま湘南の反撃をかわして勝ちを収めた。

 Jリーグ開幕戦は4年ぶりの勝利。しかも“鬼門”の湘南にアウェイで逆転勝ち。公式戦2連勝でシーズンをスタート。
「向こうの得点者も元レッズだからきょうは5得点」。そんな冗談も飛び出す楽しい帰路だった。波に乗れるはずだった。が…。
 新型コロナウィルス感染症の拡大防止策として、試合中止と日程の無期延期が伝えられたのは、この3日後だった。

 さて、みなさんは2020年2月21日、何をして何を感じていましたか?

【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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