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1月2日(2006年) 5か月の疾風に別れ@大原

 2006年1月2日(月・休)午前7時、大原サッカー場にファン・サポーター約500人が集まり、トミスラフ・マリッチの見送りをした。

 マリッチは前年8月に加入した元クロアチア代表FWで、その年Jリーグ13試合に出場し8得点。それだけでも驚異的な数字だが、天皇杯ではそれを上回る大活躍をした。初戦の4回戦から決勝までの全5試合で6得点。そのうち4点が決勝ゴールという勝負強さだった。
 しかし初出場から3試合でPKによる1得点しか挙げられず、その後ケガによる欠場もあったため、クラブは早々にシーズン限りでの契約満了を決定した。

 元日に行われた清水エスパルスとの天皇杯決勝では、1-0で迎えた73分に追加点を挙げた。その3分後に1点を返されたがレッズはリードを守り優勝を決めた。レッズとしてシーズン最後のゴール、マリッチ自身レッズでの最後のゴール、そして天皇杯初優勝を決めるゴールを挙げたマリッチへのサポーターからの称賛は最高潮に達した。

 クラブは急きょ「マリッチは明日、日本を離れるが、その前に大原サッカー場に立ち寄る。そこでファン・サポーターとのお別れの時間を取るから」と告知した。それがなければ、国立での「カーテンコール」はいつまで続いていたかわからない。

天皇杯決勝後

 2日、大原には早朝から人が詰めかけた。
 マリッチは集まった500人のファン・サポーターに向けてトラメガで挨拶。その後、全員と一緒に写真を撮り、成田発10時30分のルフトハンザで発った。
 たった5か月間の在籍で、強烈な印象と素晴らしい結果を残していった、疾風のようなマリッチだった。 

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