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9月1日(2018年) たのもしく、たのしい選手がいなくなったダメージ

 荒天によってキックオフが遅れたり、試合が中断したりすることは、ごくたまにだが、ある。それが試合にどう影響するかはわからない。

 しかし非常に大きなダメージがあったこの試合、キックオフの遅れがそのアクシデントにつながったのではないか、と僕は思った。全く的外れな考えであり、当時もそんなことはどこにも書いていない。しかし、人はネガティブなことが起きたとき、その原因を何かに求めてしまう。それくらい残念でならない出来事だった。

 2018年9月1日(土)、浦和レッズは埼玉スタジアムにセレッソ大阪を迎えてJ1リーグ第25節を行い、1-2で敗れた。豪雨のため19時の予定だったキックオフが30分遅れた試合だった。負傷退場したファブリシオに代わって出場した李忠成が、12分に先制ゴールを挙げたが、その後逆転された試合だった。

李のゴールが決まっても、ファブリシオを心配する気持ちは消えなかった

 負けたことはそもそも残念だし、ホームゲームだったこと、逆転負けだったことは、それに輪をかけて悔しい。しかしそれとは次元の違う悲しいことはファブリシオの負傷だった。
 前半5分、右から武藤雄樹が放ったロングクロスをファーサイドで折り返そうとして走り、勢い余ってピッチ外に飛び出して、着地した際に左膝を負傷。一度はピッチに戻ったが、プレーできず8分に交代となった。リプレー映像を見ても、着地の瞬間、左膝が不自然な形で曲がっており、軽傷ではないことが想像できた。後日発表された診断結果は「左膝前十字靭帯損傷、内側半月板損傷」で全治7か月。残りのシーズンはもちろん、来季の開幕にも間に合わない重傷だった。

 この年、ポルティモネンセからやってきたファブリシオは、7月にレッズデビューするとリーグ戦8試合で6ゴール、天皇杯でも決勝点を挙げる大活躍を見せた。
 かつて鹿島アントラーズでプレーしていたことは知っていたが、あれほどサービス精神旺盛で、かつゴールへの執着心が強い選手だとは思わなかった。練習を見ていても、非常にシュートがうまく、どんな難しいボールでも体のどこかを使ってゴールに押し込もうとし、その多くを成功させていた。試合でのゴール量産ぶりがうなずけた。これまでの助っ人の中でも、たのもしさとたのしさを併せ持った選手の筆頭だった。

 大原からも、試合からも彼の姿が見えなくなったことは非常に残念で、悲しく、悔しく、そして大きなダメージだった。

 さて、みなさんは2018年9月1日、何をして何を感じていましたか?

【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。

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