6月18日(2016年) ACL勝ち上がりに2ステージ制が重なった過密日程

大阪~広島の旅だな

 2016年の日程を見たとき、高校生の頃見た「ひかりは西へ」という言葉が思い出された。山陽新幹線開業を告げる宣伝文句だ。
 ACLの日程と重なるため、Jリーグ第10節のガンバ大阪戦が先送りされ、第15節・鹿島アントラーズ戦と第16節・サンフレッチェ広島戦の間に入っていたのだ。6月11日(土)ホーム鹿島戦、15日(水)アウェイG大阪戦、18日(土)アウェイ広島戦という日程だった。
 アウェイ大阪から中2日でアウェイ広島。こういう日程のとき、レッズは大阪から浦和に戻らず、そのまま広島に行く。つまり新幹線で新大阪まで行き、そこでひと仕事済ませてまた新幹線で広島まで進むというのが、あの秀逸なキャッチコピーを思い出させたのだ。
 チームが浦和に戻らないのは選手の疲労を少なくすることが第一義的な理由だが、僕は経費的な理由から迷わずそうした。二泊余計になっても、その方がだいぶ安く上がるからだ。サポーターも仕事さえ休めればそうするだろう。実際、いたし。

開幕前に発表された日程。16節と17節の間があいているのは予感か

 2016年6月18日(土)、浦和レッズはエディオンスタジアム広島に乗り込んで、サンフレッチェ広島とJ1リーグ1stステージ第16節を行い、2-4で敗れた。ACLでラウンド16に進んだことで、ステージ終盤は5連戦となっていた、その3試合目だった。

健闘するも疲労で最後は力尽く

 チームは奮闘したと思う。
 逆転でステージ優勝の望みがある中、前節はG大阪に0-1で敗れ、後がなくなった。この広島戦も6分という早い時間に失点するが26分、関根貴大が同点ゴールを決める。実はこれがリーグ戦では5試合ぶりの得点だった。勢いづいたレッズは40分に宇賀神友弥が勝ち越しのゴールを挙げ、2-1で折り返した、ところが後半は、追加点が取れずにいると64分にCKから同点とされる。これで連戦の疲労が動きに出るようになり、レッズはメンバーを交代して奮闘したが逆に2点を失い、アウェイ連敗。その前の鹿島戦から3連敗となり、ステージ優勝の可能性はなくなった。

2ステージ制が生んだ5連戦

 鹿島戦の前まではリーグ3位で、試合消化数が首位の川崎フロンターレ、2位の鹿島より2試合少なかったので、優位に立っていると思われた。
 この未消化2試合のうち1試合が先ほど述べた第10節・G大阪戦、もう1試合は第13節・FC東京戦(ホーム)で、これがACLでラウンド16進出に伴い先送りされたもの。これが第16節・広島戦と、第17節(最終節)・ヴィッセル神戸戦の間の水曜日に入ってきて、鹿島戦から5連戦となったのだ。

最終的な日程。6月25日の後に13節を持ってくるわけにはいかなかった

 何も3連戦の4日後に入れて5連戦にしなくても、神戸戦と次のアビスパ福岡戦が1週間あいているから、そこに入れればいい。そうすれば3連戦のあと1週あき、また3連戦のあと1週あき、という日程になり、多少なりとも過密さがなくなるのに、と思った。
 しかし神戸戦は1stステージの最終節。ここで全日程を終わらせないとステージ順位が決まらないから、無理にでもその前に消化させる。こうしてこのステージ終盤の5連戦は生まれた、と僕は思っている。チームの現場としては、どっちの方が良いのか迷うところかもしれないが。

 アウェイ広島戦の3日前にアウェイG大阪戦があるのは、当初から決まっていたこと。中2日の連戦ならば大阪~広島の方がまだ楽、というJリーグの配慮だったかもしれない。そのあと、第13節のF東京戦が先送りになったのはレッズがACLでラウンド16に進んだからで、2試合増えたのだから日程がきつくなるのは、仕方がない。ただ、その代替日が選択の余地なく第17節の前に入ってくるのは、2ステージ制なるが故だ。
 これも当初から決まっていたことだし、日程を決める際に「レッズさん、ACLで勝ち上がると、ここ(ステージ終盤)きつくなりますね」と事務局が気遣ったとしても、どうにもならないことだったのだと思う。

AとJ、ダブル制覇の難しさ

 ACLに出場することは名誉だが、勝てば日程がきつくなるのは仕方がない。そこでさらに国内大会とも並行して勝っていく力がないと、虻蜂取らずになってしまう。さらに、この年は2ステージ制が条件を厳しくした、と言える。
 ミシャ監督時代の中で、2016年は総合的に見て一番成績の良かったシーズンだが、それでもこの3試合は乗り切れなかった、ということか。

 それにしても第15節の鹿島戦にせめて引き分けていれば、1stステージ優勝は川崎になっていたので、チャンピオンシップに鹿島の出場はなく、川崎との勝負になっていた。そうなていれば少なくとも、年間勝ち点で15も下の相手にJリーグ優勝をかっさらわれることはなかったはずなのに。 さて、みなさんは2016年6月18日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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