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清尾淳のレッズ話#242/焼き入れと焼きなまし

 小学校か中学校で習った知識。
 鉄を鍛えるのに「焼き入れ」と「焼きなまし」というのがあって、鉄を熱く焼いてから水にジュっと入れ急激に冷やすのが「焼き入れ」、焼いてからそのまま自然に温度が下げるのが焼きなまし。
 前者は固い鉄に仕上がり、後者は軟らかい鉄に仕上がる。その後の用途によって使い分ける。
 何も実践していない、言葉だけの知識だからディテールは違っているかもしれない。

○○○△○○○○●●■●●●●◆
 2002年8月31日以降の成績を記号で並べると(■はナビ決勝、◆は天皇杯)、この半端な知識を思い出す。「焼き入れ」か「焼きなまし」かはわからないが、レッズが鉄だとすれば、この時期ずいぶん鍛えられたのではなかろうか。
 特に前半の「○○○△○○○○」の中には史上初のナビスコ杯ベスト4を超えて決勝進出が含まれているのだし、後半の「●●■●●●●◆」にはナビスコ決勝初挑戦で敗退と初の天皇杯初戦敗退が含まれているのだから、その温度差はかなりのものだろう。
 その結果が出るのは翌年以降であり、この年の僕たちには知る由もなかったが。

 歴史的に見れば何の意味もないシーズンなどなく、後から分析すると後世にしっかりつながっているものだ。
 ただし、歴史が続いていくならば、だ。

 この2002年でレッズを退団した福田正博に対しては、チームタイトルで花道を飾ってあげることができなかった、という無念さが残る。


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