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清尾淳のレッズ話#288 アジアへの扉開く、天皇杯初優勝/元日優勝の味は格別

 当時、天皇杯の日程はだいたい、12月23日前後に準々決勝、29日に準決勝、そして元日に決勝、というものだった。元日決戦はサッカー界のというより、日本の正月の風物詩にもなっていたし、選手にとっては元日に2チームだけ試合をする、サポーターにとっても元日からチームの応援に行くのは自分たちだけ、ということで、その特別感、優越感を味わえるのは「正月返上」の価値があったと思う。

 ただし、12月最後の1週間というのは、1年で一番忙しい時期かもしれない。クリスマスに始まって、年賀状の準備、大掃除、忘年会のほか、正月を迎える準備が目白押しになる。その時期に、23日と29日にほぼ丸一日、会場によっては1日半とかがつぶれるわけで、夏休みの宿題をお盆ぐらいまで済ませてしまうような人は、大丈夫だろうが、僕のような怠け者がこんな仕事をしていると、天皇杯でベスト8に進んだあたりから、他のことが手に付かなくなる。それで決勝に行けばいいが準決勝で負けたら、とたんに1年があと2日しか残っていないという事態に直面する。みなさんは違っただろうか。

 元日優勝の味は格別だった。
 だが飲み屋がほとんど開いていない。この日、どこで飲んだのだろうか。


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