ただ、ひたすら、つわりについて語る。

ただ今、絶賛つわり中。

あんなに辛いつわりも、忘れるという特技を持つ人間様にかかれば、すっかり記憶の彼方に飛んでいってしまうので、自分の備忘録的に記録を残そうと思う。

つわりと言う奴らは、自由である

つわり。奴らは、気づかないうちに忍び寄り、突然、「よっ!」っと玄関を開ける。え?まだ心の準備が出来てないのに!と思う間もなく土足で勝手に上がり込み、人の家なのに、さも自分の家の様に居座る。

奴らは自由だ。勝手に来て勝手に騒いで、いつ帰るかもかも彼らの自由だし、帰ったと思ってたら、不意打ちの様に、また上がり込んでる事もある。(その時のショックたるや)

奴らは人によって様々な症状を起こさせる。吐きづわりに、食べづわり、眠りづわりに、涎づわりなんてのもある。

私の場合

私の場合は、1人目が吐きづわり、2人目も吐きづわり、3人目は食べづわりと吐きづわりのダブルパンチ(笑)

吐きっわりの1人目と2人目は、毎週1キロのペースで痩せていき、だいたい1ヶ月半で6キロ落ちた。3人目は食べづわりもあるので、全く体重に変化ない。

さて、つわりだが、あくまで私の場合だが、概ねこんな感じ。まず、朝起きる。うえっ吐きそう。起きた瞬間吐きそう、なにこれ?昨日、そんなに夕飯食べてないのに、お腹の中になにが消化不良のものが残っていて、それを全身で出そうと身体が反射的に頑張ってるのを理性が止めてる感じ。なんかもたれてる。吐きたい。でも、多分、何にも出てこない。

不思議なことに、吐きたいと思うし、うえってなるんだけど、私の場合、何にも出てこない。吐いたことがない。単に吐き気が永遠と続くだけ。あー、吐きたい。楽になりたい。よく、二日酔いに例えられるが、まあ、たしかに似てるのかなあ?どちらかというと胸焼けの方が近いかなあ。あー、一番しっくりくるのは車酔い、船酔い。あれが寝ても覚めても続いてる感じ。とにかく、ずっと胸と胃が違和感。

そして、残念な事に、まあ、波がない。人によって良い時と悪い時があるというが、私は比較的一定タイプの様で、単にずっと気持ち悪い。横になっても縦になっても斜めになっても気持ち悪さが変わらない。身の置き場がなくて、気持ちがフワフワしてて、このまま永遠に終わらないのではという恐怖を感じる事も少なくない。つわりがあるとネガティブになる。まあ、ずっと気持ち悪けりゃ、ネガティブにもなりますな。

強いて言うなら、何かに集中している時は一瞬忘れられので、テレビ見てたり、仕事してたり、の間は一瞬楽な事もある。が、思い出した瞬間、うえーってこみ上げてくる。

そして、ご飯。吐きづわりの時は全く食欲が沸かない。これ、食べるの大好き私にとって一番辛い。食べたいと思ってご飯を作る。あれもーこれもーと気持ち悪いながらも作る。もちろん食べる気満々で。で、いざ、味見の段階になると、味見がしたくない。口に食べ物を持っていけない。その一口を身体が拒否する。口まで持っていくのだ。後数センチ箸を進めれば口なのに、なんの重力がかかっているのか、口まで行かない。見えない小人が私の手を引っ張ってるのかってくらい、口へ進まない。気持ちと身体がちぐはぐというのを初めて体感したのは、この時だと思う。

でも、なんとか無理やり味見して、無理な時は味見も華麗にスルーして、味も分からない料理をお皿に盛り付けるも、盛り付けた皿をそのまま見つめて、見つめて、見つめて、、、やっぱ無理ーーーとなる。そして、落ち込む。食べたいのに食べれない。目の前にあるのに手が出ない。結局、いつも通り作った量は全く食べきれず、そのまま冷蔵庫へ。

お腹の赤ちゃんに影響はないらしいが、そういう問題じゃない。人として、食事がなくなるというのは、何か尊厳を奪われた気がするのだ。

つわりで辛いこと

私が辛いと思うことは3つある。

1つは期間が長いこと。だいたい妊娠5〜6週から始まり、8〜9週にピークを迎え、12〜15週に消えていくのが奴らである。だいたい1ヶ月半〜2ヶ月。これって結構長い。思ってるより長い。この気持ち悪さも一日や2日と思えば結構余裕で耐えられる。キツくても終わりが見えれば、まあ、そこまで頑張るかと。でも、さあ、2ヶ月続きます、と言われたら、モチベーションが続かない。この気持ちを何処へ持って行って良いのか、振り上げた拳を振り下ろす場所がなくてオロオロしている気分の人になる。しかも2ヶ月で終われば良い。一般的にその目安ということで、私は2人目は妊娠2ヶ月〜8ヶ月まで続いた。約半年。マジで拷問だった。妊婦なのに妊娠8ヶ月まで元の体重より落ちた状態で、お腹はどんどん出ていくのに体重は増えないという謎の現象が起きた。

辛いことの2つ目は人に当たってしまうこと。そんな辛い状態が続くもんだから、周りにも当たってしまう。一番の被害者は家族。夫、子ども。そもそもつわりで気持ち悪くて、横になってる事が多いに、キツくて当たるって、何様!?と自分で思う。毎日思う。思うんだけど、あまりのキツさに、もおー!!と感情がコントロール出来なくなり、いつも以上に怒ってしまう。いつもは見逃す脱ぎ散らかした子供の洋服も、忙しい最中夫が干してくれた不格好な洗濯物も、小言を言わずにいられなくなる。そして、キツイキツイ言いながら突然小言を言い出すおばさんの出来上がりである。最悪。自己嫌悪。やめたい。毎日思う。が、気づいたら怒ってたりする。そして、つわりが終わるとつきものが落ちた様に、小言おばさんがただのおばさんになる。なんなんだ?

辛いことの3つ目。人と辛さを共有できない。女性は感情を煩いくらいに漏らして、共有して、ストレス発散するものだが、この共有が出来ない。妊婦でない人につわりの辛さを語っても、まあ、煩いだけである。しかも語るにしても何回も毎日なんて迷惑だから、せいぜいカッコつけて聞かれたときにちょっと気持ち悪いですと申し訳なさそうに言うくらいだ。同じ女性だから、経験者と共有出来るじゃんと思われがちだが、そこが一番の曲者で、意外と経験者ほど共有できない。何せつわりの特徴として、人それぞれというのがある。私はこうだった、私の時はこうだった、と言われても、私より酷い人からは、そこまで酷くないから大丈夫よと言われてる様に思うし、私より軽い人からは、私はそこまで酷くなかったから分からないと言われている様に思う。いや、その通りなのだ。自分自身ですら3人つわり経験して、毎回つわりの酷さも期間も出方も違うのだから。だから、相手がいくら親身になってくれるとはいえ、それにすっごい感謝するとは言え、あー、真に共有は出来ないよなあと思ってしまうのだ。だから孤独だ。何となく孤独な、ひとりの戦いと思ってしまう。

それでも忘れてしまう

そんな思いをしたのに、辛かった記憶があるのに、その時はもう二度と無理と思うのに、またつわりを経験している私がいる。この忘れる力は偉大だ。出産の痛みですら、正直思い出せない。今のこの気持ち悪さも、来年にはすっかり忘れているんだろう。人間凄い。

ということで、備忘録的に残したが、個人的な教訓としては、とにかくつわりは辛いということ。重くでも軽くても辛いという事に変わりはないから、周りに妊娠さんがいたら、つわりの辛さ自体は分かってあげられないけど、つわりが辛いという事だけはわかるよと、微力ながら共感出来たら良いなと思う。



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