どっちの結論を出しても、人生後悔はするけど、、、。

なるほどなあ。

鴻上尚史の人生相談。簡単に概要を書くと、もうすぐ30歳になる女性が、役者の道を諦めて他の道に進むかどうか悩んでいるという相談。

今まで、沢山レッスンや芝居のお勉強へ投資をしてきました。時間も使ってきました。自分がこれまで受けた膨大なレッスンから受け取ったものや自分の才能を信じて今までやってきました。でも30歳で大した実績もなく、特別美人でもない私はもう、堅気としてもスタートが遅すぎるでしょう。「今やめると今までの努力や才能がもったいない」と言う人もいれば、「夢見てる時間がもったいないからちゃんと仕事した方がいい」と言ってくれる人、どちらもいます。鴻上さん、あなたなら私にどんな言葉をかけてくださるのか知りたいです。宜しくお願い致します。

それに対する回答。

あいさんの悩みは、あいさんだけの悩みじゃなくて、日本だと何万人もいる俳優そのものの悩みです。世界だと一千万人以上の俳優の悩みです。もっと言えば、クリエイティブな自由業の人、全員の悩みでもあります。作家志望、ミュージシャン志望、ダンサー志望、マンガ家志望、声優志望、まだまだいるでしょう。

とした上で、

才能という言葉を「向いているか向いてないか」とか「能力や可能性」「真価」なんて考えるのではなく、単純に「夢を見続ける力」だと僕は定義したのです。

そして、

「夢を見続ける力」というのは、つまり、誰に命令されてるわけでもないのに、自分のやりたいことを勝手に情熱をもってやり続けられる力です。そこには、「こんなことをしていていいんだろうか?」という疑問はありません。だって、やりたくてしょうがないんですから。逆にいえば、「こんなことをしていていいんだろうか?」という疑問を持った時が、「才能」がなくなった瞬間です。

と言っていて、

僕があいさんに直接、アドバイスを求められたら、「迷っているということは、夢を見続ける力がなくなったということですね。だったら、もうやめた方がいいかもしれませんね」と言うと思います。俳優をやめた人達をたくさん見てきました。一時的に、誰かに背中を押されて続けることになっても、「夢を見続ける力」がなくなった人は、必ず、途中でリタイアしました。背中を押されながら、歩き続けることは不可能なのです。

と回答されています。

「俳優は三度揺れる」という言葉があります。まあ、僕が作ったんですが。俳優を続けるかどうか、「大学卒業の時」「30歳になる時」「結婚する時」の三度、揺れるのです。30歳の区切りで、あいさんは揺れているのです。どうですか、あいさん。僕はこんな風に考えます。結論を出すのは、あいさんです。どっちの結論を出しても、後悔します。人生にパーフェクトな正解なんてものはありません。僕がよく言うように、「人生は0か100か」ではなく、67点とか49点とか81点とかの結論を引き受けて、「それが人生さ!」と青空を見上げて生きていくものです。手がかりは、自分には「夢を見続ける力」があるかどうか。

たまに思う。普通で良かったと。才能ある人は素直に羨ましいけど、でも、その分その才能を埋もれさせないようにしなければ、というような使命感が付きまとうように思う。

私の周りのクリエイティブと言われることを続けている人は、この回答のように二つに分かれていて、どんなにやめろと周りに言われようと続けている人と、迷いながら続けている人。

どっちが正解とかではない。

どっちを選択しても後悔する。

自分の中で折り合いをつけて、それが人生と受け止める。それが必要。

でもそれってよく考えるとクリエイティブにとどまらず、普通の人もそうだ。後悔も含めて受け入れられたら、きっと捨てたもんじゃないなと青空を見られるきがする。

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