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20年以上前にSADSに救われた話

2024年6月29,30日。ZEPP HANEDAで、清春さん率いるSADSの、坂下たけともさん、小林勝さん、サポートドラムの照井さんでのライブがありました。

21年ぶりの再結成に、2days翌日の本日はアザと筋肉痛でひどいのですが、あまりに気持ちが溢れているので書き残したいです。

昔ライブに行ってた学生の頃は、ライブレポをノートにいっぱい書き残していました。ソロになってからは、mixiにいっぱい書き残して、ライブ仲間と一緒に見返したりして楽しんでいました。
今回は、WOWWOWで放送があるみたいなのもあり、ライブレポは割愛。想いの方を書き残します。

(ライブレポ記事は、いつも通り素敵な記事が出ていますのでぜひプロの記事をご覧ください↓)


私はBABYLONで入ったので、2000年、中学生だった時です。初めて行ったのは多分、武道館のSTAR STRIP(2001年12月12日)だったかな、、その後Beautiful daysツアーで2,3回行って、、みたいな流れだったかと思います。そこから大学生になり数倍ライブに行くようになり、2009年頃までずっとのめり込んでいました。社会人になってからしばらくブランクがあり、2017年頃からまた年1くらいではライブに行くようになり、今に至ります。

中学生の頃の衝撃は、本当に本当にすごいものでした。世の中にこんなにかっこいい人がいて、かっこいい世界があるなんて。全部に魅了されてずっと聴いていました、本当に大好きだった。ウォークマンをいつも持って、ラジオを聴いて、ポスターを貼って、わからない英語の歌詞の意味を調べて、雑誌を立ち読みして。世代的には少しずれていたので周りにファンなど居らず、ファンサイトを読み漁ったり。

その時の気持ちが、この復活ライブでブワーーっと思い出されたのですね。本当に不思議な感覚で、昔の自分と昔の記憶に逢いに行ったみたいな感覚になったのです。今ならあの時の心情が説明ができるかもしれないと思いました。あの時のSADSには、好きだったと言うより「救われた」の方が近い言葉だなと思っています。

きっと、ただ激しいロックが好きという軸ではないタイプでSADS好きな人は、とても繊細なのだと思います。だから、日々普通に生きている中で人が気にしないような些細なささくれにも敏感に反応して、心が疲れてしまう。私もその一人でした。
今ではHSPという言葉もありますが、20年前もそういう人がたくさんいたと思います。それは、そうじゃない人から見るとアレルギーみたいに過度な反応になっていて、本当に「生きづらい」し、「疲れる」。普通に過ごしても、すごく心身が削られてしまうんです。そんな環境から守ってくれていたのが、SADSの曲だったんだと思うんです。

「日々の嫌なことを忘れるために来ている人もいると思う」といつかのMCで清春さんが話していたように、最近の嫌な出来事を忘れるために来ているとも言えるのですが、ニュアンスとしてはもっと根深いんですよね。放っておくと延々と考えてしまうネガティブ思考の癖、会話一つ一つに人の機微を察知して相手が何を考えているか巡らせる日々、この先への不安。そしてそれらを考え過ぎても考えなくても実は同様の結果なのに、ループして疲弊だけしていく状況。それを、アレルギー薬みたいに、過敏に反応し過ぎないように日々抑えてくれていたのではないかと思うのです。

実際にのめり込み始めた自身の学生時代は、多感すぎて心身のバランスを壊していたのだと振り返って思います(当時は分からなかったですが)。けれどとにかくアルバムを聴き込んで、世界に浸って、心を落ち着かせていました。激しい曲なのに、なぜか聴くと落ち着くという矛盾した感覚はこのせいだったのかもしれません。

自身の体験をさらに加えると、思春期も相まって当時「何が本当で何を信じればいいのかわからない」と迷子になっていたようにも思います。ただ、目の前にいる眩しい存在だけは、真実だったんですよね。デカルトの「我思う故に我あり」のように、「何を信じたらいいかわからないけど、かっこいいと思うこの気持ちは確実にここにあるし、SADSは確かにそこに居る」みたいな状態でもありました。その状況には本当に、救われたとしか言いようがありません。

現在は「推し活」という言葉があるので、そのあたりを微細に研究されている人も多くいるかと思いますが、実際に10代の多感な時期から小学生の親になるまでの20年以上のこの経験に基づく気持ちの説明は以上です。

それから年月が過ぎ大人になり今に至りますが、20歳近く先輩の憧れの存在は、いつでも何か人生に示唆を与えてくれます。20年経ってなお、救われているのです。
全編に渡りなんの話をしているんだ??まだ厨二病なのか??と思われる方もいると思いますが、できるだけ当時の思考を忠実に書いてみたつもりです。多少書き足りないですがこのあたりで。

いつまでも憧れのスターでいてほしいなと、本当に本当に思っています。素晴らしい2daysをありがとうございました。