バレーボール応援日記
「おい、お前、ガンフーだな。見たことあるぞ!」
身長も筋肉もオーラも圧倒的にデカい。強豪校の主将でエースアタッカーに息子が声を掛けられた。眩しいほど憧れの人だ。相手は3年生。息子はまだ2年生。
ガンフーとは、岩フー。
岩手大学附属中学校が、よそではちょった揶揄された呼び方をされているなんて、初めて知った。
12月から通い始めたバレーボールアカデミーU15での出逢いのひとつ。どうしてもバレーが上手くなりたい、どうしても中学のバレー部で勝ちたいとの想いで、息子が自分で調べて、私に連れて行って欲しいと頼んできた。
日本でも有数のバレーボールに特化した専用施設。
床の弾力もよそとは全く違うのは、一歩踏み込んだ瞬間、素人の私ですら分かってしまう。
ここには岩手県内の熱意満々の子供たちが、部活を終えた後に集まってくる。車で片道2〜3時間の子もかなりいる。送迎する親御さんたちの熱意もまたコートを熱くしているよう。
ウォームアップから練習が終わるまで、皆、自分の目標に向かってボールを打ち続ける。黙々と、でも楽しくてしようがないという笑顔で。
真っ直ぐに澄んだ空気が満ち渡るバレーコート。
私まで、ここにいるだけでアルファオゾンを浴びたような気持ちよさを感じる。
ひとまわり高いネット、ジュニアよりもひとまわり大きな公式球、ひとまわり大きな3年生たち。
息子は精いっぱい皆に食らい付いていく。初めてトライすることばかりの2時間が、あっという間に過ぎてしまった。
ロッカールームで着替えて、そそくさと出て来ようとする息子に、強豪校のエースアタッカーが、別れ際にも声を掛けてくれた。気持ち良く汗ばんだ笑顔で。
「じゃあな、大我、またな!」
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#バレーボール #大我
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