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「障害ある子もない子も参加するワークショップ」を実現するのは難しい

今年度は残念ながら、こどもたちとのワークショップは1つもやっていません。(7年目にして初めてかも)

色んな事情があるのですが、それはさておき、これまでこどもたちとのワークショップは残していきたいなあと努力してきました。ただどうしてもうちのような零細NPOにはこの力はなかなかなくて、どれだけ頑張っても難しいことは多かったです。

ここ3年ほどは小学校に入ってワークショップをやっていましたが、これもなかなか継続させていくのは、内容に限らず学校の独特の環境や事情的に難しいなと思うことも正直ありました。

大学院生のときの研究テーマの本筋はここだったので、そういう理念を掲げたワークショップをリサーチしていたのですが、そもそも数年たってだいたい実施ができなくなる事例も非常に多く、大学院生のときのリサーチには非常に苦労しました。

長らく続けている事例といえば、白梅学園大学の杉山先生や杉山ゼミの学生さんが続けているワークショップじゃないかなと思います。

小平市との連携事業だからこそ続けられているのかなと思うと、小平市すごいですよね。そして本当にこのワークショップは長らくやっていて、杉山先生すごいです。

学生の時「数年で終わる活動が多いからこそ、継続させられる活動のあり方を考えるぞ」と意気込んでいましたが、なかなか難しいなと今でも思っています。そして今年はとうとうできなかった。

あえて今回はどうして難しいのかという話を少し整理してみます。

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理念としては「障害のある子もない子も関われる場を作るのは大事!」という人がいるし、保護者も実際のところ「あると嬉しい」と言ってくださいます。

そこから6年、そして大学院生の時期もふくめたら7年間か。トライしてきた身としては、実際のところは当事者家族からすると「それよりも放課後等デイサービスに行けるかどうか」「それよりも大事なやるべきことがある」みたいな状況で、参加の優先順位が低くなる現状があるということに気づきました。

期待はしているけど、開催されているからと行ってきてくれるわけではない、という感じです。

マックで顧客のヒアリングをしてヘルシーメニューを出したけど売上上がらなかった、みたいなやつですかね?(違う?)

ソースを探していたら為末大さんのツイートが出てきました。2014年…!こんなに前に言われていたやつなのかと時がたつのがはやくて驚いてる

これには理由はいろいろだと思います。参加費を払うのは厳しいとか、場所的には遠いとか。でもそれ以前に優先順位が低いという現状があるなと。

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また、障害の診断が特にない子でも、他におもしろいワークショップは多いわけで、わざわざ私たちが主催する(しかもいろんな子が来る可能性があるとなると、正直不安だと思う)ワークショップを選ぶ必要がない状況にあります。みんなそう言わないけどね。

だからこそ、何よりコンテンツで勝負できるようにならないとこれは他の時間を優先されたら勝てないわという現状なんだなと理解し、逆に必要とされている場所に行くということで、3年前からは学校現場に入るようになりました。

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学校現場に入るようになって、またわかることも見えて本当に勉強できたことばかりでした。

その時の連載は下記から見てみてください。事務局くりのさんがまとめてくれております。

学校現場の場合、特別支援学級と普通級との交流共同学習として位置づけられワークショップを実施します。

学校現場に入るようになったものの、わたしたちが手掛けるワークショップって、基本的に「遊んでいる」だけなわけです。

そうなると遊ぶなら他にやることがあります!と思われてしまうこともあり、旧来型の教育思考のかたにはそこになかなか意味を見出してもらえないことも多いです。

しかも、交流共同学習の実施は、特別支援学級の先生方の協力はもちろん、普通級の先生方の協力も必要です。

しかし、普通級の先生方が、その授業の必要性を重要視していないことも多いので、そういう意味でも特別支援学級の先生と普通級の先生それぞれに理解をして頂く必要があります。

そして学校現場はそういうワークショップを受け入れる余裕がない状況の学校も多くあります(そういう学校現場こそ、外部の人がワークショップなどをやりにくるのは、障害の有無など以前に意義がある場合が多いのだけどね)。

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このワークショップの方法は、結局「理念」だけが先行して、肝心の参加者は集まりにくいという構図になりがちなんだなと改めて理解しました。

「理念だけで消費されない」という個人的ポリシーは、この経験から強固になってきた感じがあります。

「続けてほしい」「これからもあってほしい」とたくさん言ってもらったけれど、その人たちが足を運んでくれた試しはなかったし、自分たちって理念だけ消費されているんだなって当時は虚しくなったりもしました。

みんな、障害の有無関係なく楽しそうにしていたら嬉しいんですよね。感動もあったりする。それをみんな求めている。

でも現状はニーズ的に後回しだったりして、それって場をつくりたい大人の都合という側面もあるんだよなあ、と思ったりしています。

じゃあ本当にコンテンツで魅力を感じてもらうためにどうするのか、そしてそれを届けるためにどうするのか、そもそもどこで開催するのか、などなど検討すべきことが本当に多いので、そういう難しさの構造を、また改めて紐解きたいと思います。

あと、先に紹介した杉山先生のワークショップを大学院生のときに参加させていただいたのですが、本当によくできていて、これを超えるワークショップはデザインできないって当時思って、研究の方向性をガラリと変えることになったくらい、本当よく設計されたワークショップです。

見学などはおそらく難しいと思いますが、詳しく知りたいなという方は、こちらの書籍をぜひ読んでみてください。

この辺のワークショップ設計の個人的なポイントもまたご紹介したいなと思います!

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