見出し画像

障害学生さんに社会経験を気軽に届けるためにやってみた3つのこと

こんにちはさゆちゃむです。障害のある学生や若手社会人のキャリアを応援する事業に取り組んでいます。

前回、その事業GATHERINGに関して、学生さんの有償インターンスタッフの採用の準備のときに考えたことを記事にしました。

今回は採用開始編です!前回の続きです。

障害学生見つからない問題

いざ障害のある学生さんの採用を始めようと思ったときに、最初にぶつかった課題があります。それがまさに障害学生見つからない問題です。

障害のある人たちとの活動をするひとたちは、口を揃えて「大学生見つからん」とよく言っているように思います。というのも、わざわざ同じ障害のある学生同士でみんなつるんでないということです。

例えば支援学校・支援級出身であれば、同じ障害がある同級生や先輩後輩との関係があり、それぞれ進路がバラバラになってもつながりがある場合もあります。

が、実は結構みんな同じ障害のある人たちと学校生活を過ごしていない場合が多いです。もっというと障害関係なく地域の一般校で過ごしてきました、という人が結構多いんです。例えば学年に車いすユーザーは自分だけ、とか。また、発達障害の場合は、高校生や大学生になってから診断を受けた、という場合が多々あるので、そもそも同じ障害のある人同士の関係性を持っていない場合も多くあります。

逆に言うと、大学生になって、授業の受け方が変わるという環境の変化に対応するためにどうするかとか、就活などの進路を考える際にはじめて「自分と同じ障害の人たちどうしてるんだろう」と思ってつながりを探し始めるんですよね。

だからこそ、大学生へアプローチするGATHERINGは、アウトリーチが非常に重要になってきます。大学生見つかりません!では話にならないので、今回はいくつかの大学の障害学生支援室にGATHERINGについて発信させていただいています。

一部の大学さんでは学内で積極的に有償インターン募集の広報をかけてくださいました。おかげで想像以上のエントリーがあって、当初の予定よりもかなり採用活動に時間がかかりました。(ありがたい…)

にしても本当に各大学で事情が異なっていて、前向きな連携の声をいただいても、その後具体的にお話を進められていないパターンも実はあります。

この辺の実態はまた機会があれば書けたらいいなと思いますが、とにもかくにも大学の障害学生支援室は、さまざまな事情のある学生さんがまずは駆け込んでくる重要な窓口になっています。

くわえて、GATHERING自体は単なる就活斡旋をしたいのではなく、障害のある学生のキャリア学習を後押ししたいので、大学のみなさんとはむしろキャリア学習の側面から、積極的に連携を取らせていただき、社会経験、学習の機会を創出していくことが大切だと考えています。

いろんな大学のみなさんと繋がりながら、この課題の解決に向けてがんばりますので、ぜひ関心のある大学のみなさま、いらっしゃったらお問い合わせフォームにご連絡をお願いします!

📔

エントリーのハードルを下げる

GATHERINGを立ち上げて改めて感じるのはアルバイトやインターンの機会がないという声の多さです。

一方でこうしたプロジェクトを立ち上げるときに学生を募集するとなると「やる気のある学生を募集!」みたいな意識高めな発信になりがちです。そうするとつい意識高めのエントリーシートを用意しがちなんですよね。でもそうしてしまうと「自分には向いてないかもしれない」とプレッシャーを与えかねないと考えました。

なので、気軽にエントリーしてもらうことを大前提に、エントリーしていただく際の情報はかなり簡略化したフォームにさせてもらいました。

具体的には連絡先と所属大学、学部、学年、あとはご自身の障害について選択式のフォームで該当するものに回答してもらうくらいにしました。(ちなみに流石に簡略化しすぎたかなとは思っているので、次回以降はもう少し項目増やそうと思っています)

GATHERING自体は企業の障害者雇用のイメージそのものを変えるべき立場でもあると思うからこそ、そもそも当事者の社会経験をふやすべき存在でもあるので、未経験者歓迎の立場でなければいけません(し、学生で経験者求めるものもそんなにないはず)。

じゃあ簡略化したフォームでどれくらいのことがわかるか(わからないか)も知りたいと思ったので、そういう意味でも簡略化したものでよかったなと思っています。

また、簡略化したことで、Twitterでこの情報をみつけてエントリーしてくれた人も複数いました。前回無償スタッフ募集で総スカンだったけど、やっぱり有償というのが決め手になるのかなあと今となっては振り返っていますが、どちらにせよ「やりたい!」と衝動的に感じてくれたときに、エントリーフォームの内容が重いと、エントリーを諦めたかもしれない、と思うと、負担にできるだけならないようなフォームにしてよかったなと思っています。

結果、有償ということもあってか、結果的には想定以上の人数でいろんな学生さんがエントリーしてくれました。

名称未設定のデザイン

「2次面談を希望しますか?」

エントリーフォームの中身が簡略化されたということは、実は全員1次面談をするつもりで準備を進めていた、ということでもあります。(予定より多くの学生さんと話ができたおかげで、あっという間に6月終わりました…)

こうした社会経験機会が少ない学生にとって、バイトのエントリーに失敗・成功した、という経験そのものが少ない場合があります。特に面接の機会に行き着かない学生が多い。エントリー自体は変な話、履歴書を勝手に送りつけたり問い合わせすれば見てもらえる可能性があります。しかし、面接は企業側がOKをしてくれないと実施ができません。だからこそ、まずは大人とすこし緊張感をもった場で話をする機会を多く届けたいと思い、全員と面談しました。

実際にさまざまな事情がある学生さんたちばかりであれば、話してみないとわからないことがあまりに多いとも思いましたし、学生さんの不安をできるかぎり減らせる可能性を考えても、結果こうしてよかったなと思っています。

1次面談では私たちのことも紹介させてもらいつつ、相手の自己紹介も簡単にいただきました。たくさん話す人もいれば、一言二言の人もいますが、話す量よりも内容を重視することを意識してお話を聞きました。

加えて、最後に逆質問で「2次面談希望しますか?」と、学生さんに決めてもらいました。

これには理由が2つあって、

1つは面談の時点で学生さんが初めて聞く情報もあるので、その時点で考え直したいと思う学生さんもいるかもしれないと思ったから。

もう1つは、初めての働く機会だからこそなんだかんだでプレッシャーに感じてしまうかもしれない。その場合に「ここで辞退する」という選択肢を選ぶのも自由、ということを伝えたいと思ったからです。

しかしいきなり最後に「2次面談希望しますか?」と聞くのは「希望しますと言わないと採用されないのでは」と思われて勘違いされてはいけないので、面談の冒頭から「最後に2次面談を希望されるかどうかお尋ねするので、この時間にぜひ考えて教えて下さい。判断は後日でもいいです」という趣旨は伝えています。

ほとんどの学生さんはその日に希望していましたが、中には一度考えます、という学生さんもいました。(言わずもがなこの判断は採用結果に影響していません)

ちなみに今後はエントリーがこれ以上多くなったら、この方法は取らないかもしれません‥

そんな感じで、いろいろと採用段階で実験を進めてみました。2次面談では1次で聞かなかったような質問をいろいろとさせてもらいました。長くなってしまった…


結果、採用を決めた学生さんもいれば、いわゆる「お祈りメール」をお送りした学生さんもいるので、心苦しい気持ちではあるものの、せっかくできたご縁なので、エントリーしてくれた学生さんにも、今後いろいろな機会を届けられたらと思っています。

なお、採用に関して、障害種別は本当に関係ないし、学年や性別も関係ないです。

ということで、また来週月曜日に、採用終了編をお届けしたいと思います。次回は下記のことを書けたらと思っています!
また月曜日にお会いしましょう😌

面談を通じて知れたほうがいいと思ったことや採用活動の反省点
採用活動を終えて感じたこと
実際に動き始めた様子


にしてももう心が折れそうです…こういうときにフォーゼロスタジオで執筆がいいのかも…

来週はもしかしたら、フォーゼロスタジオで公開執筆すると思うので、よかったらぜひチェックをお願いします…(周りを固めて自分にプレッシャーかけていくスタイル。最近使うの忘れてました)


いただいたサポートは、多様な人たちとの関係性が当たり前にある社会の実現に向けて、Collableに寄付します!