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【感想文】統合失調症の一族を読んで

12人の子供のうち6人が統合失調症になった家庭と、それを取り巻く遺伝学や精神薬理学のノンフィクション。

私の亡き父と、私自身と姉が統合失調症なのでこれは読まねば!と思い手に取りました。

統合失調症はなった本人も大変だけど、周りも大変だと改めて思いました。特に幼い家族にとっては統合失調症の急性期を目の当たりにするのは重荷でしょう。

10男ピーターの、長男ドナルドの奇妙な行動にまつわる憤り。次女メアリーが抱いた、兄たちに対する激しい怒りと罪悪感。かつて私が父に抱いた感情と重なり、それらは自然に抱くことが許された感情だったのだと慰めになりました。

また、一家は重要な統合失調症の研究対象にもなり、登場する遺伝学や精神薬理学の研究がゆるやかに進歩していて、現代に近づくにつれてエキサイティングに読めました。

100年後はどうなっているんだろう?統合失調症を予防することは出来るだろうか?

一家の大変な歴史と共に、そんな未来に希望を持てる本でした。

※読書メーターでは、統合失調症をお持ちの娘さんがいる読書家の方にこの本は悪書だと言われました。広い知見を持つとそう思えるのでしょうか…

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