ドンブラザーズ | 桃井タロウという人間について

今年3月頃、友人に勧められドンブラザーズを一気見しました。
放送が終わった後だったのでリアルタイムにファンの方の感想を見ることが叶わなかったのですが、一気見した人間として桃井タロウという人間について深掘りしたい気持ちになったので書くことにしました。

桃井タロウの基準

何かを行う時、選ぶ時、人には判断基準があると思います。無意識、意識に関わらず、何かを「決める」ということは判断基準がなくては決められないと思いますので。
例えば、「好きか/嫌いか」「楽か/めんどくさいか」「楽しいか/楽しくないか」など、基準は人それぞれですし、時によってその基準が変わったり、複数の基準が複合して判断することもあるでしょう。
桃井タロウは、常に「正しいか/正しくないか」なのではないかな、と思います。言い方を変えると、常に自分がすべきことをしているだけ。
常に同じ物差しで全てのことを一律で判断するから人を傷つけることもある。
例えば、友達が作ったものをプロと比較するのって残酷だけど、それが「本当のこと」だから25点だ、と言ってしまうのです。
だから、「それって優しくないよね」というような指摘はタロウにとっては受け入れられない(タロウに取って嘘をついて甘やかすことは正しさではないから)。
ただ、正しさというものも実は絶対ではなくて、常に「本当のこと」が正しいとも限らないと思います。
最初、タロウにとっては「本当のこと」こそが正しかったけれど、本当ではないものが正しいこともあると思ったり、別の基準も存在すると知っていく様子が描かれていたと思います。

桃井タロウは“優しくない”のか?

それって優しくないよね、なんて言いましたが、果たして本当に桃井タロウは優しくないのでしょうか。
私は優しいと思っています。(考え方によりますが)
自分より弱いお供達を「弱い!」と切り捨てるのは、厳しいし、人を育てるという意味ではもっと良いやり方があるでしょうに…という気持ちになりますが、弱いと困るのは本人達ではあるので、本当のことを突きつけるのは優しくないと出来ないと思います。
誰かを傷つける本当のことを伝えると、当然ハレーションがおきますし、時には「そんなことないだろ!」「そんなこと言うなよ!」と攻撃が返ってくることもあります。
そのハレーションに対して、「一切傷ついてない」「こいつは強いし能力も高いんだからいくら傷つけても良い」と誤解されることもあると思いますが、タロウは傷ついてないわけではないと思うのです。
ただ、傷つくことを恐れないし傷つくとしても「自らのすべきこと」を常に選び続けられる。それが彼の本当の強さだと思います。

桃井タロウとドンブラザーズ

タロウはコミュニケーションに難がある人ではありますし、嫌われることもあるでしょう。
だけど、タロウがドンブラザーズという仲間(仲間と言わせてください)を作ったことは、「周りがタロウを受け入れてあげたから」ではないと思うのです。
はるかや猿原、雉野がタロウに「本当のことが正しいとは限らんだろ!」とぶつかっていったこと、なかなか変わらない/変われないタロウに辛抱強く、時に裏切りながら(笑)、接したことも勿論関係性の構築において重要だと思います。
ですが、そこに「タロウの人間性」も寄与したことは忘れてはならない要素だと思っています。
タロウは、誰にでも等しく厳しい人間なので誤解されると思いますが、裏を返せば真に平等な、真に誠実な人間だと思うのです。
あれほど一貫した人間はなかなか居ない。常に誠実な人間だからこそ、周りの人間は「嫌だ!許さない!」と言いながら惹きつけられるのだと思います。
だから、タロウがドンブラザーズという仲間と出会えたのは周りの尽力だけでなく、タロウの人間性のおかげでもあると思っています。


ドンブラザーズ終わってしまったけど、私にとって凄く大事な作品になりました!
1年間演じ切ってくださった俳優の方々、製作陣の皆さまがこれからもご活躍されることを楽しみにしております。

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